アフィリエイト広告は、発生した成果に応じて広告費を支払う料金形態の広告なので、企業が低リスクで導入できるマーケティング手法として多く利用されています。
ただ、その成果(コンバージョン)については、ASPの管理画面でしか把握していないというケースも多くなっています。
そこで今回こちらの記事では、アフィリエイト広告のコンバージョン測定方法について、詳しく解説して行きたいと思います。
アフィリエイト広告の「コンバージョン」に関する基礎知識
まずはじめに、アフィリエイト広告のコンバージョンとはどういう仕組みなのかなど、基礎知識について見ていきましょう。
アフィリエイト広告における「コンバージョン」とは?
アフィリエイト広告のコンバージョンとは、サイトやブログを訪問したユーザーがアフィリエイト広告をクリックして「商品を購入」、または「サービスの申込み」をした状態を指します。
あくまで「購入」や「申込み」が成果地点なので、アフィリエイト広告をクリックしたり表示されただけではコンバージョンとはみなしません。
アフィリエイト広告の平均コンバージョン率(CVR)
一般的なWEB広告の平均CVRは1~2%程と言われており、アフィリエイト広告の平均CVRは3%程度と言われています。
これはあくまで一般的な数字であり、取り扱う業種や広告の手法などによって大きく変わります。例えば検索されるキーワードが一般ワードの場合と指名ワードの場合でも大きく差があり、指名ワードによるCVRは10%程度まで上昇する場合もあります。
アフィリエイト広告については、商品についてLPにはない情報をさらに詳しく解説していたり、商品比較やレビューなどによって紹介されることが多いため、平均よりも若干CVRが高くなる傾向があります。
アフィリエイトのコンバージョン計測の仕組み
アフィリエイト広告のコンバージョンの仕組みは、大きく分けて2種類あります。「トラッキングタグ型」と「ソケット通信型」です。それぞれどのような仕組みなのか見てみましょう。
トラッキングタグ型
トラッキングタグ型は、アフィリエイト広告に限らず多くの広告で用いられている計測方法です。ユーザーが広告をクリックした際にCookieを付与して、そのCookieを保有したユーザーが商品の購入や申込みをするとコンバージョンとして計測される仕組みです。
ソケット通信型
ソケット通信型は、広告経由でユーザーがランディングページを訪れた際に、個別のパラメータを付与します。このパラメータを保有した状態で商品の購入や申込みをされるとコンバージョンとなる仕組みです。
アフィリエイト広告におけるコンバージョン計測の重要性
アフィリエイト広告のコンバージョン計測を行うことの重要性について、3つのポイントに分けて解説します。
1.実売数とコンバージョン数の乖離を見つける
アフィリエイト広告のコンバージョン数と、実売数に乖離が出るケースがあり、これを発見するためには正しい計測が必要です。
アフィリエイト広告のコンバージョン数が10件なのに対し、自社のデータベースでは5件しか実売数がない、というような場合は、もしかしたらアフィリエイト広告のコンバージョンは重複している可能性があります。
アフィリエイト広告のコンバージョンが重複していると、その分成果報酬や手数料を多く支払っていることになります。原因は他にもいろいろ考えられますが、まずはコンバージョン数と実売数に乖離がないかを調査し、乖離があった場合には原因を探ることが重要です。
こうした作業は、アフィリエイト広告のコンバージョン数を正しく測定していなければ実施できません。
2.トラッキング漏れを防止する
アフィリエイト広告では、希に「トラッキング漏れ」が発生します。トラッキング漏れとは、アフィリエイト広告経由で商品の購入や申込みを行ったにもかかわらず、コンバージョンとしてカウントされていない状態を指します。
トラッキング漏れが発生すると、広告を掲載しているアフィリエイターはせっかく商品を紹介したにもかかわらず、成果報酬を受け取ることができません。
広告主の立場からすると、広告費の支払いなしで商品が売れるので一見プラスに見えますが、トラッキング漏れが頻発するとアフィリエイターからの信用がなくなってしまい、アフィリエイト広告の運用自体が危うくなりかねません。
よって、トラッキング漏れをいち早く発見し、原因を突き止めて修正を行なう必要があり、そのためにはコンバージョン測定が欠かせないのです
3.ユーザーの行動を把握する
アフィリエイト広告は、広告から成果が上がったらその分だけ費用を支払うという、非常にシンプルな構造です。
しかし、広告運用するにあたっては、ただコンバージョンの数だけを追っていてはいけません。コンバージョンに至ったユーザーの行動や、サイトを訪問したにもかかわらずコンバージョンしなかったユーザーの行動など、ユーザーの動向を深く分析していく必要があります。
そして、分析したデータを元にランディングページの改善や、広告クリエイティブの改善を行なうことで、クリック率やCVRの向上を目指します。
このようなPDCAを回すためにも、コンバージョン測定は重要なポイントとなります。
アフィリエイト広告のコンバージョン測定の設定手順をわかりやすく解説
ここからは、実際にアフィリエイト広告のコンバージョン測定の設定方法や、手順について解説していきます。
今回説明するアフィリエイト広告のコンバージョン測定の方法
アフィリエイト広告のコンバージョン計測方法はいろいろありますが、今回こちらでご紹介するのは、Googleアナリティクスを使った計測方法です。
Googleアナリティクスは、無料で利用できますが非常に高度な計測にも対応しているため、おすすめのツールの一つです。
ランディングページの運用やWEB広告の運用を行なっている場合は、ご利用中の方も多いかと思いますので、ぜひアフィリエイト広告のコンバージョン測定にも活用してみてください。
アフィリエイト広告のコンバージョン測定の設定手順まとめ
- 手順1:Googleアナリティクスへログイン
- 手順2:新しい目標の作成
- 手順3:目標設定
- 手順4:目標の説明
- 手順5:目標の詳細
手順1:Googleアナリティクスへログイン
引用元:Googleアナリティクス
はじめに、Googleアナリティクスの目標設定を行ないます。画面左下にある「管理」をクリックして、管理メニューが表示されたら「ビュー」の「目標」を選択します。
手順2:新しい目標の作成
引用元:Googleアナリティクス
目標の画面では、「+新しい目標」をクリックします。
手順3:目標設定
引用元:Googleアナリティクス
新しい目標作成画面です。こちらでは、あらかじめ用意されているテンプレートを利用、もしくはカスタムで目標に関する詳細設定を行ないます。
今回は、アフィリエイト広告のコンバージョン計測を行なうために利用するので、「カスタム」を選択して「続行」をクリックします。
手順4:目標の説明
引用元:Googleアナリティクス
目標の説明では、目標名とタイプを決めます。目標名はわかりやすい名前にするのがおすすめです。また、タイプは「到達ページ」を選択します。
手順5:目標の詳細
引用元:Googleアナリティクス
到達ページには、ランディングページで購入や申込みが完了した際に表示される「サンクスページ」のURLを入力します。
また、その下にある「目標到達プロセス」には、例えば申込みフォームの途中のページURLを入力すると、申込みフォームの途中で離脱したユーザーが、どこのページで離脱したかを計測することが可能となります。
アフィリエイト広告のコンバージョン測定結果の確認手順をわかりやすく解説
Googleアナリティクスでアフィリエイトのコンバージョン計測設定が完了したら、次は実際にコンバージョンの計測方法を見ていきましょう。
アフィリエイト広告のコンバージョン測定結果の確認手順
引用元:Googleアナリティクス
Googleアナリティクスの左側にあるメニューで、「集客」→「すべてのトラフィック」→「チャネル」へ進みます。
ここで表示されるには、流入元別のデータです。画面右側の赤枠の中が、目標で設定したコンバージョンに関する数値です。目標が複数ある場合は、「コンバージョン」のプルダウンで目標を選択することが可能です。
目標で設定した内容に対して、コンバージョン率とコンバージョン数が表示されます。また、目標設定の際にコンバージョン単価を設定すると、金額を表示させることもできます。
アフィリエイト広告のコンバージョンを最大化するための3つの運用ポイント
アフィリエイト広告のコンバージョン測定方法を解説してきましたが、最終的な目標はコンバージョン数の最大化です。そこで、アフィリエイト広告のコンバージョンを最大化させるための3つの運用ポイントを解説します。
- 適切な予算を設定する
- 自社にマッチするASPを選ぶ
- ランディングページのクオリティを向上させる
1.適切な予算を設定する
アフィリエイト広告では、アフィリエイターへの成果報酬とASPへの手数料が基本的な支出となりますので、コンバージョンで得られる売上に対してどれくらいの予算を組むかどうかが重要となります。
あまり予算を抑えすぎると、広告の露出が少なくなってしまって広告の効果が薄れてしまいますが、逆に予算をかけすぎるとコンバージョンしても利益が出なくなってしまいますので、バランスを考えた予算配分が必要です。
アフィリエイト広告は、さまざまなWEB広告の中でも「成果報酬型」の広告ということで、費用対効果の高い運用が目指せることから、多くの企業が活用しています。 また、多くのメディアに掲載することで認知度向上などの効果も期待できるアフィリエイ[…]
2.自社にマッチするASPを選ぶ
アフィリエイト広告は、自社の商材に適したASPを選ぶことも大変重要です。
ASPによっては、得意な業種があったり、手数料などの費用にも差があります。扱う商材や予算に合わせて最適なASPを選べば、コンバージョンの最大化が目指せるでしょう。
アフィリエイト広告は、費用対効果の高い広告運用や、リスクの少ない広告運用が可能なマーケティング手法のひとつです。 すでに、多くの企業がアフィリエイト広告を導入しており、アフィリエイト市場規模は3,000億円以上とも言われています。 […]
3.ランディングページのクオリティを向上させる
最終的にコンバージョンするかどうかは、ランディングページ次第なので、ランディングページのクオリティを向上させることは必須です。
いくらアフィリエイターが送客してくれても、ランディングページに問題があればコンバージョンせず離脱するユーザーが増えてしまいます。
ランディングページのCVRは常にデータを分析して、改善を進めて行くようにしましょう。
アフィリエイト広告初心者は代理店に設定、運用依頼するのもおすすめ
アフィリエイト広告初心者の方は、コンバージョン測定による分析はもちろん、アフィリエイト広告運用全般 を代理店に依頼してしまうのもおすすめです。
アフィリエイト広告の運用代行を代理店に依頼する3つのメリット
アフィリエイト広告の運用代行を代理店に依頼した場合、以下のようなメリットが得られます。
- 広告運用にリソースを割かなくて済む
- 運用改善によるコンバージョンの最大化が目指せる
- ASPや有力アフィリエイターとのつながりが持てる
メリット1:広告運用にリソースを割かなくて済む
アフィリエイト広告の運用は、広告出稿の準備からASPとのやりとり、成果承認作業やデータ分析など多くの工数が発生します。
これらを自社で行なうには多くのリソースを割くこととなりますが、代理店に運用代行を依頼すればほとんどの業務は代理店が行なってくれるため、広告運用にリソースを割く必要がなくなります。
メリット2:運用改善によるコンバージョンの最大化が目指せる
アフィリエイト広告もリスティング広告などと同じように、運用改善が必要です。しかし、アフィリエイト広告初心者の場合は、何から手を付けてよいか、どのように改善すれば良いかを見つけることが難しいものです。
その点、代理店はアフィリエイト広告の運用経験やノウハウがありますので、的確な判断で運用改善を行なうことができますので、スムーズにコンバージョンの最大化を目指すことが可能です。
メリット3:ASPや有力アフィリエイターとのつながりが持てる
アフィリエイト広告運用を行なっている代理店では、ASPや有力アフィリエイターとのつながりを持っているところがあります。
こうした代理店を利用すれば、アフィリエイト広告運用に関する情報を得られたり、コンバージョン数向上に向けた独自の施策を走らせることも可能です。
アフィリエイト広告運用代行に強みをもつおすすめ広告代理店3選
アフィリエイト広告運用代行に強みをもつおすすめの代理店を3社ご紹介します。これからアフィリエイト広告の運用を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
株式会社バリュー・パートナーズ
引用元:https://www.valuepartners.co.jp/service/affiliate/
こんな方におすすめ!
- PDCAを回してアフィリエイト広告の効果を最大化させたい
株式会社バリュー・パートナーズの強み
株式会社バリュー・パートナーズは、高速でPDCAを回してアフィリエイト広告のパフォーマンスを向上させられる代理店です。
これまで10年以上アフィリエイト広告運用に携わってきた経験を活かし、最適な広告運用を行ないます。また、成果報酬型のSNS広告の利用や、株式会社バリュー・パートナーズが運営するメディアへの掲載で、コンバージョン数を向上させることもできます。
はじめてアフィリエイト広告の運用を行なう方はもちろんですが、すでに自社でアフィリエイト広告を運用していて、思うような成果が上がらないといった場合にもおすすめの代理店です。
株式会社バリュー・パートナーズの概要
・会社名:株式会社バリュー・パートナーズ
・本社所在地:東京都中央区築地3-5-13 北村ビル3F
・URL:https://www.valuepartners.co.jp/service/affiliate/
株式会社リスティングプラス
こんな方におすすめ!
- リスティング広告などを活用した相乗効果を狙いたい
株式会社リスティングプラスの強み
株式会社リスティングプラスは、リスティング広告やSNS広告の運用も行なっている代理店です。アフィリエイト広告運用については、専門事業部が対応します。
株式会社リスティングプラスでは、単にアフィリエイト広告の運用だけを行なうのではなく、強みをもっている領域であるリスティング広告やリマーケティング広告も活用します。
リスティング広告による指名検索の向上、そしてリマーケティング広告の運用によって、リーチしたもののコンバージョンにつながっていないユーザーへ再度アプローチをかけてコンバージョン増加を目指し、費用対効果の高い広告運用を実現します。
また、アドアフィリエイトを併用することによってさらなる売上アップを目指すことも可能です。
株式会社リスティングプラスの概要
・会社名:株式会社リスティングプラス
・本社所在地:東京都新宿区西新宿6-24-1 西新宿三井ビルディング4階
・URL:https://ppc-master.jp/
株式会社シード
こんな方におすすめ!
- ランディングページの改善やSEOも依頼したい
株式会社シードの強み
株式会社シードは、代理店として14年以上アフィリエイト広告に携わってきました。また、株式会社シードの代表はアフィリエイト広告運用代行を19年以上経験してきており、蓄積したノウハウによって最適な運用を目指します。
また、アフィリエイト広告運用代行以外にはSEOコンサルティングやランディングページの制作にも対応していますので、アフィリエイト広告運用データを元に、ランディングページのCVR向上に向けた施策を実施する、SEOによるコンバージョン数アップなども実施可能となっています。
株式会社シードの概要
・会社名:株式会社シード
・本社所在地:東京都千代田区飯田橋2-14-2 雄邦ビル3F
・URL:https://www.seedinc.jp/
WEB集客や商品販売・サービス提供を行う上で利用する様々な広告。その中でも成果報酬型による低リスクで運用できるのがアフィリエイト広告です。すでに多くの企業でも取り入れられていますが、アフィリエイト広告の運用には多大なリソースが必要です。 […]
アフィリエイト広告の効果を可視化するオススメの広告効果計測ツール
アフィリエイト広告の効果を計測するツールとして、今回Googleアナリティクスをご紹介しましたが、さらにもう一つおすすめのツールをご紹介します。
Databeat Explore
Databeat Exploreは、アフィリエイト広告の効果を可視化することが可能な広告効果計測ツールです。また、Databeat Exploreはアフィリエイト広告以外に、リスティング広告やSNS広告などの効果も可視化することが可能です。
アフィリエイト広告運用における「Databeat Explore」の3つの活用ポイント
アフィリエイト広告運用でDatabeat Exploreを活用するポイントを3つご紹介します。
広告の運用データ収集を自動化できる
Databeat Exploreは、アフィリエイト広告をはじめとするWEB広告の運用データを自動で収集することが可能です。APIなどを使って連携してしまえば、自動でデータを取得するので、広告の管理画面へアクセスすることなく、現在の広告運用状況を把握できます。
共有しやすいデータ出力方式
自動収集した広告データは、Databeat Exploreのダッシュボードを共有することで、社内共有が容易になります。さらに、ExcelやGoogleスプレッドシート、Googleデータポータル、BIツールなど好みのフォーマットへ出力も可能となっており、これまでのオペレーションを変えることなくデータのやりとりができます。
テンプレートによるデータの可視化
Databeat Exploreには、データの可視化に役立つテンプレートが用意されており、さまざまな角度から広告のデータを分析しやすくなっています。また、媒体が違う広告でもDatabeat Exploreが指標を統一して表示しているため、広告同士の比較も簡単に行なうことができます。
まとめ
アフィリエイト広告は、実売数との乖離やトラッキング漏れ、詳細な分析などのためにコンバージョン測定を行なうのがおすすめです。
おすすめのツールはGoogleアナリティクス、またはDatabeat Exploreです。Databeat Exploreは有料のツールにはなりますが、アフィリエイト広告やその他のWEB広告の効果測定にも活用できるため、複数の広告運用を実施している場合などにおすすめできます。
また、アフィリエイト広告の効果測定による結果は、運用改善に役立てられる貴重な情報ですが、実際に分析や改善を行なうには経験やノウハウも必要です。アフィリエイト広告の運用経験が浅い場合には、経験豊富な代理店へ運用代行を依頼することも検討してみてください。