ETLツール「AWS Glue」とは?料金やできること、AWS Lambdaとの違いなど詳しく解説

ETLツール「AWS Glue」とは?料金やできること、AWS Lambdaとの違いなど詳しく解説

企業がETLツールを導入する際、いくつかの選択肢があります。近年需要が高まっているのは、コストを抑えて利用できるクラウド型のサービスです。

今回はその中からAmazonが提供する「AWS Glue」について紹介します。AWS Glueの概要やその他のETLツールとの比較も解説しますので、ETLツール導入を検討されている方は、ぜひ参考にご覧ください。

目次

はじめに理解しておきたいETLツール「AWS Glue」の基礎知識

はじめにETLツール、そしてAWS Glueの基礎知識から確認していきましょう。

【前提】ETLツールとは?

ETLツールとは

引用元:BOXIL

ETLツールとは、データの抽出(Extract)・データの変換(Transform)・データの書き出し(Load)を行うツールのことです。企業では多くのデータを管理していますが、部署や拠点、事業ごとなどバラバラになっていてうまくデータを活用できていないといったシーンがあります。

このような場合、ETLツールを使って社内のすべてのデータを一元管理し、スムーズに現状を把握したり、分析できる環境を整えます。

※参考:ETLやETLツールについて詳しく解説した記事はこちら
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AWS Glueとは?

AWS Glue

引用元:AWS Glue

AWS Glueは、フルマネージドのETLツールです。導入にあたってインストールするサーバーなどを用意する必要はなく、動作環境はすべてAWS Glue側から提供されます。

いわゆる「クラウド型」のサービスなので、オンプレミス型ETLツールに比べてコストを抑えて利用できる特徴を持っています。

AWS GlueとAWS Lambdaの違い

Amazonが提供するサービスには「AWS Glue」と「AWS Lambda」があります。

どちらも基本的に同じ作業を実行することが可能です。ただし、大量のデータ処理を行う場合には、AWS Glueが向いています。これは、AWS Lambdaで大量のデータ処理を実行した場合、15分でタイムアウトしてしまうためです。

AWS Glueはタイムアウトまでの時間が48時間あるので、時間のかかるデータ処理でも問題なく実行できます。

また、費用面での比較ですが、AWS Glueは料金が一律で使用した時間に対する課金なのに対し、AWS Lambdaはデータ処理に使用するメモリの量も影響してきます。

短時間で終わる少量のデータ処理であればAWS Lambdaの方が安く済みますが、メモリ量が多くなると費用が高騰するケースもあります。

AWS Glueの料金・ライセンス

AWS Glueの料金は、使用する時間に対する課金制となっており、DPU時間あたり0.44USDとなります。

実際の料金は、AWS料金計算ツールでシミュレーションできます。

AWS Glueは無料利用枠が使える

AWS Glueには「無料利用枠」というものがあります。これはいわゆるトライアル版のことで、実際にAWS Glueを体験してみることが可能です。

一般的にETLツールの無料トライアルは30日程度の利用期限が設けられています。しかしAWS Glueの無料利用枠は、1年間利用できます。

かなり長期的に無料で利用できるAWS Glueの無料利用枠ですが、注意点もあります。無料利用枠を使っていて以下の内容を超過すると、費用の支払いが必要となります。

  • AWS Glue データカタログへのオブジェクトの保存100万件
  • AWS Glue データカタログへのリクエスト100万件/月

完全無料だと思って使い続けると、思わぬ請求が発生する可能性があるので注意しましょう。

※参考:無料で利用できるETLツールについて詳しく解説した記事はこちら
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AWS Glueが効果を発揮するシーン

AWS Glueは、ETLツールとして大量のデータ処理を行う場合に効果を発揮します。AWS Lambdaの方が一般的には有名なツールですが、データ量の多いシーンやバッチ処理を中心とした使い方をする場合には、長時間継続して稼働できるAWS Glueが最適といえます。

 

ETLツール「AWS Glue」の5つの主な機能

ETLツール「AWS Glue」の4つの主な機能

AWS GlueのETLツールとしての主な5つの機能について解説します。

主な機能1.データストア

AWS Glueは、データストアの機能が備わっています。データストアとは、AWS Glueがデータソースからデータを抽出して加工したのち、データを保管する場所のことを指しています。

主な機能2.データカタログ

データカタログは、AWS GlueがETLの処理を行う際に使用する情報を保存するデータストアです。ETL処理するデータそのものではなく、ETL処理に関する属性などの情報が対象となります。

主な機能3.クローラ

クローラは、前述したデータカタログへメタデータを作成する機能です。データカタログに保存される情報はテーブル形式になっており、これを作成するのがクローラの役割です。

主な機能4.ジョブ

ジョブは、ETL処理の単位を示しています。また、AWS Glueには「Apache Spark」と「Python Shell」という2つのジョブタイプが存在しています。

主な機能5.ワークフロー

ワークフローは、データのETLプロセスを自動化・管理する機能です。ユーザーは複数のETLジョブを連携させ、データの移動や変換の流れを視覚的に設計できます。

そのほかの機能

これまでに紹介した5つの機能以外に、アップデートによって追加されたAWS Glueの2つの機能を紹介します。

AWS Glue Studio

「AWS Glue Studio」は、ETLプロセスをより直感的に、そして視覚的にデザイン・実行するために新しく追加されたインターフェイスです。

AWS Glue Studioを使用すると、ドラッグアンドドロップのシンプルな操作で、データソースの選択、変換の設定、出力先の指定などのETLジョブの設計が可能になります。特にコーディングの経験が少ないユーザーや、複雑なETLプロセスを迅速に設計したいユーザーにとって、非常に役立つツールとなっています。

さらに、AWS Glue Studioは、ジョブの実行結果やデータのフローをリアルタイムで確認することができるため、デバッグや最適化の作業も効率的に行えます。

AWS Glue DataBrew

「AWS Glue DataBrew」は、データの前処理やクリーニングを視覚的に行えるデータ準備ツールです。

AWS Glue DataBrewは250以上の組み込みのデータ変換機能を利用して、データの品質を向上させたり、不要なデータを取り除いたりすることができます。

このツールの大きな特徴は、コーディングの知識がなくてもデータの前処理が行える点です。データサイエンティストやアナリストは、データの探索や分析に集中することができ、データの準備にかかる時間を大幅に短縮できるでしょう。

ETLツール「AWS Glue」を利用する3つのメリット

ETLツール「AWS Glue」を利用する3つのメリット

AWS Glueを利用するメリットを3つピックアップしました。ETLツールとしてAWS Glueを導入すると、どんなメリットを得られるのか確認しましょう。

  1. 大規模なデータ処理にも対応できる
  2. コストを抑えられる
  3. エンジニアの負担を軽減できる

メリット1.大規模なデータ処理にも対応できる

AWS Glueの1つ目のメリットは、大規模なデータ処理にも対応できる点です。AWS Glueはフルマネージドサービスであり、AWSサーバーを利用しています。このAWSサーバーは大量のデータ処理にも対応できる性能を保持しています。

そのため、大企業で利用するようなシーンであっても、高いパフォーマンスを発揮できます。

メリット2.コストを抑えられる

AWS Glueの2つ目のメリットは、コストを抑えられる点です。クラウド型サービスはオンプレミス型サービスに比べてローコストであり、AWS Glueもそれに該当します。

さらにAWS Glueは、実際に使用した量に応じて課金されるため、使用が少ない場合には無駄なコストが発生しないという特徴もあります。

メリット3.エンジニアの負担を軽減できる

AWS Glueの3つ目のメリットは、エンジニアの負担を軽減できる点です。オンプレミス型のETLツールを導入する場合には、自社でサーバーなどのインフラ整備を行わなくてはならず、エンジニアにかかる負担が大きくなりがちです。

しかしAWS Glueはサーバーレスなので、自社でインフラ整備を行う必要がありません。アカウントを作成すればすぐに使い始められるというスピード感もポイントです。

 

ETLツール「AWS Glue」はこんな方におすすめ!

ETLツール「AWS Glue」は、以下のような方におすすめのツールです。自社の状況が以下に当てはまる場合には、AWS Glueの導入を検討してみてください。

拠点を複数持っている企業

複数の地域に拠点がある企業は、拠点ごとにデータを管理しているケースがあります。このようなシーンでは、AWS Glueを利用してデータを一元管理するのがおすすめです。

データが統合されていないと、すぐに全社の状況を把握しにくくなります。また、せっかく膨大な量のデータを保有していても、有効活用できないといったデメリットもあります。

ETLツールを利用したいがエンジニアリソースに余裕がない

社内のデータを統合したい、業務効率化を図りたいといった理由でETLツールを利用したいけど、導入に必要なエンジニアリソースの余裕がないという方にも、AWS Glueはおすすめできます。

AWS Glueはフルマネージドのサーバーレスサービスです。導入するためにインフラ環境の準備をする必要がないので、エンジニアの手をわずらわせることもありません。

 

AWS Glueのデメリットは?

AWS Glueのデメリットは?

AWS Glueを利用する場合には、メリットだけではなくデメリットについても正しく理解した上で、導入を決めましょう。

  1. 必ずコストがかかる
  2. ユースケースが少ない
  3. AWS以外に連携できるシステムが少ない

1.必ずコストがかかる

AWS Glueを利用するには、必ずコストが発生することを認識しておかなくてはなりません。AWS Glueの無料利用枠を使えばコストなしで利用できますが、無料のまま使用できる容量に制限があるため、無限に無料で利用できるわけではありません。

もしコストを一切かけずにETLツールを利用したいのであれば、AWS Glue以外のOSSツールを選択する必要があります。

※参考:OSSのETLツールについて詳しく解説した記事はこちら
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2.ユースケースが少ない

AWS Glueは他のETLツールよりも比較的新しいサービスです。そのため、ユースケースが少ないというデメリットがあります。AWS Glueについてネット上で検索してみると、ある程度の情報は得られるものの、長年運営されているETLサービスほどではありません。

導入前に得られる情報には限界があるということを認識しておきましょう。

3.AWS以外に連携できるシステムが少ない

AWS Glueは、AWSが母体となるサービスであるため、当然ながらAWS関連のサービスとの連携がスムーズで、相性がよいといった特徴があります。しかしその反面、AWS以外のシステムやサービスとの連携については、それほど豊富とは言えません。

ですからAWS Glueを導入する際には、自社が利用するシステムと連携可能かどうかを必ず確認する必要があります。

 

AWS Glueと併せて比較検討したいオススメETLツール7選

AWS Glueについての情報を解説してきましたが、ここからはAWS Glueと併せて比較検討したいおすすめのETLツールを紹介します。

AWS Glueと併せて比較検討したいETLツールまとめ

ツール名 特徴 AWS Glueより優れている点 AWS Glueに劣る点 こんな方におすすめ!
Talend Open Studio 無料で利用できるOSS(オープンソースソフトウェア)のETLツール コストがかからない 大容量のデータ処理には時間がかかる 小規模で利用する、それほど多くのデータ処理を必要としない方
Tableau Prep データプレパレーションツール ETLツールとBIツールの両方を利用できる BIツールの分余計な費用がかかってしまう BIツールとしてTableau Desktopの利用も検討している方
Azure Data Factory 直感的な操作でプログラミングの知識がなくても利用できるサーバーレスツール 専門的な知識を持たないユーザーが簡単に利用できる 事前に費用の試算をするのが難しい 連携したいデータソースの種類が多い方
ASTERIA Warp 9,500社以上の導入実績があり、15年連続で国内シェアNo.1 月額30,000円というシンプルでリーズナブルな料金体系 データベース連携を行うには上位プランの利用が必須 シンプルなデータ取得などの自動化による業務効率化を目指したい方
Boomi 25,000社の導入実績があり、ガートナー社から7年連続でリーダーとして評価されている アプリケーションやデータを統合したり、APIの管理からデータ品質管理、アプリ開発など幅広い機能を活用できる 大量のデータを統合する場合は、ETLに特化したAWS Glueに劣る アプリケーションやデータの統合、ワークフローの自動化をメインに活用したい方
Xplenty セキュリティ変換機能によるデータ管理 情報管理におけるセキュリティ 費用が高額 ETLツールにかける予算が豊富であり、顧客データなどセキュアな環境での管理が必要となる方
Oracle Data Integrator Cloud 従来のETLツールが課題とするサーバコストの増加、データ移動時の過負荷を解消できる、ELTツール データ処理時に発生する負荷を可能な限り抑制 やや構造が複雑化しやすい 費用や開発コストよりもデータ処理性能を優先したい方

今回紹介するツールには、無料で利用できるものやBIツールと併用できるもの、データ処理速度に優れたもの、セキュリティに特化したものなどさまざまな特徴を持っています。

以下の解説を参考に、それぞれのツールの特徴を把握した上で、自社でもっとも重視するポイントを押さえたツールを選んでみてください。

Talend Open Studio

Talend Open Studio

引用元:Talend Open Studio

 特徴

Talend Open Studioは、無料で利用できるOSS(オープンソースソフトウェア)のETLツールです。無料で利用できるツールではありますが、有料版ツールと比べてそれほど大幅に機能が制限される、劣るといったことはありません。

特にバッチ処理を中心に利用するシーンでは、Talend Open Studioでも十分活用できます。

 AWS Glueより優れている点

Talend Open StudioがAWS Glueより優れている点は、コストがかからないところです。ETLツールは費用が負担となるケースがあり、AWS Glueも例外ではありません。

しかしTalend Open Studioは無料で利用できるので、コストを気にする必要がありません。また、AWS Glueの無料利用枠のように、制限を超えてしまって課金される心配もないのです。

 AWS Glueに劣る点

Talend Open Studioは大容量のデータ処理を継続的に行う場合、処理に時間がかかる可能性があります。無料ツールであるため、処理性能はAWS Glueに劣ります。

データ量の多い処理を行う、大企業での利用などはAWS Glueの方がおすすめとなります。

こんな方におすすめ!

Talend Open Studioは、小規模で利用する、それほど多くのデータ処理を必要としない方におすすめです。Talend Open Studioでまかなえる範囲の利用であれば、コストをかけずに利用できるメリットが高くなります。

https://www.talend.com/jp/products/talend-open-studio/

※参考:Talendについて詳しく解説した記事はこちら

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Tableau Prep

Tableau Prep

引用元:Tableau Prep

 特徴

Tableau Prepは、Tableau社のツールです。データの抽出(Extract)・加工(Transform)・連携(Load)が可能ですが、正しくはETLツールではなく「データプレパレーションツール」となります。

機能としてはETLツールと同じことができるので、ETLツールとして認識されているケースもあります。Tableau Prepは「Tableau Prep Builder」と「Tableau Prep Conductor」に分かれており、Tableau Prep Builderがデータの抽出や加工を、Tableau Prep ConductorがデータをDWHへ連携します。

 AWS Glueより優れている点

Tableau PrepはTableau Creatorというライセンスで利用できるツールです。Tableau CreatorにはBIツールの「Tableau Desktop」も含まれているので、ETLツールとBIツールの両方を利用できるメリットがあります。

 AWS Glueに劣る点

Tableau PrepはAWS Glueのように単体で利用できません。必ずTableau Creatorライセンスが必要となるので、すでにBIツールを使っている方にとっては、BIツールの分余計な費用がかかってしまうと考えられる場合もあります。

こんな方におすすめ!

Tableau Prepは、BIツールとしてTableau Desktopの利用も検討している方におすすめです。Tableau Creatorライセンス一つでETLツールとBIツールどちらも利用でき、どちらもTableau製品なので相性も良いです。

https://www.tableau.com/ja-jp/learn/get-started/prep

※参考:Tableau Prepについて詳しく解説した記事はこちら
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Azure Data Factory

Azure Data Factory

引用元:Azure Data Factory

 特徴

Azure Data Factoryは、マイクロソフト社のETLツールです。AWS Glueと同じサーバーレスで利用でき、直感的な操作でプログラミングの知識がなくても利用できるUIが特徴です。

「リンクサービス」「データセット」「アクティビティ」「パイプライン」の4つの概念で構成されており、オンプレミス・クラウドの両方からデータを収集して管理できます。

 AWS Glueより優れている点

Azure Data Factoryは、幅広いユーザーが利用することを想定したGUIに設計されています。直感的な操作が可能であり、専門的な知識を持たないユーザーが利用する場合、AWS GlueよりもAzure Data Factoryの方が簡単に使いこなせます。

 AWS Glueに劣る点

Azure Data Factoryは料金体系がAWS Glueよりもやや複雑です。そのため、事前に費用の試算をするのが難しい点がデメリットとなります。

こんな方におすすめ!

Azure Data Factoryは、連携したいデータソースの種類が多い方におすすめです。Azure Data FactoryならAzure内外のデータソースと柔軟に連携が可能です。

オンプレミス環境、クラウド環境どちらにも対応でき、オンプレミス・クラウド間のデータ連携も可能です。

https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/data-factory/

ASTERIA Warp

ASTERIA Warp

引用元:ASTERIA Warp

 特徴

ASTERIA Warpは、ノーコードで業務の自動化を支援するデータ連携ツールです。Excelやシステム、アプリケーションなど100種類以上のデータソースとの連携が可能です。

9,800社以上の導入実績があり、16年連続で国内シェアNo.1にもなっています。

 AWS Glueより優れている点

ASTERIA Warpは月額30,000円というシンプルでリーズナブルな料金体系が特徴です。AWS Glueのように使用量によって費用が変化することがないため、予算の試算がしやすくなります。

 AWS Glueに劣る点

データベース連携を行うには、上位プランである「ASTERIA Warp Core +」の利用が必須となります。費用も月額60,000円と2倍に跳ね上がるため、利用シーンによってはAWS Glueの方がコストを抑えて利用できます。

こんな方におすすめ!

ASTERIA Warpは、シンプルなデータ取得などの自動化による業務効率化を目指したい方におすすめです。データベース連携にはASTERIA Warp Core +が必要ですが、そこまでの作業を必要としないのであれば、低コストで十分な機能を利用できます。

https://www.asteria.com/jp/warp/

Boomi

Boomi

引用元:Boomi

 特徴

Boomiは、さまざまなアプリケーションのデータ移動・管理が行えるツールです。操作はドラッグ&ドロップの簡単なもので、専門的知識は不要です。これまでに20,000社の導入実績があり、ガートナー社から7年連続でリーダーとして評価されています。

 AWS Glueより優れている点

BoomiがAWS Glueよりも優れている点は、Boomiひとつでアプリケーションやデータを統合したり、APIの管理からデータ品質管理、アプリ開発など幅広い機能を活用できる点にあります。

 AWS Glueに劣る点

Boomiは厳密にはETLではなく「iPaaS」と呼ばれる種類のツールです。このiPaaSは、大量のデータを統合するという面においては、ETLツールであるAWS Glueに劣ってしまいます。

ETLツールと同じことを再現できますが、ETLに特化したツールではないのが、Boomiのデメリットとなります。

こんな方におすすめ!

Boomiは、アプリケーションやデータの統合、ワークフローの自動化をメインに活用したい方におすすめです。これらの作業はBoomiが得意とする分野であり、スムーズに実施できます。

ただし、前述したように大量のデータ統合をメインにツールを利用する場合には、ETLツールの導入がオススメとなります。

https://boomi.com/ja/

Xplenty

Xplenty

引用元:Xplenty

 特徴

Xplentyは、直感的なGUIによりシステム間のデータ連携を実現する、データパイプライン構築ツールです。デプロイメントやモニタリング、メンテナンスなどさまざまな作業をXplentyひとつで管理できます。

データベース、DWH、SaaSなど150以上のデータソースに接続が可能で、セキュリティ変換機能によるデータ管理が特徴です。

 AWS Glueより優れている点

Xplentyはデータの漏洩や攻撃に対するセキュリティ対策を重視しているので、情報管理におけるセキュリティを重視したツールを使いたいのであれば、AWS GlueよりもXplentyの方がおすすめです。

 AWS Glueに劣る点

Xplentyの費用は非常に高額です。AWS Glueは使用量に応じた費用が発生しますが、Xplentyはパッケージごとに費用が決まっていますので、予算に余裕のある企業でなければ導入は難しいでしょう。

こんな方におすすめ!

Xplentyは、ETLツールにかける予算が豊富であり、顧客データなどセキュアな環境での管理が必要となる方におすすめです。他のETLツールに比べて費用は高額となりますが、外部ネットワークからのアクセス制御など、セキュリティ面では信頼性が高い製品と言えます。

https://www.xplenty.com/jp/

Oracle Data Integrator Cloud

Oracle Data Integrator Cloud

引用元:Oracle Data Integrator Cloud

 特徴

Oracle Data Integrator Cloudは、従来のETLツールが課題とするサーバコストの増加、データ移動時の過負荷を解消できる、ELTツールです。中間サーバーを必要としないため、リアルタイム処理からバッチ処理まで幅広く高いパフォーマンスを発揮できます。

 AWS Glueより優れている点

使用環境にもよりますが、Oracle Data Integrator Cloudは従来のETLアーキテクチャではなく「ELT」アーキテクチャを使用しているため、データ処理時に発生する負荷を可能な限り抑制できます。

そのためAWS Glueよりも高速な処理が実施可能となります。

 AWS Glueに劣る点

Oracle Data Integrator Cloudは、やや構造が複雑化しやすい傾向があります。できる限りシンプルにETLツールとしての機能を活用したいのであれば、AWS Glueの方がおすすめと言えるでしょう。

こんな方におすすめ!

Oracle Data Integrator Cloudは、費用や開発コストよりもデータ処理性能を優先したい方におすすめです。ETLツールとは異なるアーキテクチャが、負荷を抑制しながら高速なデータ連携を実施します。

https://docs.oracle.com/cd/E83857_01/paas/data-integrator-cloud/index.html

 

自社に合ったETLツールを上手に選ぶ3つのポイント

自社に合ったETLツールを上手に選ぶ3つのポイント

AWS Glueをはじめ、いくつかのETLツールを紹介してきました。これらのツールの中から、自社に合ったツールを上手に選ぶポイントを紹介します。

  1. 自社の課題解決に直結するツールを選ぶ
  2. ユーザーレベルに合ったツールを選ぶ
  3. コストを考慮して選ぶ

POINT1:自社の課題解決に直結するツールを選ぶ

ETLツールは、自社の課題解決に直結するツールを選びましょう。ETLツールは共有する機能以外にもさまざまな機能があります。単に多機能なツールを選ぶのではなく、現在の自社の課題を解決するために必要な機能が何かを明確にして、それを解決できる機能を持つツールを選びます。

POINT2:ユーザーレベルに合ったツールを選ぶ

ETLツールは、使用するユーザーの想定が異なるケースがあります。仮にエンジニアが利用することを想定しているツールであれば、導入後に一般のビジネスユーザーが利用することは難しいでしょう。

こうしたミスマッチを防ぐために、利用したいツールがどのようなユーザーレベルを対象としているツールなのか確認する必要があります。

POINT3:コストを考慮して選ぶ

ETLツールの費用は、ツールごとに大きな開きがあります。ETLツールを導入することで得られるメリットは大きいかもしれませんが、許容範囲を超えるコストが発生してしまっては、利用も難しくなります。

ですからETLツールを選定する際は、初期費用やランニングコストがどれくらい必要となるのか、しっかりと確認・シミュレーションしましょう。

※参考:ETLツールの選び方について詳しく解説した記事はこちら
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WEB広告運用には広告に特化したETLツールもおすすめ

今回紹介してきたETLツールは、幅広い業務に活用できるツールです。最後に紹介するのは、WEB広告に特化したETLツールとなります。

広告レポートを自動作成できるETLツール「Databeat Explore」

Databeat Exploreのご紹介

Databeat Exploreは、WEB広告運用を行っている方におすすめしたい、広告に特化したETLツールです。WEB広告のデータ管理を効率化し、広告運用による利益最大化をサポートします。

WEB広告運用における「Databeat Explore」の活用ポイント

WEB広告運用におけるDatabeat Exploreの活用ポイントを紹介します。

  1. 広告データをリアルタイムで自動集計
  2. 広告運用状況を自動で可視化
  3. 豊富なデータ出力フォーマット

 広告データをリアルタイムで自動集計

Databeat Exploreは、運用中の広告データをリアルタイムで自動集計できます。一つの媒体ではなく、複数の媒体で運用しているシーンでもすべての広告データを自動で集計し、一元管理することが可能です。

広告データを集めたり、まとめるといった作業が不要になりますので、広告運用担当者の業務負荷軽減に繋がります。

 広告運用状況を自動で可視化

Databeat Exploreは広告データを集計したのち、可視化まで自動で行います。運用状況をすぐに確認したい場合は、ダッシュボードですべての広告媒体を確認できます。

また、テンプレートを使ったレポートも自動で生成されますので、改めてレポート作成に時間を費やす必要もなくなります。

※参考:広告レポートを可視化するダッシュボードツールの選び方や使い方について詳しく解説した記事はこちら
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広告レポートを可視化する!ダッシュボードツールの選び方と使い方

 豊富なデータ出力フォーマット

Databeat Exploreは豊富なデータ出力フォーマットが特徴でもあります。Databeat Exploreで管理するWEB広告のデータは、そのままExcelやGoogleスプレッドシートへ出力することが可能です。

また、他にもBIツールへの出力が可能となっていますので、より詳細な分析を行いたい方におすすめの機能です。

Databeat Exploreはこんな方にオススメ!

Databeat Exploreは、WEB広告運用に力を入れている企業の方、多くの広告媒体で運用を行っている方におすすめです。広告運用業務は多数のタスクが発生し、多くのリソースを必要とします。

データ集計や可視化といった業務はDatabeat Exploreに任せて、より生産的な業務に注力できる環境を構築しましょう。

 

 

まとめ

ETLツール「AWS Glue」は、Amazonが提供するツールです。フルマネージド・サーバーレスが特徴で、AWSを使用しているので自社でサーバー等のインフラ環境を整備することなく利用できます。

そのため、ローコストで利用できる、エンジニアへの負担を軽減できるといったメリットがあります。AWSは強固なサーバーであることから、大規模なデータ処理にも適しているツールです。

一切コストをかけずにETLツールを利用したい場合には、今回比較したTalend Open Studioもおすすめのツールです。ただし、有償版のETLツールに比べるとやはり劣る部分がありますので、本格的にETLツールを導入するのであれば、AWS Glueを選択した方がよいでしょう。

また、WEB広告運用を実施している場合には、最後に紹介した広告に特化したETLツール「Databeat Explore」もおすすめのツールです。

Databeat Exploreなら、広告データの集計から可視化、出力まで簡単に行えるため、広告運用における業務効率アップに貢献できます。

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