名古屋に本社を置く株式会社シーエムスタッフは、1991年の創業以来総合広告代理店として、新聞や雑誌、テレビCMをはじめとするオフライン広告によって企業のマーケティングを支えてきました。
しかし、近年オンラインによるマーケティングの需要が急増したことに危機感を覚え、WEB広告などのデジタル領域のマーケティング事業をスタートさせます。
現在は、オフライン広告からオンライン広告の運用、サイト制作、動画制作など幅広く手掛ける同社ですが、WEB広告事業をスタート・拡大するうえで、広告レポート自動化ツール「Databeat」を導入した経緯や効果について、WEB広告運用担当の吉村様と代表の渡辺様にお話を伺いました。
- 1 オフライン広告からオンライン広告まで幅広く手掛ける総合広告代理店
- 2 非効率でも顧客へ真摯に向き合う姿勢を重視した1社1専任スタッフ体制
- 3 WEB広告事業のスタートにおいて「Databeatの利用は必須」と感じ導入を決断
- 4 総合広告代理店が成長・発展を目指しWEB広告へ取り組むのなら「覚悟」と「Databeat」が必要
- 4.1 御社のようなオフライン広告を扱う総合広告代理店がWEB広告運用を始める際、なにが重要とお考えですか?
- 4.2 御社はまさに成功例ですね。ここまで大きく舵を切られて順調に伸ばしていらっしゃるのは本当にすごいなと思います。
- 4.3 オフライン広告が占める割合が多いからこそ、なかなかWEB広告へシフトしにくいといった状況もあるのでしょうか?
- 4.4 オフライン広告とオンライン広告どちらにも対応できるという点は、御社にとって非常に大きな強みとなるのではないでしょうか?
- 4.5 Databeatを導入して社内や顧客からどのような反応がありましたか?
- 4.6 DatabeatはLooker Studio(旧Googleデータポータル)によるレポート作成が可能ですが、クライアントへLooker Studioのレポートを共有するといったシーンはありますか?
- 4.7 新たに入社された方の教育などにもDatabeatを活用されていらっしゃるとお聞きしました。
- 4.8 Databeatを実際に利用してみて難しいと感じたことはありましたか?
- 4.9 Databeatを活用して広告運用を進めるうえで、日頃から心がけていることがあればお聞かせください。
- 5 WEB広告の領域を広げつつも制作やマーケティングなど一貫して高い水準で提供していきたい
オフライン広告からオンライン広告まで幅広く手掛ける総合広告代理店
はじめに、吉村様が現在ご担当されている業務内容を教えてください。
WEB広告の運用やコンテンツ記事の制作、WEBページのアクセス解析、ホワイトペーパーの制作、メルマガ作成、MAツールを利用したマーケティング戦略の策定などを行っています。
WEB広告運用はGoogle、Yahoo!、Facebook、Instagram、LINE、SmartNews、TikTokを中心に運用しています。ご要望があれば、そのほかの広告媒体の運用も可能です。
なかには、GPSによるターゲティングを利用した広告を出稿したいというご要望もあるため、DSP広告を運用するケースもあります。
やはりGoogle広告やYahoo!広告の需要が高く、弊社から提案させていただく機会は多くなっていますが、クライアントがYouTubeやInstagram、TikTokなどに掲載されている広告を目にして、取り組みたいといったご希望をいただくケースもあります。
吉村様
近年オンライン広告が増えてきていますが、オフライン広告の需要は現在もあるのでしょうか?
オフライン広告は、現在も需要があります。実際に、オンライン広告とチラシや交通広告などのオフライン広告を併用してみたところ、オフライン広告の方が反響が高いといったケースもありました。
そのため、クライアントの要望や状況に合わせて、最適な施策を提案しています。
たとえば、チラシによる広告効果が高いと感じているクライアントには、チラシへQRコードを載せて効果計測を実施したり、オンラインへ繋げていったりといった提案をすることもあります。
また、土地柄による影響も少なからずあると感じています。弊社は名古屋市に本社を置いていますが、東京や大阪に比べるとWEB広告はまだまだ浸透していない印象があります。
クライアントはどのような業種・業態の方が多いのでしょうか?
特定の業種や業態に偏ってはいませんが、現在はハウスメーカーなどの不動産関係や専門学校、大学などの教育関係が多くなっています。
そのため、BtoCビジネスを行っているクライアントが多いです。
ただ、最近はBtoBビジネスを行っているクライアントから、採用のための広告出稿をご依頼いただくケースも増えてきています。
非効率でも顧客へ真摯に向き合う姿勢を重視した1社1専任スタッフ体制
御社は1社に1名の専任スタッフが付くため、自社のマーケティングをどう実施すべきかわからない、あるいはプランがない状態でもご相談しやすそうだと感じました。実際にそのような案件は多いでしょうか?
非常に多いです。はじめから特定の広告媒体をご希望される方もいらっしゃれば、WEB広告をはじめたいけれど何から手をつけてよいかわからない、というご相談を受けることも少なくありません。
そのため、クライアントごとに担当者が付くことで相談しやすい、心強いといったお声を頂戴することもあります。また、窓口が変わらない点を評価いただくこともありました。
オフライン広告からオンライン広告まで精通しており、クライアントごとに最適な提案をできる点が、弊社の営業担当の強みだと思います。
1社に1名の専任スタッフ制はクライアントにとっては安心感に繋がりますが、御社の業務負担は多くなって大変そうですね。
一人の営業担当がクライアント1社の担当に付くということは、責任感が必要になります。他社では営業や運用者、CSなど複数の担当者がクライアントの対応を行うケースが少なくありません。
しかし、こうした体制だとクライアントが何か相談したい場合、誰に相談すればよいかわからなくなるおそれがあります。また、トラブル発生時の責任の所在も曖昧になってしまいかねません。
効率を重視するのであれば、複数名で対応するべきなのかもしれませんが、弊社は他社と差別化したい、そしてクライアントに寄り添った対応を行いたいといった考えから、現在の体制で業務にあたっています。
また、担当者を広告運用者ではなく営業担当にしたのは、自ら営業活動をして契約を取ってきた営業担当が、もっとも責任を持って対応できると考えたからです。
ただし、状況やご要望に合わせて広告運用者やクリエイティブ制作の担当者がクライアントと直接やり取りをする、打ち合わせから同行するなど柔軟に対応しています。
WEB広告事業のスタートにおいて「Databeatの利用は必須」と感じ導入を決断
Databeatを導入する以前は、他のレポート自動化ツールなどをご利用されていましたか?
Databeatを導入する前は、特にツールは利用していません。広告の配信結果をもとに、営業担当がPowerPointやExcelを使って手作業でレポートを作成していました。
御社はクライアントや取り扱う広告の数も多いので、レポート作成や進捗確認の工数、入力ミスの発生などに課題を感じていたのでしょうか?
Databeatの導入と同時期に私(吉村様)は入社したので、Databeat導入以前の状況はわかりません。ただ、社内で当時の状況を聞いたところ、大変だったようです。
また、Databeatを導入することでレポートが出力しやすくなったため、WEB広告の提案がしやすくなり、WEB広告運用事業をスムーズに拡大できたという印象を持っています。
Databeatを知ったきっかけ、導入前のDatabeatに対する印象を教えてください。
Databeatは、弊社にコンサルで来ていた方から「便利なツールがある」ということで教えていただきました。Databeatについて調べた際は、利用しやすそうというのが第一印象です。
また、紙でのやり取りを削減できる点や、データの共有・レポートの作成・共有を自動化できる点に魅力を感じました。
弊社はもともとオフライン広告が中心で、オンライン広告の割合はそれほど多くありませんでしたので、WEB広告のレポート作成や進捗確認に大きな課題を感じた経験はありません。
しかし、限られたリソースでWEB広告業務を拡大していくには、Databeatが必要不可欠だったという背景があります。
当時WEB広告の運用担当者は一名しかいなかったので、Databeatを導入していなければ、ここまでスムーズにWEB広告業務を拡大できなかったでしょう。
当時WEB広告の運用担当者は一名だったとのことですが、現在は何名ほどいらっしゃいますか?
現在は、2名体制で運用していますが、翌月(2023年5月)には1名追加する予定です。
さらに、現在の流れでいくと確実にリソースが足りなくなっていくので、おそらく来年(2024年)には6名程度まで人員を拡大する計画があります。
また、広告のキャンペーン数でいうと、当時の10倍以上に増えました。もともとオフライン広告のみを取り扱う総合広告代理店だった弊社では、クライアントからのご要望があった場合のみ、SNS運用やWEB広告運用を引き受けていました。
SNS運用は営業担当が、WEB広告の具体的な運用は外部に委託して運用する体制でした。WEB広告は運用からレポート作成まで委託先が対応してくれていたため、運用方法について社内で学習したり、ノウハウを蓄積したりといった必要性を感じていなかったんです。
しかし、WEB広告運用のニーズ増加に伴い、自社でもやらざるを得なかったという背景があります。そして、コンサルの方からはWEB広告事業を拡大していくのであれば、Databeatを導入しないと無理だとも言われました。
そのため、弊社がWEB広告運用を内製化することと、Databeatを導入することは「セット」という認識だったんです。
今振り返ると、Databeatを使っていなければ、ここまでスムーズにWEB広告事業を拡大できなかったと思います。
総合広告代理店が成長・発展を目指しWEB広告へ取り組むのなら「覚悟」と「Databeat」が必要
御社のようなオフライン広告を扱う総合広告代理店がWEB広告運用を始める際、なにが重要とお考えですか?
総合広告代理店が本格的にWEB広告運用へ取り組むのであれば、覚悟が必要です。また、Databeatもセットで導入するべきだと思います。
新聞やテレビなどのオフライン広告は広告費の金額が大きく、歴史のある会社ほどなかなかWEB広告へシフトするための踏ん切りが付かない印象があります。
しかし、市場が飽和していることもあり、弊社はオフライン広告だけを取り扱っていても、これ以上の発展はないだろうと思いました。
そこで、弊社がさらに成長・発展するためにはどうするべきかを考えたとき、やはりWEB広告に特化すべきだという結論に達し、3年ほど前に本格的なWEB広告事業をスタートさせたんです。
当初はWEB広告の比率が10%未満でしたが、現在は40%程度まで伸びてきており、おそらく今後さらにWEB広告の比率は拡大すると思っています。
ここまで大きく方向転換する総合広告代理店はなかなかいないでしょう。
御社はまさに成功例ですね。ここまで大きく舵を切られて順調に伸ばしていらっしゃるのは本当にすごいなと思います。
弊社が従来行っていたように、オフライン広告中心の総合広告代理店の場合、クライアントからWEB広告運用の要望を受けるものの、WEB広告運用に特化した広告代理店へ外注しているところはまだまだ多いと感じています。
オフライン広告が占める割合が多いからこそ、なかなかWEB広告へシフトしにくいといった状況もあるのでしょうか?
そうですね、オフライン広告の領域はどのみち発展・拡大することが難しいとわかっていても、今なんとかやっていけているので、危機感がないとなかなか行動に移せないのではないでしょうか。
オフライン広告とオンライン広告どちらにも対応できるという点は、御社にとって非常に大きな強みとなるのではないでしょうか?
おっしゃるとおりです。オフライン広告は非常に工数がかかり、参入するには知識も必要です。さらに競合も多いことから、新たに参入するのは簡単ではありません。
弊社はこれまで取り扱ってきたオフライン広告に加え、オンライン広告の運用にも対応できるので、クライアントの事業や状況に合わせて最適な提案をできるのが、ほかの総合広告代理店にはない強みとなっています。
Databeatを導入して社内や顧客からどのような反応がありましたか?
営業担当からは、一目で効果を確認しやすいレポートが自動で更新されるので、広告の進捗確認がしやすくなったとフィードバックを受けました。
また、クライアントからも他社よりレポートが見やすい点や、すぐにレポートを出力できる点などを評価いただいています。
もしDatabeatがなかったら、媒体ごとに管理画面へログインして数値を確認しなければならないため、毎日大変だったでしょう。
DatabeatはLooker Studio(旧Googleデータポータル)によるレポート作成が可能ですが、クライアントへLooker Studioのレポートを共有するといったシーンはありますか?
Databeatで出力できるLooker Studioレポート
現在のところ、Looker Studio(旧Googleデータポータル)を使ってそのままレポートを共有することはほとんどありません。というのも、レポートは紙で欲しいというクライアントが多いため、先方のご希望に合わせて対応しているからです。
ただ、紙のレポートを出力する際は、Looker Studio(旧Googleデータポータル)で作成したものをPDFにして印刷しています。レポートのテンプレートはサマリーのグラフがあったり、色が付いていたりしてわかりやすいという声を多くいただいています。
また、他社のレポートを拝見したことがありますが、ただ数字を羅列しているだけのものもあり、Databeatのレポートテンプレートは非常にわかりやすいと感じました。
新たに入社された方の教育などにもDatabeatを活用されていらっしゃるとお聞きしました。
Databeatダッシュボードレポート
はい、Databeatを使えば同じ数字を見ながら改善箇所について話すことができるので、新人教育にも活用しています。
運用方法や改善方法について、Databeatを使うことでスムーズに共有ができて大変便利でした。
Databeatがあるおかげで、社内でもコミュニケーションを取りやすいなと感じています。また、細かい設定についても、Databeatを使えばそれほど教育コストをかけずに理解できるのがよい点だと感じました。
Databeatを実際に利用してみて難しいと感じたことはありましたか?
弊社がDatabeatを導入した当初は、社内に使い方を教えられる人間がいませんでした。しかし、導入時のオンボーディングとヘルプ記事が非常にわかりやすかったので、特に困ることもなく利用できました。
はじめは設定方法などヘルプ記事を参考に進めていましたが、不明点があった際はチャットで質問して、すぐに回答をいただけたのもよかったですね。
正直、Databeatがなければ弊社がここまで成長するのはもっとしんどかったのではと思います。
Databeatヘルプセンター
Databeatを活用して広告運用を進めるうえで、日頃から心がけていることがあればお聞かせください。
広告のレポートは運用者、営業担当者、クライアントによって注目する数値が異なるため
それぞれに適した見やすい構成にするよう心がけています。
たとえば、営業担当者が確認するレポートには、日予算に対して大幅な過不足がある場合に
自動的に色をつけています。そうすることで、早い段階での問題発見と対応が可能となります。
また、運用者はクリック率などをとても重視していて、クリック率が悪い場合は、広告文やターゲティングの変更などを実施します。
営業担当者の場合は、きちんと予算を消化できているか、広告が正常に稼働しているかなどを重視します。
しかし、最近は運用する広告の数が増えてきたことで、すべての進捗を確認するのも簡単ではありません。
そこで、予算の消化状況をチェックする際は、日予算に対する超過割合や消化できていない割合などに色をつけてわかりやすくしています。
こうした方法も、Databeatのヘルプ記事を参考にしました。Databeatのレポートは、共有する相手に合わせて最適に工夫できる点が非常に便利だと感じています。
WEB広告の領域を広げつつも制作やマーケティングなど一貫して高い水準で提供していきたい
Databeatへの感想をお聞かせください。
初めての方にも使いやすい点、レポートのカスタマイズのしやすさについて言及してきましたが、改めて他サービスに比べた際、対応できる媒体の多さには助けられています。
たとえば、弊社で運用しているSmartNews広告に対応していないサービスだと、ひとつの媒体だけ異なるフォーマットでのレポートとなり、クライアントにとっても社内にとっても使いづらくなります。
その点、Databeatは非常に多くの広告媒体に対応しているため、無駄な工数が発生することなくWEB広告の進捗確認やレポート作成をスムーズに行えています。
マーケティングに悩んだらとりあえず御社に相談すれば解決方法を導き出せる、そんな印象を持ちました。
弊社の仕事はクライアントの売上最大化なので、オフライン・オンラインを特に分ける必要はないと思っています。
クライアントの売上最大化に必要なものはなにか、どうすれば売上を最大化できるのかを考え、必要であればオフライン・オンライン広告どちらも利用します。
また、ホームページの制作やリニューアルなどのご依頼も多くいただいております。古くなったページのリニューアルやLPのみの制作、動画制作の依頼も増えています。
こうしたWEB制作・動画制作を社内で完結できるのも、弊社の強みです。
出典:株式会社シーエムスタッフ
御社の今後の展望をお聞かせください。
渡辺様
弊社はもともと総合広告代理店として、プッシュ型の営業を中心に行っていましたが、今年(2023年)の1月からプル型営業の準備をはじめました。プル型営業の手法は「コンテンツマーケティング」です。
芽が出るのは1年くらい先にはなると思いますが、いずれは営業担当によるプッシュ型とコンテンツマーケティングによるプル型を、同程度の比率まで高めていきたいと考えています。
また、このプル型営業がうまく軌道に乗ってくれば、現在愛知県が中心の商圏を関東や関西などへ広げ、販路・売上を拡大していきたいです。
現在のクライアントはほとんどが愛知県内の方になりますでしょうか?
大阪に本社を置くクライアントのお仕事なども受けていますが、基本的に直接顔を合わせてお話ができる商圏のクライアントが多く、9割以上は愛知県の方です。
ただ、将来的には東京や大阪でも同じように顔を合わせて営業ができる環境を整えたいと考えています。
弊社は総合広告代理店としてWEBに強いというポジションをとっているので、WEB広告の領域を広げつつも、制作やマーケティングなど一貫して高い水準で提供できるように精進していく所存です。
社名 | 株式会社シーエムスタッフ |
設立日 | 1991年1月 |
所在地 | 愛知県名古屋市東区東桜1丁目9-29 |
URL | https://cmstaff.co.jp/ |
事業内容 | Webマーケティング/WEB広告/オフライン広告/クリエイティブ制作/イベント、展示会の企画運営等 |
従業員規模 | 1人〜50人 |
掲載日 | 2023年4月28日 |