BIツールにはさまざまなものがありますが、今回こちらの記事でピックアップするのはOSSのBIツールです。OSSのBIツールは、自由度の高いカスタマイズやコストをかけずに利用できるなど、多くのメリットがあります。
一方で、導入するには一定の知識や技術が必要なため、やや導入のハードルが高いといった一面もあります。このような特徴を踏まえて、OSSのBIツールについて詳しく解説していきます。
- 1 まずは押えておきたい「OSSのBIツール」の基礎知識
- 2 OSSのBIツールを導入する3つのメリット
- 3 OSSのBIツールを導入する3つのデメリット
- 4 OSSのBIツールの活用はこんな方におすすめ!
- 5 自社に合ったOSSのBIツールを上手に選ぶ3つのポイント
- 6 OSSのBIツールおすすめ7選!
- 7 企業で本格的に利用するなら有料のクローズドソースBIツールもおすすめ
- 8 有料のおすすめBIツール3選
- 9 まとめ
まずは押えておきたい「OSSのBIツール」の基礎知識
まずはBIツールの代表的な機能やOSSの特徴など、「OSSのBIツール」に関する基礎知識を押えていきましょう。
BIツールとは?
BI(ビジネスインテリジェンス)ツールとは、企業に蓄積されたデータの可視化やレポーティングを行うためのツールです。ドラッグ&ドロップベースの直感的な操作性を特徴としており、データソースと連携させれば、現場のユーザーが自在にデータを可視化できます。
ビジュアルに訴えるレポートを簡単に作成できることから、分析業務の現場では欠かせないツールの一つとなっています。
引用元:Apache Superset
BIツールの代表的な機能
BIツールの代表的な機能を3つ解説します。
- データの可視化、レポーティング機能
- 各種データソースとの連携機能
- 高度な分析機能
データの可視化、レポーティング機能
BIツールを使うと、ドラッグ&ドロップベースの直感的な操作で、データの集計やグラフ化、レポーティングの作業ができます。エンジニアや専門のアナリストでなくても、現場のユーザーが自ら使いこなせるように設計されていることが大きな特徴です。
可視化の手段としては、クロス集計表や円グラフ、棒グラフ、折れ線グラフなど基本的な表現はもちろん、バブルチャートや地図上のヒートマップなど、多岐にわたります。レポートのテンプレートが用意されているBIツールもあります。
その場合、ユーザーはBIツールとデータソースを連携させ、テンプレートを選ぶだけでレポートを作成できるため、分析業務の効率化に役立ちます。
引用元:Metabase
各種データソースとの連携機能
各種データソースとの連携機能を備えていることも特徴です。BIツール上で用意されているコネクタを使うことで、簡単に各種データソースと連携できます。データソースとの連携機能により、一度接続したデータについては、毎回のデータ取得作業が不要となります。
また、レポートをリアルタイムで自動更新することも可能です。BIツールを使わず、例えばExcelベースでレポートを作成する場合、分析のたびにデータの取得や貼り付けの手間がかかります。さらに、手作業によるミスが発生することもあるでしょう。
BIツールのデータ連携機能を活用することで、そのようなプロセスは全て自動化できるのです。ただし、連携可能なデータソースの種類や数は、製品により異なります。BIツールの選定にあたっては、自社で扱っているデータソースとの連携機能が用意されているか、確認するようにしましょう。
引用元:Kibana
高度な分析機能
BIツールによっては、データの可視化やレポーティングだけでなく、予測分析やシミュレーションといった高度な分析機能もサポートされています。従来は高度な分析はRやPythonなど、分析用のプログラミング言語のスキルがなければ実施できませんでした。
しかしBIツールの進化により、ユーザーはアルゴリズムを選ぶだけで、予測分析やシミュレーションを実施できるようになっています。例えば、過去のデータから将来の売上や広告費の最適配分をシミュレーションするといったことも、BIツール上で行えます。
引用元:Tableau
オープンソース(OSS)BIツールとは?
オープンソースとは、ソフトウエアの開発元によりソースコードが公開されているという意味です。したがって、OSSのBIツールとは、開発元によりソースコードが公開されているBIツールを指します。
OSSのBIツールでは、製品のソースコードにアクセスし、一定の範囲内で機能を改良したり、追加したりといったことが許可されています。そのため、デフォルトで用意されていない機能が欲しい場合は、自社用にカスタマイズすることができるのです。
ただし、カスタマイズにあたってはソースコードを読み解き、必要な編集を加えるためのエンジニアスキルが求められます。
オープンソースとクローズドソースの違い
クローズドソースとは、オープンソースとは反対の意味です。つまり、クローズドソースの製品のソースコードは厳重に保護されており、そこにアクセスして内容を編集できるのは、開発元に限定されます。
ベンダー各社から提供されている有料BIツールの多くは、クローズドソースに該当します。クローズドソースのBIツールを使用する場合は、基本的にはデフォルトで用意された機能の範囲内で分析業務を行うことになります。
OSSのBIツールの費用相場
OSSのBIツールの多くは、無料で利用できます。製品によっては、ベンダーのサポートがつく有料版が用意されている場合もあります。それでもサーバー単位の課金で利用者数に応じて大きな金額にはならないなど、総じてクローズドソースの有料BIよりは低コストで利用できます。
クローズドソースの有料BIの場合、費用は製品により異なりますが、例えばTableauを使う場合1ユーザーあたり年間5~10万円程度の費用がかかります。部署や事業部など、組織内で広く利用する場合は、年間数百万円単位の投資額となってくるでしょう。
無料のOSSのBIツールを利用する際の注意点
無料のOSSのBIツールを利用する際の注意点を3つ解説します。
- 機能が制限されている場合がある
- トライアル期間が終了すると有料になる
- 導入にあたり一定の技術力が必要
1.機能が制限されている場合がある
機能制限により、組織的な活用が難しい場合があります。例えば利用可能人数が限られていると、部署や会社単位での活用はできません。扱えるデータ量が少ない場合も、組織内で大規模に展開することは難しいでしょう。
また、実施できる分析の機能が制限されている場合もあります。例えば、データの可視化やレポーティングは実施できるものの、予測分析やシミュレーションの機能は制限されるといったケースです。ビジュアライゼーションだけでなく、シミュレーションなども実施したい場合は、機能制限がかかっていないか要確認となります。
2.トライアル期間が終了すると有料になる
トライアル期間が設けられている場合は、期間が終了すると有料となるため注意が必要です。有料版に移行しなければ、利用自体が終了してしまいます。トライアル期間の日数を確認し、その期間内で計画的に機能検証を完了させることが重要となります。
3.導入にあたり一定の技術力が必要
無料のOSSのBIツールには、インストーラーは用意されていない場合が多いです。そのため、自らコマンドを操作してクライアントやサーバーにツールをインストールしなければなりません。つまり導入にあたってはシステムに関して一定の技術が求められます。
ITスキルがそこまで高くないユーザーが、すぐに使い始めることは難しいでしょう。OSSのBIツールを導入する際は、社内のエンジニアのリソースを確保できるか要確認となります。また、サポート体制もないため、運用後の不明点なども基本的に自力で解決しなければならない点にも注意が必要です。
OSSのBIツールが効果を発揮するシーン
OSSのBIツールが効果を発揮するシーンとして、自社のニーズに合わせて機能をカスタマイズしたいときが挙げられます。さまざまなBIツールの調査をしてみたものの、自社で扱うデータや分析のニーズにストレートに応える製品が見つからないこともあり得ます。
そのようなケースでは、OSSのBIツールをベースとして、自社用に機能をカスタマイズすることが有力な選択肢となるでしょう。OSSであればソースコードにアクセスして機能の改良や追加ができるため、自社にぴったりフィットするツールを入手できる可能性があります。
OSSのBIツールを導入する3つのメリット
OSSのBIツールを導入する3つのメリットを解説します。
- 機能のカスタマイズが可能
- 低コストでの利用が可能
- 高度な分析も可能
メリット1:機能のカスタマイズが可能
ソースコードが公開されているため、自社ニーズに合わせて機能をカスタマイズできます。ソースコードを読み解き、必要な編集を加えるためにはプログラミングのスキルが必要とされますが、自社向けに使い勝手の良さを追求できる余地があることは、大きなメリットです。
メリット2:低コストでの利用が可能
OSSのBIツールの多くは、無料で利用できます。ツールによっては有料版も用意されていますが、ベンダーが提供するクローズドソースの製品よりは低コストで利用できるケースが多いです。
メリット3:高度な分析も可能
予測分析やシミュレーションなど、可視化やレポーティングから一歩進んだ高度な分析機能を備えたOSSのBIツールも多く存在します。有料製品の無料バージョンでは機能が制限されていることが多い一方、OSSなら無料または低コストで高度な分析が実施できるというメリットがあります。
OSSのBIツールを導入する3つのデメリット
OSSのBIツールを導入する3つのデメリットを解説します。
- 手厚いサポートはない
- 使いこなすためにはある程度の技術力が必要
- 日本語非対応の製品が多い
デメリット1:手厚いサポートはない
OSSのBIツールには、ベンダーが提供する有料製品のような手厚いサポートはありません。そのため運用の過程で何か問題が起こった場合も、基本的には自力で解決することが求められます。例えば疑問点があれば、以下のようにその都度調査が必要です。
- 公式のドキュメントを読み解く
- Webで関連情報を調べる
- ツールのコミュニティで質問する
このような対応が、ユーザーにとっての負担となってしまうことも考えられます。
デメリット2:使いこなすためにはある程度の技術力が必要
OSSのBIツールを本格的に導入する場合は、分析環境や運用体制をすべて自前で構築する必要があります。そのため、相応のエンジニアリング力を自社で備えていることが前提となります。有料版のBIツールでは導入や運用にあたって専門家のサポートを受けられるため、ここは大きな違いです。
また、ツールによっては、データソースから分析用のデータを取得するにあたり、SQLのスキルが必要となる場合もあります。OSSのBIツールは、ITスキルがあまり高くないユーザーにとっては、やや敷居の高さを感じさせる場合が多いです。
デメリット3:日本語非対応の製品が多い
OSSのBIツールの多くは、海外発の製品です。そのため、中には日本語対応しているツールはあるものの、多くのツールは英語表記となります。また、公式ドキュメントも基本的には英語で提供されています。
英語がある程度読めれば問題ありませんが、日本語対応を必須とする場合は、画面表示を日本語化する改修を行ったり、ドキュメントを日本語化したりするなど、多くのコストがかかってしまいます。
OSSのBIツールの活用はこんな方におすすめ!
OSSのBIツールの活用は、以下のような方におすすめできます。
- 自社独自の機能をカスタマイズしたい
- コストを抑えて導入したい
- 自社に技術力がある
1.自社独自の機能をカスタマイズしたい
OSSのBIツールは、製品のソースコードが公開されています。そしてソースコードにアクセスし、一定の範囲内でコードの改良や追加を施すことが許可されています。つまり、デフォルトでは存在しない機能を、エンジニアが実装することでツールに搭載できるのです。
このような自由度の高さはOSSのBIツールならではのため、自社で独自の機能を作り込み、使い勝手の良さを追求したい方にはおすすめです。それを実現するための技術力やリソースは確保しなければなりませんが、既存のツールで満足のいく製品が見つからない場合には、OSSのBIツールが有力な候補となります。
2.コストを抑えて導入したい
OSSのBIツールの多くは無料、または低コストで利用できます。ベンダーが提供する有料版のBIツールは機能やサポートが充実しているものの、コストが高くなる傾向があります。特にライセンス数ベースでの課金の場合、使う人数が増えれば増えるほど大規模な投資が必要となってきます。
それに比べると、OSSのBIツールは基本的な機能は備えながらも、コストは抑えられる場合が多いです。コスト負担が課題となっている場合は、OSSのBIツールを検討してみましょう。
3.自社に技術力がある
機能を自社用にカスタマイズできる自由度があり、コストも抑えられるOSSのBIツールですが、技術力が高いほどそのメリットは享受しやすいです。カスタマイズにあたり、オープンソースを読み解き、編集できるだけのプログラミングスキルが求められるためです。
またOSSのBIツールでは、ベンダーの製品のように手厚いサポートは期待できません。そのため、環境構築や導入は自前で行う必要があります。運用上の問題への対応も、ドキュメントを読み込んだりコミュニティで質問したりするなど、自力での解決が基本となります。
自社にある程度の技術力や分析のリテラシーがあれば、OSSは低コストで高度な分析もできるメリットを享受できるため、おすすめです。
自社に合ったOSSのBIツールを上手に選ぶ3つのポイント
数あるOSSのBIツールから、自社に合った製品を選ぶための、3つのポイントを解説します。
- 利用目的を明確化する
- カスタマイズ可能な範囲を確認する
- 実際に使い勝手を検証する
POINT1:利用目的を明確化する
まずは、利用の目的や用途を明確にしましょう。それらがクリアであるほど、ツール選定の精度も高まります。例えば導入の対象は、部署や事業部など組織単位でしょうか、それとも少人数のチームでしょうか。もし組織単位での導入が前提であれば、利用可能人数が多く、ユーザー管理機能が充実している必要があります。
また、分析結果をスムーズに共有できる仕組みも必要でしょう。必要な分析機能のレベルも想定が必要です。データの可視化やレポーティングができればよいのか、それとも予測やシミュレーションも必須なのかによって、選ぶべきツールも変わってきます。
さらには、利用者のITスキルも重要です。ある程度ITスキルが高いメンバーが揃っているなら、コーディングが一部必要となるツールでも問題ありません。一方、ITスキルがあまり高くないメンバーの利用も想定するなら、例えばクエリビルダ機能など、SQLを使えなくても分析用のデータを抽出できる機能があった方が望ましいでしょう。
POINT2:カスタマイズ可能な範囲を確認する
OSSのBIツールの大きな特徴は、ソースコードにアクセスして自社用に機能のカスタマイズができるところです。ただし、製品によりカスタマイズ可能な範囲はさまざまです。自社でカスタマイズのニーズがある場合、まずは開発元が公表しているドキュメントを確認しましょう。
そこで、想定している機能の改良や追加が可能かどうか事前に検証しておく必要があります。
POINT3:実際に使い勝手を検証する
ツールの選定にあたっては、机上の検討だけでなく実際に使ってみることが重要です。OSSのBIツールはどれも無料で試せるため、候補として検討中の複数のツールをインストールして、実際に使ってみましょう。
そこで利用ニーズと機能のギャップが少なく、かつ使い勝手が最もよかったツールを選ぶのがおすすめです。
OSSのBIツールおすすめ7選!
おすすめのOSSのBIツールを7つピックアップし、特徴を解説してきます。OSSのBIツールの導入を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
OSSのBIツール比較まとめ表
OSSのBIツールは無料または低コストで導入でき、かつカスタマイズの自由度が高いことが魅力です。その前提があるうえで、製品ごとにデータ連携機能やシミュレーション機能、導入のしやすさなど強みがあります。
以下でご紹介する各製品の特徴を参考に、自社のニーズに合ったツールを選んでいただければと思います。
ツール名 | 特徴 | こんな方にオススメ! |
Metabase |
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Grafana |
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Kibana |
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Graylog |
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Re:dash |
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Apache Superset |
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Pentaho |
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1.Metabase
引用元:Metabase
Metabaseは、Metabaseプロジェクトによって開発されているOSSのBIツールです、
ツールの特徴
MetabaseはJavaで開発されたアプリケーションであり、jarファイルをダウンロードして起動するだけですぐに使い始められます。OSSのBIツールはサポートがないことが多いため、インストールが簡単なことは大きなメリットです。
また、クエリビルダ機能を備えており、SQLのスキルがなくても分析用データの取得がしやすくなっています。一方、SQLを使えるユーザーにとっても、SQLの入力補助機能があり使い勝手がよいです。
データ連携機能としては、MySQL、PostgreSQL、Oracle、SQLiteなどのリレーショナルデータベースを中心に12種類のデータソースと接続できます。LDAPやActiveDirectoryとも連携し、ユーザー認証が可能です。
ユーザー管理機能も備えており、ユーザーやグループごとにデータソースへのアクセス権を設定できます。
費用
基本的な分析機能は無料で利用できます。一方で、Metabaseには有料版も別途用意されています。SAMLやJWTを利用したシングルサインオンや監査機能など、組織での活用で役立つ機能は有料版のみの提供です。
有料版の費用は非公開のため、詳細は公式HPよりお問い合わせください。
こんな方におすすめ!
少ない手間で導入し、すぐに使い始めたい方におすすめです。Metabaseはインストールが容易なツールであるためです。また、ITスキルがそれほど高くないメンバーの利用を想定している場合もおすすめです。
クエリビルダ機能により簡単にデータ抽出ができます。
URL
2.Grafana
引用元:Grafana
Grafana Labsが提供するOSSのBIツールです。
ツールの特徴
Grafanaはデータの可視化、ダッシュボード作成に特化したBIツールです。データ連携機能が充実しており、30種類以上のデータソースと接続できます。MySQLやPostgreSQLなど代表的なリレーショナルデータベースはもちろん、MongoDBなどのNoSQLや全文検索エンジンのElasticsearchとも連携可能です。
Zabbixなど監視ソフトウエアのデータとも連携し、可視化できるのも特徴となります。LDAPとActiveDirectoryとも連携し、ユーザー認証が可能です。ユーザー管理機能もあり、ユーザーやグループに応じたダッシュボードの表示や、データソースへのアクセス権設定ができます。
費用
Grafanaは無料で利用可能です。ただし、以下のプランは有料での提供となります。
- Grafana Cloud Pro:$49/月+使用量
- Grafana Cloud Advanced:お問い合わせ
こんな方におすすめ!
幅広いデータソースと連携し、それらの可視化をメインの用途として想定している方にはおすすめです。
URL
3.Kibana
引用元:Kibana
Kibanaは、ビッグデータ解析ツールを提供するElastic社が提供するOSSのBIツールです。
ツールの特徴
全文検索エンジンであるElasticsearchとの連携に特化したBIツールです。Elasticsearchとスムーズに接続し、Elasticsearchのデータを可視化したい場合に最適です。また表示可能なビジュアルの種類も豊富にあり、特に時系列の分析がしやすくなっています。
LDAPとActiveDirectoryとも連携し、ユーザー認証が可能です。
費用
Kibana自体は無料で利用できるBIツールです。ただし、KibanaはElasticsearchとセットで使うことが一般的です。そのため、KibanaとElasticsearchを連携させると、Elasticsearch側で以下の料金が発生します。
- スタンダード:$16/月(約1,760円/月)
- ゴールド:$19/月(約2,090円/月)
- プラチナ:$22/月(約2,420円/月)
- エンタープライズ:$30/月(約3,300円/月)
別途、14日間の無料トライアル期間が設けられています。
こんな方におすすめ!
ビッグデータの解析でElasticsearchを使っている方には、Kibanaがおすすめです。Kibanaは、Elasticsearchと組み合わせた活用に最適化されているためです。
URL
https://www.elastic.co/jp/kibana/kibana-dashboard
4.Graylog
引用元:Graylog
Graylogは、Graylog社が提供するオープンソースのBIツールです。
ツールの特徴
バックエンドにビッグデータ解析用の全文検索エンジンである、Elasticsearchが採用されています。そのため、収集した大量のデータを高速に解析できる特徴があります。データのリアルタイムでの可視化も可能です。
LDAPやActiveDirectoryとも連携し、ユーザー認証も行えます。また、ユーザーやグループ毎にデータソースへの権限の設定もできます。
費用
個人や少人数での利用を想定した「OPEN」、「SMALL BUSINESS」は無料で利用できます。一方、組織展開を前提としてサポートもつく「ENTERPRISE」、「CLOUD」は有料となります。有料版の料金は非公開のため、詳細は公式HPよりお問い合わせください。
こんな方におすすめ!
高速なデータ処理やリアルタイム分析を重視する方にはおすすめできます。Elasticsearchという高性能な分析エンジンがベースとなっているためです。
URL
5.Re:dash
引用元:Re:dash
Re:dashは、Re:dash社が提供するOSSのBIツールです。
ツールの特徴
Re:dashは連携可能なデータソースが50種類以上と、OSSのBIツールとしては非常に多いのが特徴です。MySQLやPostgreSQL等のリレーショナルデータベースはもちろん、ElasticsearchやBigQuery、Auroraなど幅広いデータソースとの接続がサポートされています。
一方で、導入や環境構築には一定の技術力が求められます。Dockerのイメージが配布されているのみのため、コンテナ型仮想化への知見が必要となります。また、クエリビルダなどの機能はなく、分析用のデータ抽出にあたりSQLのスキルが求められる場面もあります。
ユーザー管理については、データソース単位での閲覧や編集の権限設定はできるものの、ユーザー単位での細かい権限設定はサポートされていません。
費用
Re:dashは無料で利用できるOSSのBIツールです。
こんな方におすすめ!
分析対象として扱いたいデータソースの種類が多い方にはおすすめです。Re:dashは、連携可能なデータソースの幅広さが大きな特徴です。一方で、環境構築や導入、運用には一定の技術力が必要となります。
そのため、システムに関する知識や分析のリテラシーがある程度高いチームでの利用に向いています。
URL
6.Apache Superset
引用元:Apache Superset
Apache Supersetは、Airbnb社が開発していたBIツールです。現在はApache財団のIncubatorプロジェクトのもと、開発が続けられています。
ツールの特徴
Apache Supersetは、ビジュアル化の種類が豊富なBIツールです。円グラフや棒グラフ、折れ線グラフなど基本的なグラフはもちろん、サンキーダイアグラムやツリーマップ、地図上のヒートマップなど多彩な表現手段が用意されています。
また、直感的な操作性に定評があり、SQLのスキルがなくても一通りのビジュアライゼーションが可能です。
費用
Apache Supersetは、無料で利用できるOSSのBIツールです。
こんな方におすすめ!
ビジュアル化の種類が豊富で、操作性の高いBIツールを使いたい方におすすめです。
URL
7.Pentaho
引用元:Pentaho
Pentahoは、もともとはPentaho社が開発していたOSSのBIツールです。同社は現在買収され、日立ヴァンタラ社の傘下に入っています。
ツールの特徴
Pentahoには高度なシミュレーション機能が搭載されています。Wekaプロジェクトをベースとしており、クラスタリングや主成分分析、ランダムフォレストといった多彩な機械学習の手法を活用できます。
また日立グループが提供しており、日本語表記です。日本人には使いやすいOSSのBIツールといえます。なお、有料版を購入すればベンダーのサポートを受けられます。
費用
「コミュニティ・エディション」は無料で利用できますが、ベンダーのサポートが受けられる「エンタープライズ・エディション」は有料となります。有料版はサーバー単位の課金となります。そのため利用者数と比例して料金が増える一般の有料BIツールと比較すると、コストを抑えやすいです。
有料版の費用は非公開のため、詳細は公式HPよりお問い合わせください。
こんな方におすすめ!
データの可視化やレポーティングだけでなく、低コストで機械学習も活用したい方におすすめです。
URL
https://www.hitachi.co.jp/products/it/bigdata/platform/pentaho/index.html
企業で本格的に利用するなら有料のクローズドソースBIツールもおすすめ
BIツールを企業で本格的に利用するなら、有料のクローズドソースBIツールもおすすめです。有料のクローズドソースBIでは、充実した分析機能や、手厚いサポートを享受できます。
クローズドソースの有料BIツールを利用する3つのメリット
クローズドソースの有料のBIツールを利用するメリットを3つ解説します。
- 手厚いサポートを受けられる
- 組織的な活用に適している
- 分析やデータ連携の機能が充実
メリット1.手厚いサポートを受けられる
有料製品ならではの手厚いサポートが受けられるのが大きなメリットです。ツールの導入や環境構築にあたってもサポートを受けられるため、利用をスムーズに開始できます。また運用中に問題が起こったり、不明点が出た場合もサポートを受けられるので安心です。
ITスキルがそれほど高くないメンバーも含め、BIツールを組織的に活用していくならサポート体制はかなり重要な要素です。
メリット2.組織的な活用に適している
有料版のBIツールは、組織的な活用を前提につくられています。そのため、大人数での利用や、大容量のデータ利用がサポートされている製品が多いです。無料版の製品は人数やデータ量を制限されていることが多いですが、それでは組織への展開は困難です。
また、分析結果の共有もスムーズに行えます。例えば、Webブラウザやスマホのアプリにアクセスすれば、組織内の誰でもすぐにレポートを確認できるといった仕組みが整っています。データの迅速な共有ができなければ結局使われなくなるため、共有機能が整っていることも大きなメリットとなります。
有料版のBIツールはセキュリティに強い設計となっているため、機密性の高いデータを扱う際も安心です。
メリット3.分析やデータ連携の機能が充実
直感的な操作によるビジュアライゼーションやレポーティングはもちろんのこと、有料版BIツールの多くは予測分析やシミュレーションなど、高度な分析機能も備えています。ユーザーが手法を選択するだけで、売上予測や広告費の最適配分などシミュレーションが実施できることは魅力的です。
また、各製品ともデータ連携機能が充実しています。簡単なセッティング作業のみで、100種類以上のデータソースと連携できる製品も多く、かつリアルタイムでのダッシュボード更新が可能です。
有料のおすすめBIツール3選
有料のおすすめBIツールを3つピックアップして、特徴を解説します。有料BIツールの導入を検討中の方はぜひ参考にしてください。
有料のおすすめBIツール比較まとめ
有料BIツールは、データの可視化やレポーティングはもちろん、予測やシミュレーションなど高度な分析機能も備えています。また有料ならではの手厚いサポートがあるため、スムーズに導入、運用ができます。
ツール名 | 特徴 | こんな方にオススメ! |
Databeat Explore |
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Tableau |
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SAP Business Objects |
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1.Databeat Explore
引用元:Databeat Explore
Databeat Exploreは、マーケティングテクノロジーの企画・開発・運営を行っているアジト株式会社が提供するBIツールです。
ツールの特徴
Databeat Exploreは、広告運用結果の可視化やレポーティングに特化したツールです。非常に幅広い広告媒体とのデータ連携が可能となっており、見える化に役立つテンプレートが無料で提供されています。
また、Databeat Exploreはデータ出力機能も充実しており、ExcelやGoogleスプレッドシートはもちろん、BIツールやGoogleアナリティクスへのデータ出力も可能です。
費用
プラン | 月額費用 |
アカウント数課金プラン | 広告アカウント数×330円 |
広告費課金プラン | 広告費×0.3% |
こんな方におすすめ!
Databeat Exploreは、多数の広告媒体の運用を行っている方におすすめです。Databeat ExploreはAPIによって連携対象の広告媒体のデータを自動収集するため、広告のデータ管理効率が大幅に高まります。
さらに、自動で作成されるレポートは、指標を統一する形で整備されているため、媒体同士の比較も容易に行えるのです。
「広告運用」「マーケティング施策」のパフォーマンス分析をするのに欠かせないのがレポートツールです。レポートツールには多くの種類があり、活用方法によっては自社にとって有益な情報を得ることもできます。 しかし、レポートツールを導入する上で[…]
2.Tableau
引用元:Tableau
Tableauは、アメリカのTableau社が開発したBIツールです。日本における製品の販売、サポートはTableau Japan社が担当しています。
ツールの特徴
Tableauは、世界的に最も普及している代表的なBIツールの一つです。鮮やかなビジュアルを直感的な操作で次々に作成できるため、探索的な分析が非常にはかどります。SQL ServerやMySQL、Oracle、Google系のサービスをはじめ、数百を超えるデータソースとの連携機能が提供されています。
またそれらのデータをダッシュボード上でリアルタイムで更新することも容易です。
費用
料金プラン | 料金 |
Creator | 102,000円/12カ月 |
Explorer | 51,000円/12カ月(Server) 60,000円/12カ月(Online) |
Viewer | 18.000円/12カ月(Server) 22,000円/12カ月(Online) |
こんな方におすすめ!
多彩なビジュアライゼーションを直感的な操作で実現し、スムーズに探索的な分析を行いたい方におすすめです。優れたユーザーインターフェイスや幅広いデータソースとの連携性の高さなどから、組織的に展開したい場合にも向いています。
URL
3.SAP Business Objects
SAP Business Objectsは、ERPベンダーとして有名なSAP社が提供するBIツールです。
ツールの特徴
SAP Business Objectsは、高度な分析機能を備えています。つまりデータの可視化やレポート化だけでなく、データ同士の関連性の発見や、過去の実績からの将来予測といったシミュレーションでも力を発揮します。
このような高度分析を、ユーザーが分析手法を選択するだけで試すことができます。また、ユーザーのアクセスログの管理機能など、IT統制にかかわる機能が充実しているのも大きな特徴です。
費用
有料版の費用は非公開のため、詳細は公式HPよりお問い合わせください。
こんな方におすすめ!
データの可視化だけでなく、シミュレーションにも取り組みたい方にはおすすめです。そして、ユーザーのログ管理など、IT統制を重視する場合も有力な選択肢となります。
URL
https://www.sap.com/japan/products/bi-platform.html
まとめ
OSSのBIツールは、一般的なBIツールと同様の機能を備えており、なおかつカスタマイズができる、安く利用できるなどの利点があります。ただし、機能に制限があったり、導入が難しいなどのデメリットもありますので、自社の環境を踏まえて導入を検討しましょう。
本記事では、OSSのBIツール以外に有料のBIツールも紹介していますので、それぞれのツールの特徴を理解し、自社に合ったBIツールを利用してみてください。