マーケターは、自社で実施するマーケティング戦術が「売上」または「コンバージョン」に貢献しているかを把握する必要があります。
その際活用できるのが、「アトリビューション分析」です。しかし、自社でアトリビューション分析を実施する上で、
「アトリビューション分析の種類や目的が理解できない」
「Web広告のアトリビューションモデルについて知りたい」
「アトリビューション分析の流れが知りたい」
上記のような課題が生じるかと思います。本記事では、企業の広告運用担当者様へ向けて、アトリビューション分析の「種類や目的」「分析の流れ」「分析結果を効果的に活用するポイント」を紹介します。
- 1 アトリビューション分析とは?用語の定義、仕組みを詳しく解説
- 2 Web広告のアトリビューションを分析する3つのメリット
- 3 アトリビューションの分析をおすすめしたい3つのシーン
- 4 Web広告のアトリビューション分析に用いるアトリビューションモデルの種類
- 5 一般的なアトリビューション分析の流れ
- 6 アトリビューション分析を行う3つの方法
- 7 広告媒体の管理画面を利用したアトリビューション分析の実施方法(Google広告の場合)
- 8 Googleアナリティクス(GA4)を利用したアトリビューション分析の実施方法
- 9 ツールを利用したアトリビューション分析(アドエビス)
- 10 アトリビューション分析を実施する際の注意点
- 11 アトリビューション分析結果を効果的に活用するポイント
- 12 Web広告の効果を可視化するおすすめの広告レポート自動化ツール
- 13 まとめ
アトリビューション分析とは?用語の定義、仕組みを詳しく解説
引用元:PPC Geekss
はじめに、アトリビューション分析の「定義」「種類」「目的」について紹介します。
アトリビューション分析とは?
アトリビューション分析は、どのマーケティング施策が「売上」または「コンバージョン」に貢献しているか判断する分析方法です。
ユーザーがコンバージョンを達成するまでの過程をタッチポイントとして評価することで、その過程がユーザーにどの程度影響を与えたのか評価・判断します。
コンバージョンを達成するまでの過程分析に関しては、ブラウザのCookieが利用されています。アトリビューション分析にはいくつかのモデルがあり、自社のマーケティング施策に合ったモデルを選ぶことで、ユーザー動向を把握できます。
これにより、ユーザーに合わせたキャンペーンへ軌道修正が可能です。
【参考】アトリビューション分析の種類
アトリビューション分析には「オンラインアトリビューション分析」「統合アトリビューション分析」「コンテンツアトリビューション分析」の3種類があります。
それぞれの特徴は下記の通りです。
オンラインアトリビューション分析
オンラインアトリビューション分析は、目標として定めたコンバージョンに対して、それまでユーザーが接触した広告をタッチポイントとして、貢献度を評価する分析方法です。
オンラインアトリビューション分析では、3PAS(第三者配信)を活用することで、複数広告媒体が評価できるようになっています。
統合アトリビューション分析
統合アトリビューション分析は「オフライン」「オンライン」両方のアトリビューション分析です。例えば「テレビ」「ラジオ」などのオフライン広告の貢献度と、Web広告の貢献度の分析を両方実施することで、広告効果を最大限発揮するためのヒントを得ることができます。
コンテンツアトリビューション分析
コンテンツアトリビューション分析は「ブログ」「Webサイト」など自社が運営するコンテンツが、ユーザーのコンバージョンにどれだけ貢献したか分析する方法です。
コンテンツだけではなく、広告を含めた貢献度も同時に分析することで、企業マーケティング施策全体の最適化に繋がりやすい特徴があります。
アトリビューション分析を行う目的
アトリビューション分析を行う目的は、コンバージョンを達成した広告のみではなく、コンバージョンをアシストした施策を理解するためです。
例えば、自社で「ディスプレイ広告」と「メールキャンペーン」を実施しているとしましょう。ユーザーがメールにて特別なプロモーションを見た後に「ディスプレイ広告」でコンバージョンを達成したのであれば、「メールキャンペーン」がなかった、場合コンバージョンを達成しなかったかもしれません。
アトリビューション分析を実施しないと「ディスプレイ広告」のコンバージョンを評価することしかできないので、「メールキャンペーン」の貢献度を評価することはできません。
このように貢献度を分析することで、自社にとって最適なマーケティング施策を理解できます。
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アトリビューション分析をしないと起きる弊害
アトリビューション分析は、広告の効果を正確に評価するための重要な手法です。この分析を行わないと、企業のマーケティング活動に様々な弊害が生じる可能性があります。その主な弊害について見ていきましょう。
効果のある広告を停止してしまう
アトリビューション分析を行わないと、どの広告がコンバージョンにどれだけ寄与しているのかの評価が難しくなります。その結果、実際には効果のある広告を、効果がないと誤解して停止してしまうリスクがあります。
これにより、良好なパフォーマンスを持つ広告の機会損失が生じる可能性があります。
広告の費用対効果が悪化する
アトリビューション分析を実施しない場合、広告の投資回収率やROIの正確な計測が困難となります。そのため、効果の低い広告に予算を多く割り当ててしまうことが考えられます。
反対に、コンバージョンに直接寄与している広告にばかり予算を割り当ててしまうといったことも想定されます。このように、偏った予算設定によって広告の費用対効果が悪化するリスクがあるため、アトリビューション分析を積極的に実施するのがおすすめです。
実施できるマーケティング施策が限定される
アトリビューション分析を通じて、広告の効果やユーザーの行動パターンを理解することで、新しいマーケティング施策のアイディアや方向性を見つけ出すことができます。
反対に、アトリビューション分析を行わず最終コンバージョンにのみ注目していると、広告の効果を断片的にしか理解できず、マーケティング施策の選択肢が狭まってしまうでしょう。
Web広告のアトリビューションを分析する3つのメリット
Web広告でアトリビューションを分析する3つのメリットについて紹介します。
- 正確な予算の調整が可能になる
- パーソナライズの改善
- ROI(投資収益率)の向上
1.正確な予算の調整が可能になる
アトリビューション分析を活用すると、正確な予算調整が可能となります。アトリビューション分析により、貢献度が高い広告を理解することで、どこに予算を投入すれば良いかが明確になるためです。
「貢献度が高い広告は予算を増やし、貢献度が低い広告は予算を減らす」これだけでマーケターの頭を悩ませる予算調整の課題を解決できます。
2.パーソナライズの改善
アトリビューション分析を活用すると、パーソナライズの改善が可能です。パーソナライズとは、ユーザー動向を分析したデータから、ニーズを把握し適切なサービスを提供する方法です。
アトリビューション分析ではユーザー動向が分析できるため、結果を元にカスタマージャーニーマップを作成すれば、ユーザーの心理状態に合わせたアプローチができます。
これにより効果的にパーソナライズの改善が可能です。
3.ROI(投資収益率)の向上
アトリビューション分析を活用すると、ROI(投資収益率)の向上が期待できます。ROIとは、マーケティング施策に投資した費用に対して、どの程度利益が出たのかをパーセントで表した指標です。
アトリビューション分析することで「適切なユーザー」に「適切なメッセージ」をベストなタイミングで届けることができ、ROIの向上につながります。
アトリビューションの分析をおすすめしたい3つのシーン
アトリビューション分析をおすすめしたい3つのシーンを紹介します。
- 商品・サービス価格が高額な場合
- 各種広告施策が頭打ちの場合
- コンバージョンを正確に分析したい場合
1.商品・サービス価格が高額な場合
商品・サービス価格が高額な場合にアトリビューション分析は最適といえます。一般的に商品・サービス価格が高額だとユーザーの「認知」から「購入」までの検討期間が長くなります。
高額な商品を購入する消費行動モデルとして、Webサイトを閲覧するなど多くのユーザー行動が発生します。そこで、アトリビューション分析を活用すれば、ユーザーが高額商品を購入するにあたり、どのコンテンツが決め手になったかを把握できます。
2.各種広告施策が頭打ちの場合
各種広告施策が頭打ちの場合にもアトリビューション分析は最適といえます。各種広告媒体のパフォーマンスが上がらない原因はさまざまですが、理由の1つとして、予算調整が出来ていない可能性があります。
しかし、アトリビューション分析を実施すれば、各広告施策の貢献度により、的確な予算調整が可能になり、結果、各種広告パフォーマンスの向上が期待できます。
3.コンバージョンを正確に分析したい場合
コンバージョンを正確に分析したい場合もアトリビューション分析は最適といえます。複数の広告運用を実施していると、課題になるのが重複コンバージョンです。
ユーザーが複数の広告に接触してコンバージョンを達成すると、重複コンバージョンとなり、正確な分析ができません。
しかし、アトリビューション分析によって各広告の貢献度が分かれば、重複コンバージョンが減少するので、正確な分析が可能となります。
Web広告のアトリビューション分析に用いるアトリビューションモデルの種類
アトリビューション分析に欠かせない、アトリビューションモデルについて紹介します。
アトリビューションモデルとは?
アトリビューション分析では、コンバージョンまでの経路を元に貢献度を計測しますが、この貢献度をどのように計測するかをアトリビューションモデルで決めます。
モデルにより、各広告の貢献度が異なるので自社に合ったモデルを選択する必要があります。
ラストクリックモデル
最後にクリックされた広告に貢献度を持たせるモデルです。たとえば、複数の広告を出稿しており、最終的にディスプレイキャンペーンでコンバージョンに至ったのであれば、そのディスプレイ広告に貢献度を持たせます。
ラストクリックモデルは、顕在ユーザー向けの分析に適していますが、潜在ユーザーの分析には向いていないといった特徴があります。
ファーストクリックモデル
ユーザーが最初に接触した広告に貢献度を持たせるモデルです。ユーザーがキーワードを検索し、コンバージョンまでの経路で複数の広告に接触したとしても、ユーザーが最初にクリックした広告の貢献度を重要視します。
先ほど紹介したラストクリックモデルとは正反対の考えといっても良いでしょう。ファーストクリックモデルは、コンバージョン測定には不向きですが、ブランド認知度キャンペーンには最適です。
線形モデル
コンバージョンまでの経路で接触した広告ごとに、貢献度を均等に分けるモデルです。ユーザーがコンバージョン達成までに4回広告と接触したのであれば、各貢献度は25%ずつとなります。
線形モデルにより、どのチャネルとキーワードが機能し、どれが機能しなかったかを知ることができます。線形モデルは、幅広いキーワードからコンバージョンにユーザーを導く複雑なキャンペーンを実行している企業に適しています。
減衰モデル
減衰モデルは、ユーザーが広告に接触した順番で貢献度が変化します。コンバージョンに近いほど、貢献度が高くなり、最初の広告は貢献度が低くなります。
コンバージョンに近い広告の貢献度を重要視しているので、慎重に広告分析を実施したい場合に向いています。
接点ベースモデル
ユーザーが最初に接触した広告と最後に接触した広告に貢献度を持たせるモデルです。
コンバージョンまでに4回の広告接触が合った場合、ユーザーが最初に接触した広告と最後に接触した広告に40%、それ以外の広告に残りの貢献度が割り振られます。
マーケティング施策における、入り口と出口を重要視したい場合に最適なアトリビューションモデルです。
カスタムモデル
カスタムモデルは、自身でルールを定義するモデルです。過去のタッチポイントと売上を分析して「どのアクションが有益なデータであるか」を分析できる適応性が高いモデルとなります。
自社のマーケティング施策が複雑で「さまざまなアトリビューションモデルの追跡」を実施したい場合に最適です。
カスタムモデルは「自社ビジネスの段階」や「ブランド認知」「商品・サービス販売」などの目的でカスタマイズする内容を選定していきます。
データドリブンモデル
Google広告で新たに追加されたモデルで、広告データを元にコンバージョンを達成したユーザーと達成しなかったユーザーを比較することで、コンバージョンに繋がりやすい経路を自動で分析します。
これにより、価値の高い広告に貢献度を割り当てるモデルとなっています。しかし、Google広告でデータドリブンモデルを活用するには下記条件があります。
- 3,000回以上の広告クリック
- 300回以上のコンバージョン
モデルを使い続けるには、上記の数値を30日間連続して維持する必要もあります。あくまで目安ですが、上記クリックとコンバージョンを達成するには最低でも月に20万円以上の広告予算が必要です。
自社に最適なアトリビューションモデルを選ぶポイント
自社に最適なアトリビューションモデルを選ぶポイントを紹介します。モデルを選定するには「自社の取り扱う商品・サービス」や「何を分析したいか」で選定するのが一番です。
「短い販売サイクルの場合」「長い販売サイクルの場合」「ユーザー行動の洞察を実施したい場合」のケース別に最適なモデルを見ていきましょう。
ケース1:短い販売サイクルの場合
短い販売サイクルの場合は「ラストクリックモデル」「ファーストクリックモデル」が最適です。短い販売サイクルの場合は、ユーザーとのタッチポイントが限られているため、「ラストクリックモデル」「ファーストクリックモデル」のようにシンプルなモデルが良いでしょう。
ただしどちらのモデルも、販売サイクルにおけるエンゲージメント分析には向いていないので注意が必要です。
ケース2:長い販売サイクルの場合
長い販売サイクルの場合は「減衰モデル」「接点ベースモデル」のアトリビューションモデルが向いています。
長い販売サイクルの場合は、コンバージョン前のタッチポイントの数が多いので「減衰モデル」「接点ベースモデル」のような包括的なアトリビューションモデルが適しています。
長い販売サイクルから、コンバージョンに直接つながるタッチポイントを特定したい場合は活用してみましょう。
ケース3:ユーザー行動の洞察を実施したい場合
ユーザー行動の洞察を実施したい場合は「線形モデル」が適しています。各広告キャンペーンがユーザーにとってどのように作用しているかを理解したい場合に有効です。
例えば「線形モデル」では、販売サイクル全体にわたって均等な貢献度を割り当てます。「線形モデル」はマーケティングの取り組みの全体像を理解するのに役立つので、カスタマージャーニーマップ作成にも役立つメリットがあります。
一般的なアトリビューション分析の流れ
一般的なアトリビューション分析の流れは下記STEPで実施します。
STEP1:ユーザーの経路を洗い出す
はじめに自社の商品・サービスをユーザーが購入するまでの経路を洗い出します。ユーザーがどのような経路を通ってコンバージョンを達成するか、考えられる経路を全てリスト化しましょう。
STEP2:自社に合ったツール選択
後ほど紹介しますが、アトリビューション分析には「Google広告」「Googleアナリティクス」「ツール」の3つ方法があります。
これらの方法から自社に合ったツールを事前に選択しましょう。
STEP3:分析データを集める
ツールが準備できたら分析するデータ収集を実施します。分析データ収集方法は分析方法によって異なります。
STEP4:自社に合ったアトリビューションモデルを選択し、分析を開始
リスト化した経路と自社の状況に合わせて分析を開始します。コンバージョンを達成したユーザーが接触した広告を確認し、貢献度を分析します。
分析時は、1つのアトリビューションモデルに絞り込むのではなく、複数のモデルから分析することで、さまざまな切り口からの分析が可能となります。
STEP5:分析結果にもとづき予算配分を改善
アトリビューション分析を実施したら、分析結果をもとにアロケーションを実施します。アトリビューション分析によって直接コンバージョンに貢献している広告、間接的に貢献している広告を切り分け、適切に予算を割り当てていきましょう。
STEP6:仮説検証の繰り返し
アトリビューション分析は、一度実施したら終わりではありません。広告の効果は市場の変化などによって日々変わっていきます。そのため、定期的にアトリビューション分析を実施して、すべての広告の効果を可視化したうえで、予算配分についても検討していく必要があります。
アトリビューション分析を行う3つの方法
アトリビューション分析を行う3つの方法について紹介します。下記分析プラットフォームには、異なるアトリビューションモデルや特徴があるため、下記内容を参考に自社に合った分析プラットフォームを選択しましょう。
アトリビューション分析方法のまとめ
分析方法 | 概要 | こんな方にオススメ! |
---|---|---|
広告媒体の管理画面 | 「リスティング広告」「ショッピング広告」のみの分析 | Google広告のみの運用者 |
Googleアナリティクス(GA4) | Google広告以外の分析にも対応 | Google広告以外の運用者 |
ツール | 自動更新など機能面に優れている | 分析初心者やビックデータを扱う企業 |
分析方法を選択する際は、自社のWeb施策で判断すると良いでしょう。Google広告のみの運用であれば、Google広告での分析で十分ですが、自社で多くのWeb施策を実施する場合は「Googleアナリティクス」又は「ツール」が最適といえます。
1.広告媒体の管理画面
Google広告は「リスティング広告」「ショッピング広告」にてアトリビューション分析を実施できます。広告貢献度のレポートに関しては、管理画面から確認することが可能です。
こんな方におすすめ!
「簡単にアトリビューション分析がしたい」「リスティング広告、ショッピング広告の運用がメイン」といった方におすすめです。
2.Googleアナリティクス(GA4)
Googleアナリティクスでは、Google広告以外の流入や、アトリビューションモデル比較の分析が可能です。Google広告よりも多くのアトリビューションモデルを採用しているのが特徴です。
こんな方におすすめ!
Googleアナリティクスでは、Google広告以外のアトリビューション分析が可能なので、コンテンツマーケティングなど、広告以外のWeb施策を実施している企業におすすめです。
3.ツール
分析用のツールを使ってもアトリビューション分析が可能です。さまざまな分析ツールが提供されていますが、Googleアナリティクスよりも簡単に分析ができ、データの自動更新など機能面で優れているのが特徴です。
こんな方におすすめ!
アトリビューション分析をしたいデータ量が多い場合にツールの利用は向いています。ツールを活用すればビックデータも簡単に可視化できるので、複雑なキャンペーンを多く扱っている企業にもおすすめです。
広告媒体の管理画面を利用したアトリビューション分析の実施方法(Google広告の場合)
広告媒体の管理画面を利用したアトリビューション分析の実施方法を紹介します。
Google広告のアトリビューションレポートの特徴
引用元:Google Ads
Google広告のアトリビューションは、リスティング広告とショッピング広告のクリックとエンゲージメントのみの分析です。
対応しているアトリビューションモデルは下記の通りです。
- ラストクリックモデル
- ファーストクリックモデル
- 線形モデル
- 減衰モデル
- 接点ベースモデル
- データドリブン
リスティング広告とショッピング広告以外のチャネル分析は、Google広告では不可となるので、他チャネルからのコンバージョンデータを取り込むAttribution 360を活用する必要があります。
STEP1:コンバージョンアクション
引用元:Google Ads
アカウントダッシュボードから「ツール」→「コンバージョン」タブを選択します。キャンペーンのアトリビューション設定を変更するには、個々のコンバージョンアクションを選択する必要があります。
リストから、特定のキャンペーンに使用している適切なコンバージョンアクションを選択します。
STEP2:設定編集
引用元:Google Ads
コンバージョンアクションの「設定を編集」を選択して、アトリビューションモデル選択画面に移動します。
STEP3:アトリビューションモデル選択
引用元:Google Ads
必要なアトリビューションモデルを選択します。「完了」→「保存」を選択すれば、設定完了です。
STEP4:レポート確認
引用元:Google Ads
レポート確認は、「ツール」→「アトリビューション」を選択することで確認できます。
Googleアナリティクス(GA4)を利用したアトリビューション分析の実施方法
Googleアナリティクス(GA4)を利用したアトリビューション分析方法を紹介します。
Googleアナリティクス(GA4)のアトリビューション分析の特徴
引用元:AgencyAnalytics
Googleアナリティクス(GA4)では、Google広告以外のチャネルでのアトリビューション分析が可能です。対応しているモデルは下記の通りです。
- ラストクリックモデル(Google広告以外)
- ラストクリックモデル(Google広告)
- 間接クリックモデル
- ファーストクリックモデル
- 線形モデル
- 減衰モデル
- 接点ベースモデル
- データドリブン
Googleアナリティクスの最大の特徴は、各モデルの比較が可能な点です。上記モデルから最大3つを選択することで、モデル別の分析が可能となります。
そのため、さまざまな切り口から分析が可能です。
STEP1:プロジェクト作成
引用元:Googleアナリティクス
こちらにアクセスし、アトリビューション分析のプロジェクトを作成します。
STEP2:プロパティ接続とコンバージョンの種類選択
引用元:Googleアナリティクス
プロパティ接続とコンバージョンの種類を選択します。こちらは後から追加も可能です。
STEP3:プロジェクト完成
引用元:Googleアナリティクス
プロジェクトが完成するとデータ収集が始まります。レポートが反映するまでに30日ほどかかるので注意が必要です。
STEP4:レポート確認
引用元:Googleアナリティクス
Google Analytics上の「アトリビューション」タグから作成したプロジェクトのレポートが確認できるようになっています。
ツールを利用したアトリビューション分析(アドエビス)
続いて、ツールを活用した方法です。今回はアドエビスを例に紹介します。
アドエビスとは?
引用元:アドエビス
アドエビスは、株式会社イルグルムが提供するWebマーケティング成果を一元管理できるツールです。導入実績は、1万件を突破しており、多くの企業で採用されています。
アドエビスを活用すると、ユーザーがどのような行動を取ってコンバージョンを達成したかを、判断することができるので、自社マーケティング施策の強い味方となります。
アドエビスのアトリビューション分析機能
アドエビスのアトリビューション分析機能は下記3つです。
Webサイトへの全流入を計測
引用元:アドエビス
アドエビスでは、Webサイトへの全流入を計測します。「どの施策から」「どんな経路で」を評価することで、Web施策全体を評価できます。
複数の広告媒体を運用している場合は、コンバージョン重複を防ぐことも可能です。
タッチポイントの可視化
引用元:アドエビス
アドエビスでは、コンバージョンまでの経路のタッチポイントを可視化することができます。「ユーザーがどの広告に、どの順番で接触したか」を簡単に分析できるので、各広告貢献度の比較が容易になります。
分かりやすいレポート作成機能
引用元:アドエビス
アドエビスは、誰が見ても進捗状況が確認できるレポートを作成します。この可視化されたレポートを分析すれば、スムーズにPDCAを回すことが可能です。
アドエビス(AD EBiS)は、広告のさまざまな指標や効果を測定できるツールです。 広告運用において効果計測を行うことはとても重要ですが、こうした広告効果測定ツールを活用することで、正確かつスムーズに広告の効果を計測できるようになりま[…]
アトリビューション分析を実施する際の注意点
アトリビューション分析を実施する際の注意点を3つ紹介します。下記に注意した上で分析を実施するようにしましょう。
1.認知からコンバージョンまでが早い場合は向かない
アトリビューション分析は、認知からコンバージョンまでが早い場合は向いていません。そのため、検討期間が短い商品・サービスを扱う企業がアトリビューション分析を実施しても、有益なデータを得ることができない可能性があります。
「各施策の費用対効果が見えない」「コンバージョン経路が分かりにくい」といった課題がある企業でなければ、アトリビューション分析はあまりおすすめできません。
2.扱う広告媒体が多いほど分析が困難
アトリビューション分析は、自社で扱う広告媒体が多いほど分析が困難となります。これは、扱う広告媒体が多いほど、貢献度の見極めが難しくなるためです。
正確な分析を実施するには、アトリビューション分析を繰り返し実施して、検証を継続する必要があります。分析が上手くできない場合は、広告代理店に相談するのも有効です。
3.分析をしたからパフォーマンスが向上するわけではない
アトリビューション分析を実施したからといって、必ずパフォーマンスが向上する訳ではありません。「困ったからアトリビューション分析しよう」となるのは、失敗する典型的なパターンです。
アトリビューション分析を成功させるには、仮説・検証が非常に重要となってくるので、すぐに分析を始めるのではなく、企画段階で多くの時間をかけることが重要です。
アトリビューション分析結果を効果的に活用するポイント
アトリビューション分析結果を効果的に活用するポイントを3つ紹介します。
- 組織に適したアトリビューションモデルの選択
- 社内でアトリビューション分析の共有
- 分析データを元にカスタマージャーニーマップを作成する
POINT1:組織に適したアトリビューションモデルの選択
アトリビューション分析結果を効果的に活用するには、組織に適したアトリビューションモデルの選択が必須です。
アトリビューションモデルを選択する時は「商品・サービスの販売サイクル」「オンラインまたはオフラインか」で考えると良いでしょう。
また、アトリビューション分析の失敗リスクからモデルを考えるのも有効です。例えば「減衰モデル」「ラストクリックモデル」は、コンバージョンに近い広告貢献度を重要しています。そのため、仮に分析を間違えたとしても、ユーザーはすでに認知しているので、コンバージョン自体に大きな影響はないと言えます。
しかし「認知を獲得するファーストクリック」や「接点ベースモデル」の分析は、自社全体の施策に関わるため、リスクを伴います。
このようなことから、初めてアトリビューション分析するのであれば「減衰モデル」「ラストクリックモデル」から始めるのがおすすめです。
POINT2:社内や関係者でアトリビューション分析の共有
アトリビューション分析を成功させるには、社内や関係者でアトリビューション分析の共有をする必要があります。共有することで社内での混乱が起きにくくなるためです。
例えば社内や関係者には、Web広告運用担当者、HP制作担当者、動画制作担当者などさまざまなスタッフがいます。分析のデータを元に各担当者に施策の修正を頼むのであれば、事前にアトリビューション分析を実施する旨を説明し、修正が発生する可能性があることを伝えておく必要があります。
これが共有できていないと、有益な分析データを取得したとしても、すぐに改善に移ることができず、アトリビューション分析が無駄になってしまう可能性があります。
POINT3:分析データを元にカスタマージャーニーマップを作成する
アトリビューション分析を成功させるには、分析データを元にカスタマージャーニーマップを作成する必要があります。
カスタマージャーニーマップとは、ユーザーの心理状態に合わせて、タッチポイントごとに訴求メッセージを考えるための施策です。
例えば「認知段階」と「コンバージョンに近い段階」ではそれぞれユーザーが求めていることが違います。これをアトリビューション分析によって明確にして、カスタマージャーニーマップを作成することで、アトリビューション分析の成功に繋がります。
Web広告の効果を可視化するおすすめの広告レポート自動化ツール
最後にWeb広告の効果を可視化するおすすめの広告レポート自動化ツールを紹介します。
Databeat Explore
Databeat Exploreは、アジト株式会社が提供する広告効果検証ツールです。広告データの「抽出」「更新」「可視化」「集計」の自動化を行うことで、広告運用効率化を実現します。
Web広告運用における「Databeat Explore」の3つの活用ポイント
Web広告運用における「Databeat Explore」の3つの活用ポイントは下記の通りです。
豊富な広告データとの連携が可能
Databeat Exploreは、GAやLooker Studio(旧Googleデータポータル)をはじめとするGoogle製品や、各種BIツールと接続できます。社内にエンジニアがいなくても簡単に設定でき、複数の広告媒体のデータを、Databeat Exploreが一括で管理します。
自動で最新データを維持できる
Databeat Exploreは、データ収集をAPI経由で自動的に行い、いつでも最新の状態を保ちます。担当者は手動更新する必要がなくなるので、データ管理の工程が減り作業時間の短縮になります。
Looker Studio(旧Googleデータポータル)のテンプレートが利用できる
Databeat Exploreは、豊富なLooker Studio(旧Googleデータポータル)のテンプレートを用意しています。レポートの作成も自動で行ってくれるので、自分でゼロから作るより美しくわかりやすいレポートが作成できます。
さらにカスタマイズ可能なので、柔軟なレポーティングに対応可能です。
まとめ
アトリビューション分析について紹介しました。アトリビューション分析を実施するとコンバージョンをアシストした貢献度の評価が可能となります。
これにより「正確な予算の調整」や「ROI(投資収益率)の向上」が期待できます。アトリビューション分析には「Google広告の管理画面」「Googleアナリティクス」「ツール」の3つの分析方法があり、検討期間が長い商品・サービスを扱っている場合に効果を発揮します。
アトリビューション分析には、さまざまなモデルが用意されているので、自社の状況に合わせたモデルを選定して分析を実施してみましょう。