今回はMicrosoft社が提供する「Excel」についての基礎知識と、Excelを組み合わせたBIツールの活用について幅広く紹介していきます。ビジネスマンであればExcelに触れる機会があると思いますが、データ分析で活用しようとすると様々な問題が出るのではないでしょうか。
データ分析といえばBIツールの出番ですが、ビジネスの現場でExcelを完全に無くすという判断はほとんど無いと思います。そこで本記事は、Excelを中心に、基礎知識とデータ分析でどういった活用ができるのか、BIツールとの違いやExcelとBIツールを共に活用するメリット、そのためにオススメするBIツールについて幅広く紹介していきます。
Excelを組み合わせたBIツールの活用を検討されている方は、こちらの記事を参考に検討を進めてみてください。
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- 1 押さえておきたい「BIツール」と「Excel」の基礎知識と違い
- 2 BIツールにできてExcelにできない9つのこと
- 3 BIツールとExcelのそれぞれの使い分けのヒント
- 4 BIツールの活用にExcelを組み合わせるメリット
- 5 Excelを組み合わせたBIツールの活用はこんな方におすすめ!
- 6 Excelが活用できる!おすすめBIツール5選
- 7 Excelのアドインとして利用できるBIツール
- 8 BIツールやExcelと一緒に使いたいオススメの広告レポート自動化ツール
- 9 まとめ
押さえておきたい「BIツール」と「Excel」の基礎知識と違い
まずは「BIツール」と「Excel」について、基礎知識とそれぞれの違いを押さえていきましょう。
BIツールとは?
引用元:WAKARA
BIツールとは、「ビジネスインテリジェンスツール」の略で、経営や業務における意思決定を目的とした、企業にある様々なデータの可視化・分析を支援するツールです。企業には様々なデータが存在します。例えば、営業活動で生まれる顧客の興味関心~商談~成約に至るデータから、契約・請求データ、その後の関係性構築で継続的にヒアリングする企業・担当者の目標や提供商材への期待などです。
昨今では企業のデジタル変革が進み、データ量の肥大化、いわゆるビッグデータ化が進む中で、ますますデータ分析業務の重要性が注目されています。
データ分析業務でBIツールができること
データ分析業務でBIツールができることを3つ紹介します。
1.「データ準備」で分析を簡単に
引用元:Altair
社内システムやアプリケーションとリアルタイムに連携し、分析に必要なデータを加工・集計できます。あらかじめ準備されたデータから開始できるため、担当者がデータ分析に集中できます。
2.「データ分析」で価値のあるデータを創出
引用元:データのじかん
様々な分析機能を使い、データに価値をつけることができます。例えば、データから価値のある法則を見つける「データマイニング」や、データの関係性を様々な軸で評価する「OLAP分析」、過去データから未来のデータを予測する「シミュレーション」といった機能があります。
今回はOLAPについての基礎知識と、OLAP分析ができるおすすめのBIツールについて詳しく解説していきます。分析に携わったことがある方なら、OLAPという言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、その意味をしっかりと理解できているでしょうか?[…]
3.「レポーティング(ダッシュボード)」でビジネスの今を視覚的に把握
引用元:ITトレンド
分析したデータを様々な表現方法で可視化し、複数の関連性がある表現をまとめて1画面で把握できるダッシュボードにできます。今まで紹介した「データの準備」「データの分析」「レポーティング(ダッシュボード)」までを一気通貫でリアルタイムに連携することができるため、企業や部門における「ビジネスの今」を俯瞰して経営判断できます。
BIツールで定番の分析手法
BIツールができることを紹介しましたが、ここではより具体的にBIツールがどのような分析をできるのか、見ていきましょう。
予実分析
予実分析は、予算や計画された数値(予測値)と実際に実現した数値(実績値)との違いを比較・分析する方法です。主に事業計画やプロジェクトの進行状況のチェック、企業の経営分析などに用いられる手法であり、計画の逸脱や偏差を早期に捉えて是正措置を講じるための重要な手法となります。
ABC分析
ABC分析は、製品やサービスなどのアイテムを、重要度に応じて3つのグループ(A、B、C)に分類する方法です。Aグループは最も重要であり、Bグループは中程度、Cグループは最も低い重要度として分類します。
ABC分析を行うことで、重要な項目にリソースや注意を集中的に向けることができ、効率的な経営や運営が可能となります。
RFM分析
RFM分析とは、マーケティングやセグメンテーションの分野で使用される手法の一つで、顧客の購買行動を3つの指標(Recency・Frequency・Monetary Value)で評価・分類する方法です。
特に、ダイレクトマーケティングやCRM(Customer Relationship Management)でよく用いられます。
相関分析
相関分析は、2つ以上の変数間の関係性や相関を調査・分析する手法です。BIツールには、データの整理、分析、可視化に関する多くの機能が備わっており、それらを利用して相関分析を行うことがあります。
たとえば、企業の売上データとマーケティング活動のデータを持っている場合、BIツールを使ってこれらのデータの相関を分析することで、特定のマーケティング活動が売上にどれだけの影響を持っているのかを確認することが可能です。
データ分析業務でExcelができること
データ分析業務でExcelができることを3つ紹介します。
1.グラフによる可視化
引用元:Biz Clip
数クリックで簡単にデータを可視化できます。「折れ線」「円」「縦棒・横棒」「複合」などの様々な種類が用意されていることから、Excelデータを短時間で可視化する際に役立ちます。
2.ピボットテーブルによる集計と分析
引用元:まいにちdoda
直感的な操作だけで、データを自分が見たい軸で集計・計算できます。例えば1年分の売上一覧表から部門別や商品別の売上合計と月別合計を表現するといったことも可能です。
3.分析ツールによる簡単分析
引用元:DATA VIZ LAB
マウス操作だけで約20種類もの分析ができます。相関分析や回帰分析といった基本的な分析は本機能で実現できるので便利です。
4.関数を用いた分析
Excelは、様々な関数を使用してデータを分析することができます。例えばSUM関数を使用すると、特定の範囲内の値の合計を計算できます。また、AVERAGE関数を使用すると、特定の範囲内の値の平均を計算することができます。
さらに、VLOOKUP関数は指定した値を検索し、その値に関連する情報を取得するのに役立ちます。このように関数を用いることで、Excel上のデータをよりわかりやすくまとめられます。
5.予測の作成
Excelは、予測の作成にも役立ちます。Excelの予測シート機能を使用すると、入力したデータをもとに未来の数値を予測してくれます。
たとえば過去の売上などを入力して予測シート機能を使えば、今後売上がどのように推移して行くのか予測を立て、この予測をもとに経営判断を下すといったことも可能です。
BIツールとExcelの違いまとめ
Excelには、「グラフ」「ピボットテーブル」「分析ツール」といったデータ分析で利用できる可視化や分析機能があります。ただし、Excelは基本的に1つのデータの集まりに対しての可視化・分析がメインとなるため、手元にあるデータで今すぐの分析が求められる、個人での利用が向いています。
一方、BIツールはExcelよりも大容量かつ複数のデータを用いて、高度な分析や表現を実現する機能が利用できます。そのため、BIツールは社内外のシステムとリアルタイムに連携した「ビジネスの今」の把握・判断が求められる、企業や部門単位での利用が向いています。
BIツールとExcelの違いを押さえて、最適なツール選定を行いましょう。
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BIツールにできてExcelにできない9つのこと
BIツールにできてExcelにできないを、9つ紹介します。
- 別々のデータソースの情報を統合する
- 大容量データを高速で処理する
- 分析を効率化する機能
- スムーズなデータ共有
- ユーザーごとの閲覧権限の設定
- 同時編集
- リアルタイムの情報更新
- 情報の正確性
- データ紛失リスクの軽減
1.別々のデータソースの情報を統合する
Excelで異なるデータソースからの情報を統合すること可能ではあるものの、非常に手間がかかります。一方、BIツールは多様なデータソース、データベース、クラウドサービス、外部APIからの情報を直感的に統合できる機能を利用できるため、少ない工数でデータ統合を実現できます。
2.大容量データを高速で処理する
Excelはデータのセル数やファイルサイズに制限があります。さらに、大規模なデータを取り扱う際にはパフォーマンスが著しく低下し、最悪の場合データが消失してしまうリスクがあります。
BIツールは大容量のデータ処理にも対応できるスペックがあり、膨大な量のデータもストレスなく高速に処理・表示することが可能です。
3.分析を効率化する機能
BIツールには、データ分析を効率化する機能が豊富に搭載されています。たとえば、データの自動更新や、カスタムダッシュボードの作成が可能です。Excelでこれらの機能を実現するには、手動でさまざまな設定をする必要があり、あまり現実的ではありません。
4.スムーズなデータ共有
BIツールを使用すると、データをスムーズに共有できます。Excelでデータを共有する場合、ファイルをメールで送信する必要がありますが、BIツールでは、複数のユーザーが同時にデータにアクセスできます。
データの進捗やレポートの共有にBIツールを利用すると、無駄な工数を削減できるでしょう。
5.ユーザーごとの閲覧権限の設定
BIツールでは、ユーザーごとに閲覧権限を設定することができます。たとえば、特定の部署のユーザーだけがアクセスできるように設定することが可能です。一方Excelでもパスワードをかけるなどして閲覧を制限することはできます。
しかし、パスワードの管理や共有の手間が発生するため、あまりおすすめできる方法とはいえません。
6.同時編集
BIツールでは、複数の人が同時にデータを編集することができます。これにより、チームでの作業がスムーズになります。Excelも同時に編集することは可能ですが、編集の衝突が発生するリスクがあります。
7.リアルタイムの情報更新
BIツールは、データソースからデータがリアルタイムで更新されるため、常に最新の情報を把握することができます。Excelのデータ更新は毎回手動での操作が必要です。
更新する情報が多い、更新頻度が高いといった場合には、Excelだと多くの工数を割くことになってしまうでしょう。
8.情報の正確性
Excelの情報を更新する際は、データの手入力や貼り付け作業が発生し、入力ミスや貼り付けミスによって情報が正確でなくなるおそれがあります。
一方のBIツールは、データソースからAPIなどを利用して直接データを取得します。そのため、Excelのように情報の正確性が失われるリスクはかなり低いといえるでしょう。
9.データ紛失リスクの軽減
BIツールは、クラウド上にデータを保存することができるため、データ紛失のリスクを軽減することができます。Excelは、データを手動でバックアップする必要があります。
しかし、Excelファイルは誤操作により簡単に削除されてしまう危険性があるので、重要なデータの管理には不向きです。
BIツールとExcelのそれぞれの使い分けのヒント
「BIツール」と「Excel」の使い分けのヒントとして、それぞれのオススメの活用について紹介します。
BIツールの活用がオススメのシーン
Excelには向いていない作業、BIツールならではの特徴やメリットをもとに、BIツールがオススメのシーンを紹介します。
- 大量データのリアルタイム分析
- 複数データソースの統合分析
- 企業や組織などの大人数の情報共有・分析
1.大量データのリアルタイム分析
昨今は、大容量のメモリを利用したインメモリ分析機能や、キャッシュ機能を持つBIツールが多い傾向にあります。社内システムやアプリケーションとのデータ連携から、グラフや表の作成、情報の更新までをリアルタイムに行えることから、大量データの分析はBIツールをオススメします。
一方、Excelは数十万行などデータ量が増えるとExcelが動かなくなって分析できなくなるため、大量のデータを取り扱うには不向きです。
2.複数データソースの統合分析
BIツールは、さまざまな形式のファイルやシステム・アプリケーションに対応しているため、複数のデータソースを連携・活用する統合分析はBIツールがオススメです。一方、Excelは1つのExcelファイル内のデータ分析は向いていますが、分散する社内システムやアプリケーションのデータを連携・統合したり、形式の異なるファイルからデータを連携したりすることは向いていないため、実施するには膨大な工数と時間がかかります。
3.企業や組織などの大人数の情報共有・分析
BIツールはクラウドサービスが多く、いつでもどこでもアクセスできるため複数人での利用に向いています。また、ダッシュボード機能によって経営判断に必要な情報を一目でまとめ、リアルタイムに把握できるといった特徴があるため、企業や組織単位で大人数の情報共有・分析のプラットフォームとして利用することをオススメします。
一方、Excelは毎回ファイルを開いて情報を把握する必要があり、都度最新データを収集・転記して分析を再実行しなければならないので、個人利用に向いています。
Excelの活用がオススメのシーン
手元にある少量のデータを今すぐ分析したい場合にはExcelがオススメです。また、個人で施策を進めるときもExcelの方が気軽に利用できます。例えばアンケートデータやイベント参加者リストの集計・分析といった単発で定期的に実施しない集計・分析業務はExcelの方が使い易いです。
ズバリ!こんな人はExcelではなく、BIツールを活用がオススメ!
これまでの説明を踏まえて、どんな人にBIツールの活用がオススメかを紹介します。
1.繰り返し集計・分析が必要なレポーティング業務がある
例えば、月次や半期で予算の見直しシミュレーションをするために都度集計作業をおこなっているといったシーンで、Excelの場合は「予算データの修正」「実績データの再収集」「予算と実績データのExcelへの転記」「データの統合、集計、分析」「罫線や背景色、印刷設定」「関係者へのメール提出、印刷した紙資料配布」といった作業を毎回実施する必要があり、多くの工数が必要になります。
BIツールを活用することで、ダッシュボード上で予算データをその場で手軽に変更しながら、リアルタイムな予実変化の集計・分析結果を把握することができるため、継続的な作成コストから解放されます。
2.時系列変化や複数のデータ結合が必要なレポーティング業務がある
例えば、週次や月次で経営層に提出する売上速報レポートの作成業務がある場合に、よく「前年度比較」や「5か年での推移」等から、経営判断をするといったシーンがあります。Excelで実施しようとすると、大量データを集めてくる作業と、複数種類のデータを結合して、目的のデータを作成する必要があるため、データの準備に多くの時間が必要となります。
BIツールを活用することで、データの準備から売上レポートのリアルタイム把握までを自動化することができ、担当者を資料作成業務から解放できます。
3.社内外でリアルタイムな情報共有が必要なレポーティング業務がある
例えば、売り上げ目標達成のために、Webサイトの行動データと商談時のデータをもとに、目標達成のKPI把握・活動管理をするレポートを作成しているといったシーンで、Excelの場合は都度データ収集と作成が必要なことと、全体共有はメール等で週次報告するなどリアルタイムな情報共有は難しくなります。
BIツールを活用することで、Webアクセスデータや社内の営業支援・顧客管理システムと連携し、ダッシュボードでリアルタイムな共有が実現できます。スマートフォン等のデバイスからも把握できるため、外出の多い営業や経営層への情報共有にも適しています。
BIツールの活用にExcelを組み合わせるメリット
BIツールの活用にExcelを組み合わせるメリットを3つ紹介します。
- Excelファイルと組み合わせた複数データソースの分析
- BIツールで情報共有、Excelで二次活用を
- 頻繁に手修正が発生するデータをExcel管理して、BIツールの分析結果をリアルタイムに更新
メリット1.Excelファイルと組み合わせた複数データソースの分析
社内システムやアプリケーションの中にはBIツールと連携ができないものもあります。そういった場合はExcelファイルとしてデータをダウンロードしてBIツールに連携することで、Excelファイルを含めた複数データソースを組み合わせた分析が実現できます。
メリット2.BIツールで情報共有、Excelで二次活用を
BIツールは全体の定型的なレポート・ダッシュボードの共有に向いていますが、「個人のレポーティングやレポート作成業務をBIツール上で実施できる権限や機能が無い」「慣れ親しんだExcelを活用したい」という方は多いのではないでしょうか。
BIツールにはExcelダウンロード機能を持つツールが多く、共有されたレポートをExcelでダウンロードして二次加工することで、個人の分析・レポート作成業務を最適化できます。
メリット3.頻繁に手修正が発生するデータをExcel管理して、BIツールの分析結果をリアルタイムに更新
社内システムやアプリケーションとリアルタイムに連携して分析結果を表示できるBIツールですが、個人が手軽にデータを変更できないといった悩みもあるのではないでしょうか。そういった個人が手軽にデータを変更する要件はExcelにぴったりです。
頻繁に手修正が発生するデータはExcelでBIツールに連携することで、変更を即時にBIツール側で反映できます。
Excelを組み合わせたBIツールの活用はこんな方におすすめ!
おすすめする活用シーンとして、業務部門でBIツールを利用する際に発生するデータ連携・変更、レポート作成でExcelを組み合わせることで、BIツールをより一層活用できます。具体的な活用シーンを3つご紹介します。
1.BIツールへのデータ連携
業務部門では、社内の情報システムやアプリケーションのデータに直接アクセスするというのは難しいケースが多いのではないでしょうか。そういった場合、情報システム部門からExcelでデータを受け取るケースが多いです。Excel連携できるBIツールを活用することで、簡単にデータ分析を実現できます。
2.会議や報告時のレポート作成
例えば、経営会議で利用する売上速報レポートでは経営層や部門長のコメントが必要であったり、紙で印刷された資料が必要となるケースがあります。そのようなときに、BIツールの売上速報レポートをExcel出力機能でダウンロードし、そこに経営層や部門長から受領したコメントを転記して印刷した資料を用意するといった二次活用が実現できます。
3.リアルタイムなデータ変更要望に対応
例えば、予算管理部門で部門別予算を月次や半期でシミュレーションしている場合に、予算を手軽に変更しながら予算最適化のシミュレーションをしたいといった要望はあるかと思います。また、事業部門で商品別の売上目標達成状況をシミュレーションしている場合に、目標を手軽に変更しながら目標数値の最適化を目指すシミュレーションをしたい要望があると思います。
そのようなときに、変更が想定される「予算データ」「目標データ」をExcelファイルでBIツールに連携させることで、現場の担当者が手軽にExcelデータを修正するだけで、変更を即時にBIツール側へ反映できます。
Excelが活用できる!おすすめBIツール5選
Excelが活用できる5つのおすすめBIツールを紹介します。
参考:Excelが活用できるBIツールとは?
Excelが活用できるBIツールの特徴として、以下の3つが挙げられます。
- Excelがデータソースとして利用可能
- 作成したレポートやダッシュボードをExcelとしてダウンロードやメール配信が可能
- Excel上でBIツールの機能を利用でき、レポートやダッシュボードをExcelとして保存・印刷することが可能
特に3は「Excelアドイン型のBIツール」で実現できる特徴で、Excelと同等の操作感でデータ分析ができることから、現場社員への理解が得られやすく、浸透や習得の早期化が実現できます。
Excelが活用できるおすすめBIツール比較まとめ表
ツール名 | 特徴 | 費用 | こんな方におすすめ |
Power BI | Excelのような操作感でプログラミングの知識なしに使えるセルフサービスBIツール | ・Pro:1,090円(1ユーザー/月単位) ・Premium(ユーザー課金):2,170円(1ユーザー/月単位) ・Premium(容量単位):543,030円(容量/月単位) |
・使いこなせるかどうか心配という方 ・BIツールを導入しているけど思うように使いこなせていない、もしくは一部の人しか使えていないといった悩みを抱えている方 ・Microsoft社のオフィスソフトを利用しており、Excelのような操作感でデータ分析をしたい方 |
Tableau | 直観的な操作性と高度な分析・表現機能を兼ね備えているセルフサービスBIツール | ・Creator:102,000円/12か月 ・Explorer:51,000円/12か月 ・Viewer:18,000円/12か月 |
・現場部門で手軽に分析業務を始めたい方 ・複数データソースを連携させて組織で活用したい方 |
LaKeel BI | オールインワンパッケージのExcelのような操作感で分析できるセルフサービスBIツール | 個別ニーズに基づいての算出 | ・全社員で利用できるBIプラットフォームとして活用したい ・分析業務に慣れていない方がテンプレートを使って始めたい |
Yellowfin | WebブラウザベースのBIツール ※自動インサイト機能、シグナル機能、ストーリー |
125,000円(月/25ユーザー) | ・現場部門での活用 ・小ユーザーでの利用から開始したい方 |
MotionBoard |
豊かな表現力と操作性の高さが特徴の国産BIツール | 初期費用:10万円、月額費用:3万円~ | ・全社で利用できるBIプラットフォームとして活用したい ・Excelでの運用を変えずにデータ活用をしたい |
今回はExcelと親和性の高い5つのBIツールをピックアップしました。全体の傾向として、セルフサービス機能が多く備わっており、直感的な操作でデータ分析業務を行える環境を導入することができます。
ただし、各BIツールを比較した際に、以下のような観点でツールの違いがあるため、自社で導入を検討する際は試用や無料トライアルを利用して、使い勝手や効果を評価してから採用することをオススメします。
- どこまでをカバーしているか(データ準備の機能は備わっているか、Excelと組み合わせた活用はどこまでできるか、など)
- ライセンスの柔軟性はどこまであるか(ユーザーライセンスのみか、サーバーライセンスがあるのか、など)
- 業務利用開始までのハードルの高さはどの程度か(個人で今すぐ利用できるのか、ITリテラシーの高いユーザーがベースとなるダッシュボードを公開する必要があるのか、など)
- その他サービスの魅力があるか(国産ならではのサポート体制の充実、など)
BIツールは、ビジネスを加速させることが可能なツールです。社内にちらばったデータの収集や分析にBIツールを活用すれば、スピーディーに事業の最適化が行えます。 しかしBIツールを導入するにはコストもかかるため、なかなか導入に踏み切れない[…]
自社に最適なBIツールを選ぶ3つのポイント
自社に最適なBIツールを選ぶ3つのポイントを紹介します。
- 目的とゴールを明確化する
- 自社のExcel業務との親和性と費用対効果を見極める
- 試験的に導入して使い勝手を判断する
POINT1:目的とゴールを明確化する
まずはBIツールを導入する目的とゴールを明確化することが重要です。5W1Hを意識し、さまざまな観点からBIツールの目的やゴールを整理していきましょう。目的とゴールが明確であるほどツールの評価がしやすくなり、自社にとって最善のツールを選定できる可能性も高くなります。
When:いつ | いつからデータ分析業務が必要になるのか、いつまでに実現しないとどのような問題が顕在化するのか |
Where:どこで | 個人のPC上で分析をするのか、共有された場所で分析をするのか、オンプレミスなのかクラウドサービスなのか |
Who:だれが | 全社や部門・プロジェクト・個人など、誰が利用するのか、利用ユーザーのITリテラシーは高いのか |
What:何を | どんなデータソースか、どんな業務データか、どのようなデータ分析業務を必要としているのか |
Why:なぜ | どのようなビジネス課題を解決しようとしているのか、目的や目標(KGI、KPI)が何になるのか |
How:どのように |
BIツールで実現するのか、ExcelとBIツールを組み合わせて実現するのか |
POINT2:自社のExcel業務との親和性と費用対効果を見極める
各社のBIツールは、Excel業務との親和性に対して独自のアプローチを設けています。
自社のBIツール利用者のITリテラシーが高いかそうでないか、BIツールへの抵抗感がどの程度なのか、「Excel」「BIツール」を組み合わせて課題解決した際の費用対効果はどの程度になるかを見極めることで、ツールの評価がしやすくなり、自社にとって最善のツールを選定できる可能性も高くなります。
POINT3:試験的に導入して使い勝手を判断する
目的とゴール、Excel業務との親和性と費用対効果の検討を経て採用候補を絞りこんだら、そのBIツールの使い勝手を実際に導入して検証しましょう。Excelと組み合わせて活用できるBIツールには様々な製品があり、ユーザーインターフェースや操作方法、利用開始までの設定内容には違いがあります。
実際に自社で一定期間利用することで、最も自社に合った、利用者のスキルやExcelとの連携性も担保するツールを選定できるでしょう。
1.Power BI
Power BIは、Microsoft社が提供するセルフサービスBIツールです。
引用元:Microsoft
ツールの特徴
Power BIは、Excelのような操作感でプログラミングの知識なしに使える「セルフサービスBI」です。Microsoft製品との親和性が高く、Excelのデータも利用できるため、現場で蓄積しているデータも活用できます。
費用
プラン | 料金 | |
Power BI Pro | ユーザー単位の課金 | 1,250円(1ユーザー/月単位) |
Power BI Premium | ユーザー単位の課金 | 2,500円(1ユーザー/月単位) |
容量単位 | 624,380円(容量/月単位) |
こんな方におすすめ!
BIツールを導入したいけど使いこなせるかどうか心配という方や、すでにBIツールを導入しているけど思うように使いこなせていない、もしくは一部の人しか使えていないといった悩みを抱えている方におすすめです。また、Microsoft社のオフィスソフトを利用しており、Excelのような操作感でデータ分析をしたい方にも適しています。
URL
https://powerbi.microsoft.com/ja-jp/
2.Tableau
Tableauは、Tableau社が提供するセルフサービスBIツールです。
引用元:Tableau
ツールの特徴
Tableauは、全世界で 86,000社以上の導入実績を誇るセルフサービスBIツールです。直観的な操作性と高度な分析と表現を実現する機能を兼ね備えており、隠れたインサイトを素早く発見できます。
費用
プラン | 料金 |
Tableau Creator | 8,400円/月 |
Tableau Explorer | 5,040円/月 |
Tableau Viewer | 1,800円/月 |
こんな方におすすめ!
ユーザーインターフェースが直感的でわかりやすく、1ユーザーから利用できるため、現場部門で手軽に分析業務を始めたい方におすすめです。また、連携可能なデータソースも多いため、組織で活用したい場合にも適しています。
URL
データ管理業務の効率化や、事業における意思決定を補佐する役割を果たすBIツールは、近年導入する企業が増加してきています。企業は多くのデータを扱う傾向があるため、今後もBIツールのニーズは高まっていくことが予想されます。 そんなBIツー[…]
3.LaKeel BI
LaKeel BIは、LaKeel社が提供するBIツールです。
引用元:LaKeel BI
ツールの特徴
LaKeel BIは、さまざまな形式のデータを連携し、ビジネスを可視化できるオールインワンパッケージのセルフサービスBIツールです。「ETL機能」「データ分析機能」「レポート・Webダッシュボード作成機能」をすべて含んでおり、ユーザーインターフェースはExcelに似た操作感のインターフェースを採用していることから、初めての方でもこれ1つで分析業務を簡単に開始できます。
費用
個別ニーズに基づいての算出
※サーバーライセンス型で、データ量やユーザー数増加による追加コストはありません。
こんな方におすすめ!
データ量やユーザー数の増加に伴う追加コストが発生しないため、全社員で利用できるBIプラットフォームとして活用していきたい方におすすめです。また、Excelのようなインターフェースと多様なテンプレートがあることから、分析業務に慣れていない方が始める場合にも適しています。
URL
4.Yellowfin
Yellowfinは、Yellowfin社が提供するBIツールです。
引用元:Yellowfin
ツールの特徴
Yellowfinは、WebブラウザベースのBIツールです。データ分析の専門家でなくても使いやすい操作性で、ダッシュボードを素早く作成して社内で共有できるので、全世界70カ国、200万人を超えるエンドユーザーに利用されています。ワンクリックでロボットが自動解析を行うといった最先端技術を採用しており、「自動インサイト機能」「シグナル機能」「ストーリー」で迅速な課題発見と意思決定を実現します。
費用
Yellowfinの費用は見積もりが必要となるため、詳細は公式HPよりお問い合わせください。
こんな方におすすめ!
データ分析のプロフェッショナルでなくても簡単に利用できるため、現場部門での活用におすすめです。また、製品導入コストが低いため、ユーザーが少ない中から利用開始したい方にも適しています。
URL
5.MotionBoard
ウイングアーク1st社が提供する国産BIツールです。
引用元:WingArc1ST
ツールの特徴
MotionBoardは、豊かな表現力と操作性の高さが特徴の国産BIツールです。Excelを含めた社内のあらゆるデータソースと接続し、高度なインメモリ技術によって、大量のデータを集計しながら、リアルタイムにグラフや表を作成・可視化できます。
また可視化だけでなく、Excelの自動更新機能やデータソースに直接入力編集できる表・フォームを配置できることも特徴です。国産BIツールであることから、お客様の意見を取り入れやすく、サポート体制も充実しており、導入後も安心して利用できます。
費用
プラン | 料金 |
クラウド版 | 月額15,000円/10ユーザー(税別)〜 |
オンプレミス版(サブスクリプションライセンス) | 月額60,500円/(税別)〜 |
オンプレミス版(パーペチュアルライセンス) | 1,800,000円(税別)〜 |
こんな方におすすめ!
全社で利用できるBIプラットフォームとして、活用していきたい方におすすめです。また、Excelでの運用を変えずにMotionBoardを利用することができるため、さらなるデータ活用を現場から広げることが可能です。
URL
https://www.wingarc.com/product/motionboard/
Excelのアドインとして利用できるBIツール
BIツールの中にはExcelのアドインとして利用できるツールがあります。ここでは、アドインの基礎知識やExcelアドイン型のBIツール「Excellent」について紹介します。
アドインとは?
引用元:スマートワーク総研
「アドイン」とはアプリケーションに追加できる新しい機能を指します。例えばインターネットブラウザではツールバーの追加を「プラグイン」と呼んでいますが、これはアドインの代表的なものです。
Excelでは「アドインを追加する」機能があり、無償利用可能なものから追加購入が必要なものまで幅広く提供されています。
Excelアドイン型のBIツールとは?
引用元:WAVE FRONT
Excelアドイン型のBIツールは、Excel上で各種システム、アプリケーションのデータを簡単に取り出してBIツールのようなリッチな分析や表現ができる機能を提供しているBIツールを指します。
Excelに慣れ親しんだ現場部門の社員が、ExcelのようなユーザーインターフェースでBIツールの機能を使って手軽に分析できることから、現場の習得難易度を低減し、浸透のスピードアップができます。
Excellent
株式会社システムコンサルタントが提供する国産BIツールです。
ツールの特徴
ExcellentはExcelとの親和性を追求したExcelアドイン型の国産BIツールです。エンドユーザーが使い慣れたExcelから自由にデータの抽出や分析を実施でき、日々の業務の効率化を実現します。また、国産の自社開発製品のため、問い合わせやセミナーも製品を熟知したスタッフが対応&実施しており、安心して製品を利用できます。
費用
Excellentの利用PC数、FreeWayの最大同時ログイン数によって費用が決まります。
※Excellent導入時に、別途、ユーザー管理用製品「FreeWay」がDBサーバー上にインストールされます。
こんな方におすすめ!
慣れ親しんだExcelを使い、ドラッグ&ドロップによる直感的な操作でデータベースのデータを分析できることから、Excelで数値をメインに取り扱う業務の効率化を促進したい方におすすめです。リアルタイムなデータ検索や参照が可能であり、SQLの知識が無くても利用できることから、現場部門のメンバーが利用する際にも適しています。
URL
https://www.ksc.co.jp/bi/excellent/
BIツールやExcelと一緒に使いたいオススメの広告レポート自動化ツール
BIツールやExcelと一緒に使いたい、オススメの広告レポート自動化ツールを紹介します。
Databeat
アジト株式会社が提供する国産の広告レポート自動化ツールです。
Databeatは、マーケターが必要とするマーケティングデータを、いつでも最新の状態で可視化、分析することが可能です。
Databeatを利用する3つのメリット
Databeatを利用することで、様々な広告データを収集・統合し、ExcelやBIツールにデータを出力します。
- あらゆるメディアの広告データを収集し、統合・出力
- Looker Studio(旧Googleデータポータル)などのBIツールにデータを連携・出力
- 広告データをBigQueryに格納
1.あらゆるメディアの広告データを収集し、統合・出力
Google、Yahoo!、Facebookといった広告プラットフォームのデータを自動収集します。広告プラットフォーム間において異なる項目名で存在している同種のデータは、同じ意味の項目同士(例:Google広告の「クリック数」とTwitter広告の「リンクのクリック数」)を整形・統合した状態で格納されます。
格納されたデータは、ExcelやBIツールに出力し可視化できます。
2.Looker Studio(旧Googleデータポータル)などのBIツールにデータを連携・出力
必要なデータ抽出をエンジニアに依頼することなく、マーケター自身が自由に設定してLooker Studio(旧Googleデータポータル)に連携・出力します。広告データ分析では多く利用されていたExcelだと難しい”リアルタイムのデータ可視化・共有・分析”を可能にしています。
3.広告データをBigQueryに格納
収集した広告データをBigQueryに格納できます。BigQueryにデータを格納すれば、広告以外のデータと掛け合わせた分析などもスムーズに実施できます。
Databeatはこんな人にオススメ!
デジタルマーケティングを実施する企業の、データドリブン・マーケティング基盤として、広告データの活用をしたいマーケターにオススメです。また、国内最多の広告サービスをデータ連携し、可視化・レポーティング・分析することができるため、マーケティングデータの活用を現場から広げる際にも適しています。
まとめ
今回は、Microsoft社が提供する「Excel」についての基礎知識と、Excelを組み合わせたBIツールの活用について紹介してきました。Excelは、世界中ほぼ全てのビジネスマンが利用しているツールであるため、BIツールと組み合わせて活用することで、データ分析業務を最適化させ、さらなるビジネス貢献へと繋げていくことができます。
本記事を参考として、自社のニーズに合っているExcelと組み合わせたBIツールの活用を検討いただければと思います。
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