Googleアナリティクスは、WEBサイトのアクセス数などを計測するためのツールとして、広く利用されています。そしてこのGoogleアナリティクスは、アクセス数の計測だけではなく、広告流入を計測することも可能です。
Googleアナリティクスによって広告流入を計測できれば、自社サイトの集客力を向上させるための分析に役立つデータを収集することも可能となるでしょう。
そこで今回こちらの記事では、Googleアナリティクスを使った広告流入の計測方法について、詳しく解説していきます。
- 1 Googleアナリティクスで広告流入とは?
- 2 広告流入を確認できるGoogleアナリティクスの「流入元」とは?
- 3 GAによる広告流入分析でおすすめの3つの切り口
- 4 GAで広告流入を計測するには「UTMパラメータ」の設定も必要
- 5 【シーン別】Googleアナリティクスで広告流入結果を分析する方法
- 6 WEB広告運用の効果を最大化するGA広告流入分析5つのポイント
- 7 効率的にWEB広告を測定するなら広告測定ツールの利用もおすすめ
- 8 WEB広告の効果を可視化するオススメの広告効果測定ツール
- 9 まとめ
Googleアナリティクスで広告流入とは?
Googleアナリティクスにおける広告流入とは、なんらかの広告を経由して自社サイトやランディングページに流入することを指します。
これに対し、GoogleやYahoo!などの検索エンジンから自社サイトやランディングページにたどり着いた場合は、オーガニック検索流入となります。
Googleアナリティクスで広告流入を計測、分析するメリット
Googleアナリティクスを使って広告流入を計測すると、広告流入とそれ以外の流入の割合がわかります。そこから、自社サイトの集客力を正しく評価することが可能です。
また、ランディングページで商品を販売している場合、広告流入とオーガーニック検索流入によるコンバージョン率の違いや、新規ユーザーと訪問済みユーザーそれぞれの動きを把握するといったことも実現できます。
広告流入を確認できるGoogleアナリティクスの「流入元」とは?
Googleアナリティクスで広告流入を確認する場合、まず「流入元」の情報を閲覧します。
流入元とは、どの「チャネル」のどの「参照元/メディア」から流入したかという情報です。Googleアナリティクスによって、この流入元のチャネルと参照元/メディアを特定することで、広告流入とそれ以外の流入を明確に切り分けることが可能です。
「チャネル」と「参照元/メディア」の違い
Googleアナリティクスにある「チャネル」と「参照元/メディア」の違いについて、それぞれ解説します。
チャネル
引用元:Googleアナリティクス
チャネルは、左側のメニューで「集客」→「すべてのトラフィック」→「チャネル」へ進むと表示されます。チャネルごとのユーザー数やセッション数などが表示されていますが、この中で広告流入となるチャネルは以下の2つです。
- Paid Search:リスティング広告からの流入
- Display:バナー広告からの流入
参照元/メディア
引用元:Googleアナリティクス
参照元は、左側のメニューで「集客」→「すべてのトラフィック」→「参照元/メディア」へ進むと表示されます。
引用元:Googleアナリティクス
例えば一番上にある「google/organic」ですが、これは「参照元/メディア」という構成になっています。よって、この場合参照元はGoogle、メディアはorganicとなります。
メディアは流入元を大きく分類したもので、以下のような表示になります。
- organic:GoogleやYahoo!などの検索エンジンから流入
- referral:サイトやブログなどに貼られたリンクからの流入
- cpcまたはcpm:リスティング広告などの有料広告からの流入
- none:流入元が判別できない場合
この中で広告流入となるのは「cpc」「cpm」の2つです。なお、参照元はメディアよりも細かく、実際に参照したサイトのドメインなどが表示されます。
GAで「チャネル」、「参照元/メディア」で広告流入を正しく計測するために必要なこと
基本的にGoogleアナリティクスの機能を使えば、流入元の情報となるチャネルや参照元/メディアがわかります。しかし、初期設定ではかなりおおざっぱな情報しか手に入れることができません。
より詳細なデータを得るためには、パラーメータの設定など、若干Googleアナリティクスのカスタマイズを行う必要があるので注意してください。
GAによる広告流入分析でおすすめの3つの切り口
Googleアナリティクスを利用した広告流入分析における、おすすめの切り口を3つご紹介します。
1.広告流入によるユーザーアクセスの確認
まずは、広告流入によってどれくらいのユーザーが自社サイトへアクセスしているかを正確に把握することです。広告は費用がかかるものなので、一定の効果が得られていなければ広告費の無駄となってしまいます。
想定しているような広告流入によるユーザーアクセスが得られているかを正確に把握することが、広告運用を行なう上でのポイントとなります。
2.広告流入とオーガニック流入それぞれの効果の比較分析
SNSからの流入を除いた場合、自社サイトへの流入経路は広告流入かオーガニック流入のいずれかとなります。
この2つの流入経路が、それぞれどの程度の割合で、どれだけの集客効果をもたらしているかを分析します。この分析結果によって、不要な広告を停止したり、さらに広告出稿を増やすかどうかの判断ができます。
さらに、オーガニック流入が少なければ、SEOによるオーガーニック流入の向上を目指すべきかといった指標にもなります。
3.新規ユーザーと訪問済みユーザーのコンバージョン率の違いの分析
Googleアナリティクスを活用すれば、コンバージョンユーザーが新規ユーザーなのか、あるいは訪問済みユーザーなのかを把握することができます。
コンバージョン率を向上させる場合、新規ユーザーと訪問済みユーザーのどちらに向けた施策を講じるのかによって、その内容は変化します。
よって、新規ユーザーと訪問済みユーザーそれぞれのコンバージョン率を切り分けて分析することはとても重要となります。
GAで広告流入を計測するには「UTMパラメータ」の設定も必要
GAで広告流入を計測する際、UTMパラメータの設定が必要となるケースがあります。これは、GAの初期設定では判別できない経路を、正しく判別可能とするのに必要な作業です。
前提:Googleアナリティクスの「UTMパラメータ」とは?
UTMパラメータとは、広告のURLに設置する文字列のことを指します。この文字列をあらかじめ広告のURLに付けると、GAで判別できるようになるため、より詳細に流入元を判別可能となります。
UTMパラメータの設置が必要な理由
GAは、基本的にGoogleが提供するサービス以外については、ややおおざっぱに分析してしまう傾向があります。よって、Google広告のデータであればGAで詳しく解析することが可能ですが、その他のWEB広告となると、利用する側が一定の調整を行なわなければならないのです。
仮にYahoo!のリスティングを運用していたとして、GAの初期設定では参照元/メディアは「yahoo/organic」となり、オーガーニック流入あるいは広告流入どちらであるかを見分けることが不可能です。
この状態だと広告流入を正しく把握して分析できないので、あらかじめYahoo!のリスティング広告のURLにUTMパラメータを付与します。こうすることで、Yahoo!のリスティング広告流入とオーガーニック流入を判別できるようになり、正しい広告流入を計測できるようになるのです。
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【シーン別】Googleアナリティクスで広告流入結果を分析する方法
ここからは、Googleアナリティクスを使ったさまざまなシーンにおける、広告流入の分析方法について解説していきます。
広告流入のみを確認する
リスティング広告やディスプレイ広告など、広告による流入のみを確認していきましょう。
この分析で得られる気づき
この分析によって、広告流入の現状を正確に把握できます。また、インプレッションやクリックに対してのコンバージョン率を理解することで、広告やランディングページの改善が必要かどうかの判断材料にもなります。
手順1:GAの「チャネル」を開く
Googleアナリティクスで、「集客」→「すべてのトラフィック」→「チャネル」を開きます。
手順2:広告流入となるチャネルを見分ける
上図の場合、「Paid Search」「Display」「Affiliates」が広告流入となります。
広告流入を確認する場合は、シンプルに流入数として「ユーザー」「セッション」などを見ることも必要ですが、同時に「直帰率」や「コンバージョン率」であったり、その他必要な指標があればあらかじめGoogleアナリティクスで設定して閲覧できるようにしましょう。
広告流入とオーガニック流入を比較する
次は広告流入とオーガニック流入を比較します。
この分析で得られる気づき
広告流入とオーガニック流入を比較することで、広告が全体の流入やコンバージョンに対してどれくらいの割合を占めているのかがわかります。
その結果次第で、さらに広告を増やすのか減らすのか、オーガニック流入を増やす対策が必要なのかといったことが判断できます。
手順1:GAの「参照元/メディア」を開く
Googleアナリティクスで、「集客」→「すべてのトラフィック」→「参照元/メディア」を開きます。
手順2:広告流入とオーガニック流入を見分ける
上図の場合、先ほど見た広告流入以外のものなので、「Direct」「Other」が広告流入以外の流入です。ただし、「Direct」はブックマークやアプリなどからの流入で、「Other」は流入元が不明なものとなるので、オーガーニック流入とはまた別物です。
正常なオーガニック流入の場合、Googleアナリティクス上には「Organic Search」と表示されていますので、こちらの数値を参考にします。
新規ユーザーと訪問済みユーザーのコンバージョンを比較する
最後は、新規ユーザーと訪問済みユーザーのコンバージョン比較です。
この分析で得られる気づき
新規ユーザーと訪問済みユーザーのコンバージョンを比較できれば、新規ユーザーがなぜコンバージョンしないのか、新規ユーザーと訪問済みユーザーのどちらを対象とした施策を実施すべきかといったことがわかります。
手順1:GAの「参照元/メディア」を開く
Googleアナリティクスで、「集客」→「すべてのトラフィック」→「参照元/メディア」を開きます。
手順2:セカンダリディメンションを直接セッションに切り替える
次に、セカンダリディメンションをクリックして、「直接セッション」を選択します。
手順3:新規ユーザーと訪問済みユーザーを分類する
セカンダリディメンションを直接セッションに切り替えると、流入元の右側に直接セッションが表示されます。「YES」は今回の流入元が判別できなかったため、前回の流入元を参照しています。
「NO」は流入元が判別できているアクセスです。つまり、「YES」のものは「前回の流入元がある=訪問済みユーザー」と認識できます。
例えば上図では、「Paid Search 」が2つありますが、「YES」はコンバージョン率が3.85%なのに対して「NO」はコンバージョン率が0.00%となっています。よって、「Paid Search」は訪問済みユーザーの方がコンバージョン率が高いという分析ができます。
WEB広告運用の効果を最大化するGA広告流入分析5つのポイント
さまざまなWEB広告を運用していく中で、Googleアナリティクスによる分析は非常に重要となります。そこで、こちらでは広告の効果を最大化するために、Googleアナリティクスによる広告流入分析を行う際のポイントを5つご紹介します。
- 広告流入の全体像を正確に把握する
- 広告ごとの効果を比較する
- ユーザーが広告に接触したことを評価する
- コンバージョンにつながった広告への最終接触を評価する
- コンバージョン率の高いユーザー属性を検証する
1.広告流入の全体像を正確に把握する
WEB広告運用を行っているのであれば、まずは広告流入の全体像を正確に把握することは必須です。
複数のWEB広告を運用している場合は特に、ざっくり広告流入という形ではなく、広告ごとにどれくらいの流入があるのか、どこからどれくらいコンバージョンが発生しているのかを把握しましょう。
また、各WEB広告の管理画面の数値と照らし合わせることもおすすめです。
2.広告ごとの効果を比較する
広告ごとの効果を比較して分析することも重要です。
広告を比較することで、もっとも効果が表れている広告、あまり効果のない広告などがわかります。その上で、さらに注力すべき広告、配信を停止すべき広告、改善が必要な広告などが見えてきます。
限られた広告予算をどの広告媒体により多く振り分けることが、コンバージョンの最大化につながるかを見極めるための判断材料を作りましょう。
3.ユーザーが広告に接触したことを評価する
広告の運用戦略や段階によりますが、ユーザーが広告に接触したことを評価する場面も必要です。
特に新商品や新サービス、期間限定のキャンペーンに関する広告などは、まずユーザーに認知させる必要がありますので、その場で直接コンバージョンしなかったとしても、広告に接触したことは評価できます。
また、場合によっては直接コンバージョンにつながらない広告であっても、最終的なコンバージョンへの貢献度(アトリビューション)が高い可能性もあります。
4.コンバージョンにつながった広告への最終接触を評価する
多くの場合は、コンバージョンにつながった広告への最終接触を評価しますので、どの広告から直接コンバージョンが多いかを評価・把握することも大切です。
商品やサービスの認知を目的とする広告の場合は、考え方が異なります。しかし、コンバージョンの最大化を考える場面では、やはり最終接触によるコンバージョンを重視する傾向にありますので、最終接触した広告をしっかりと把握することは必要です。
5.コンバージョン率の高いユーザー属性を検証する
「【シーン別】Googleアナリティクスで広告流入結果を分析する方法」でご紹介した新規ユーザーと訪問済みユーザーの見分け方を活用して、コンバージョン率の高いユーザー属性を把握します。
仮に新規ユーザーのコンバージョン率が低いのであれば、広告への初回接触でコンバージョンせず離脱してしまう原因を探り、改善できればコンバージョン数の最大化を図ることが可能です。
効率的にWEB広告を測定するなら広告測定ツールの利用もおすすめ
ここまでで、Googleアナリティクスを活用した広告流入の判別方法を解説してきました。Googleアナリティクスは無料のツールですが、非常に高度な分析が可能なツールなのでおすすめです。
しかし、一方で細かな設定や調整が必要であったり、分析方法についての公式マニュアルによる情報が少ないことから、初心者の方にとっては少々ハードルが高い方法でもあります。
よりわかりやすく、そして効率的にWEB広告の測定を行なうのであれば、広告測定ツールの利用もおすすめとなります。
広告測定ツールのメリット1.導入が簡単
Googleアナリティクスと違い、難しい設定などは不要で簡単に導入できます。使用するハードルが高いとなかなか導入に踏み切れないといったケースがありますが、広告測定専用のツールならがそういった懸念もなく、スムーズに活用できるメリットがあります。
広告測定ツールのメリット2.活用方法について質問できる
導入後の使用方法について、不明な点などを直接質問できるのも、広告測定ツールのメリットです。
Googleアナリティクスでは、わからないことがあってもGoogleに直接質問することが難しいですが、広告測定ツールであれば、サービス提供元へ質問することで回答を得られたり、おすすめの活用方法などを教えてもらうことも可能です。
広告測定ツールのメリット3.詳細な広告の分析機能を利用できる
Googleアナリティクスにも、詳細な分析方法は存在していますが、ある程度の知識がないと十分活用することができません。
これに対して、広告測定ツールはあらかじめ広告の分析に必要なテンプレートなどが用意されており、すぐに広告の詳細な分析ができるメリットがあります。
GoogleアナリティクスがWEBサイトのアクセス解析など幅広い用途なのに対し、広告測定ツールは広告の効果を比較分析するために特化したツールなので、広告の効果を見るためには最適なツールといえます。
WEB広告の効果を可視化するオススメの広告効果測定ツール
WEB広告の効果を可視化するおすすめの広告測定ツールをご紹介します。
Databeat Explore
Databeat Exploreは、さまざまなWEB広告の効果を可視化できるツールです。導入に際して初期費用はかからず、エンジニアスキルも不要です。複数のWEB広告を連携させれば、Databeat ExploreだけですべてのWEB広告の効果検証や分析を行なうことが可能となります。
WEB広告運用における「Databeat Explore」の3つの活用ポイント
WEB広告を運用する場面で、Databeat Exploreを活用するポイントは以下のようになります。
データ更新・集計作業工数の削減
Databeat Exploreは、各WEB広告とAPIなどを使って連携できます。これにより、広告運用データを自動で収集することが可能になります。
多くのWEB広告を運用していると、日々データの集計や更新のために、たくさんの管理画面へアクセスしてデータをエクスポートする作業が発生しますが、Databeat Exploreを導入してしまえばそのような工数は削減できます。
柔軟な出力フォーマットの活用
自動でDatabeat Exploreに集められたWEB広告のデータは、好みの形式で出力できます。ExcelやGoogleスプレッドシートをはじめ、各社のオペレーションに合わせた出力が可能なため、データの共有も容易になります。
Googleアナリティクスへ出力して、アナリティクスベースで広告の効果を検証したり、広告クリエイティブのサムネイルを出力して、クリエイティブの効果検証なども可能です。
データ可視化工数の削減
Databeat Exploreでは、広告データをわかりやすく分析するために、さまざまなテンプレートを用意しています。また、広告媒体ごとに異なる指標であっても、比較しやすいように統一して表示することが可能なため、広告同士の比較も簡単です。
さらに、BIツールやGoogleデータポータルへのデータ出力にも対応しています。
まとめ
Googleアナリティクスを使って広告を分析することにより、広告の効果をより詳細に把握することができます。
また、その分析結果は広告の効果を最大化するための指標として活用できます。ただし、Googleアナリティクスの機能を十分に活用するためには、それなりの知識も必要となるため、ややハードルが高い作業もあります。
もし、Googleアナリティクスの活用が難しいと感じた場合は、Databeat Exploreのような広告測定ツールを導入することで、より簡単に広告の計測や分析が可能となります。