Yahoo!広告運用において、コンバージョン率を一定以上保つには、日々の広告パフォーマンスを分析しながら入札単価を調整しなくてはいけません。コンバージョン率を保つだけでも大変ですが、ここからさらにコンバージョン率を向上させるとなると、クリエイティブの見直しやLPの改善作業も発生します。
そんな悩みを解決するのが、自動入札機能です。自動入札機能を導入すれば、入札単価調整の作業を自動化できるので、クリエイティブの見直しやLP改善作業に時間をかけられます。しかし、Yahoo!広告の自動入札を導入する上で、
「Yahoo!広告の自動入札の仕組みと特徴が分からない」
「Yahoo!広告の自動入札の設定方法が分からない」
「Yahoo!広告の自動入札でより成果を上げるためのポイントが知りたい」
上記のような課題が生じるかと思います。本記事では、企業の広告担当者様へ向けて、Yahoo!広告の自動入札の「基礎知識」とYahoo!検索広告、ポートフォリオ入札、Yahooディスプレイ広告の自動入札設定方法を紹介しています。
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- 1 Yahoo!広告の自動入札とは?
- 2 手動入札との違いとメリット・デメリットの比較
- 3 Yahoo!検索広告の自動入札の仕組みと特徴
- 4 Yahoo!検索広告の自動入札の設定方法を詳しく解説
- 5 Yahoo!検索広告の自動入札でより成果を上げるための運用ポイント
- 6 複数のキャンペーンを管理している方におすすめの「ポートフォリオ入札」とは
- 7 ポートフォリオ入札の設定方法を詳しく解説
- 8 Yahooディスプレイ広告の自動入札の仕組みと特徴
- 9 Yahoo!ディスプレイ広告の自動入札の設定方法
- 10 自動入札の効果測定、分析を上手に実施するポイント
- 11 Yahoo!広告の効果を可視化する!おすすめのレポート自動化ツール
- 12 まとめ
Yahoo!広告の自動入札とは?
引用:Yahoo!広告
自動入札は、キャンペーンごとに最適な入札単価に自動で調整する機能で、管理画面で自由に設定できます。「サイトトラフィックを増やしたい」「コンバージョンを最大化したい」などの入札タイプが複数用意されており、自社に合ったものを選定すると、自動で調整します。
自動入札は、Yahoo!検索広告、Yahoo!ディスプレイ広告それぞれで設定できます。また、過去のデータを元に入札単価を調整するので、学習期間が必要です。学習期間中にパフォーマンスが安定することで、自動入札の精度も上がると覚えておきましょう。
手動入札との違いとメリット・デメリットの比較
手動入札との違いとメリット・デメリットを紹介します。広告運用状況によっては自動入札ではなく、従来の手動入札が適しているケースもあるので下記内容を参考に検討してみましょう。
Yahoo!広告の自動入札と手動入札のメリット、デメリット比較まとめ
Yahoo!広告の自動入札と手動入札のメリット、デメリット比較まとめは下記の通りです。
入札方法 | メリット | デメリット |
手動入札 | 詳細な予算コントロール | 入札管理に手間がかかる |
自動入札 | 入札管理の効率化 | データ蓄積が必要 |
手動入札は詳細なコントロールができるので、小規模なキャンペーンに適しています。自動入札の最大のメリットは入札管理の効率化のため、大規模なキャンペーンに適しているといえます。
手動入札のメリット、デメリット
手動入札のメリット、デメリットは下記の通りです。
手動入札のメリット
手動入札のメリットは、予算を詳細にコントロールできる点です。手動入札の場合はクリック単価の上限額を自分で管理できます。そのため、社内で予算に関して厳しい決まりがある場合などは手動入札が適しています。
例えば、コンバージョン最大化を目標とした自動入札を実行すると、予算をすべて使ってコンバージョンを獲得しようとするので、予算を多く使ってしまいますが、手動入札ではそのような心配はありません。
手動入札のデメリット
手動入札のデメリットは、入札管理に手間がかかる点です。小規模なキャンペーンであれば問題ありませんが、出稿するキャンペーンが多いほど入札管理が大変になります。
Yahoo!広告運用では入札調整だけでなく、クリエティブ調整、分析、LPの改善など多くの作業が発生するため、大規模なキャンペーンを運営している企業にとってはデメリットといえるでしょう。
自動入札のメリット、デメリット
自動入札のメリット、デメリットは下記の通りです。
自動入札のメリット
自動入札を活用すると作業効率化が期待できます。この他にも、入札時にシグナルを利用することでより精度の高い自動入札を実施できるメリットがあります。シグナルとは「デバイス」「所在地」「曜日・時間帯」などのデータを自動入札に反映させる機能です。
例えば、以前にコンバージョンを多く獲得した「曜日・時間帯」のデータがあれば、その時間帯になった時に入札単価を調整することで、クリックやコンバージョンが獲得しやすくなります。このように、手動入札では真似できない精度の高い入札単価調整が実現できるのも自動入札のメリットです。
自動入札のデメリット
自動入札のデメリットは、ある程度のデータ蓄積が必要になる点です。入札タイプにもよりますが、「コンバージョン数の最大化」「コンバージョン単価の目標値」「コンバージョン数の最大化」等の入札タイプの場合は、基になるコンバージョンデータが必須となります。
そのため、広告運用をはじめたばかりの企業では、コンバージョンや費用対効果に特化した自動入札が利用できません。このようなケースに当てはまる方は、自動入札の「クリック数の最大化」や「手動入札」にてデータを蓄積していく必要があります。
Yahoo!広告における自動入札はこんな方にオススメ!
Yahoo!広告における自動入札は下記のようなお悩みを持つ方におすすめです。
「コンバージョンは獲得できているが、運用管理に課題がある」
「現状の顧客獲得単価でもっとコンバージョンを獲得したい」
「広告運用業務を改善して、マーケティング戦略を練る時間を確保したい」
基本的に自動入札が向いている方は、すでにある程度の成果が見込めている方です。その中で、さらにコンバージョンを最大化したり、運用業務を効率化させたい方に自動入札は向いているといえます。
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Yahoo!検索広告の自動入札の仕組みと特徴
Yahoo!検索広告の自動入札の仕組み、自動入札の種類とそれぞれの目的、自動入札の導入条件について紹介します。
Yahoo!検索広告の自動入札の仕組み
自動入札では、設定した目的に対応するために学習期間が設けられます。学習期間は目的によって異なりますが、パフォーマンスが安定するまで待つ必要があります。パフォーマンスが落ち着くと、自動入札が実行されます。自動入札ではシグナルを活用して、精度の高い自動入札が実施されます。
シグナルは、自動入札が入札単価を調整するにあたり参考にしているデータのことです。Yahoo!広告では、主に下記シグナルが利用されています。
一覧 | 詳細 |
デバイス | パソコン/モバイル/タブレット |
所在地 | ユーザー所在地 |
曜日・時間帯 | スケジュール |
地域の関心 | ユーザーが関心のある地域 |
ターゲットリスト | 自身で作成したターゲットリスト |
広告の特性 | 広告の特性を加味して入札単価を最適化する |
ブラウザ | ユーザーが利用しているブラウザ |
実際に検索されたキーワード | 検索広告のみ |
OS | Windows/MacなどのOS |
検索広告を出稿するときは、「このキーワードはコンバージョンに繋がりやすい」「このキーワードではコンバージョンが難しい」といった仮説を立てるかと思います。このような仮説を上記シグナルから予測し、入札単価を調整するのが自動入札の仕組みです。
ただし、この仮説は自動入札と手動入札でまったく同じとはいかないので、都度チェックが必要です。
Yahoo!検索広告の自動入札の種類とそれぞれの目的/使い分け
Yahoo!広告の入札方法は「手動入札」「自動入札」に分類できます。自動入札はさらに「標準入札」「ポートフォリオ入札」に分けることができます。
- 標準入札=キャンペーン単位の入札設定方法
- ポートフォリオ入札=キャンペーンをまたいだ入札設定方法
入札タイプに関しては下記表を参考にしてください。
入札タイプ | 入札設定 | 目標 | 向いている人 |
クリック数の最大化 | 標準入札 ポートフォリオ入札 |
サイトへのトラフィックを増やしたい | できるだけたくさん集客したい 商品の認知度を上げたい |
コンバージョン単価の目標値 | 標準入札 ポートフォリオ入札 |
コンバージョン単価を保ちながら、コンバージョン数を増やす | コンバージョン単価の目標があり、入札価格は自分で調整したい CPAを計測して広告改善したい |
広告費用対効果の目標値 | 標準入札 ポートフォリオ入札 |
広告費用対効果(ROAS)を維持しながら、売上を上げたい | 目標とするROASが明確である 利益率が異なる商品を複数扱っている |
コンバージョン数の最大化 | 標準入札 | 予算を最大限に使ってコンバージョンを多く獲得したい | 予算内であればクリック単価は気にしない 短期間で多くのコンバージョンを獲得したい |
ページ最上部掲載 | 標準入札 ポートフォリオ入札 |
テキスト広告の中で上位表示を目指す | 商品の認知度を上げたい ページの最上部に広告を掲載したい |
拡張クリック単価 | 手動入札 | 手動設定の入札価格で多くのコンバージョンを獲得 | コンバージョン重視だが、入札価格は自社で設定したい 新しく登録するキャンペーンで多くのコンバージョンを獲得したい |
コンバージョン価値の最大化 | 自動入札 | 日予算を最大限使い価値の高いコンバージョンを獲得 | 複数の価格の商品による売上を最大化したい |
Yahoo!検索広告の自動入札の導入条件
「コンバージョン数の最大化」「コンバージョン単価の目標値」「広告費用対効果の目標値」の3つの入札タイプを利用する場合は、下記条件を満たしている必要があります。
- コンバージョン測定
- OSの設定をAndroidにする
- 広告費用対効果の目標値の場合
条件①:コンバージョン測定
「コンバージョン数の最大化」「コンバージョン単価の目標値」を利用する場合は、コンバージョン測定をしている必要があります。コンバージョン測定とは「商品購入」「資料請求」など、自社が定めたコンバージョンを測定するための設定です。
コンバージョン測定は、サイト上でコンバージョンを達成した後に表示されるサンクスページに、コンバージョンタグを設置することで測定できます。
条件②:OSの設定をAndroidにする
アプリダウンロードキャンペーンの出稿で、入札タイプが「コンバージョン数の最大化」「コンバージョン単価の目標値」「広告費用対効果の目標値」の場合、OSの設定をAndroidにしておく必要があります。
条件③:広告費用対効果の目標値の場合
入札タイプが広告費用対効果の目標値の場合は、下記条件をすべて満たしている必要があります。
- キャンペーン入札方法が「個別クリック単価」「拡張クリック単価」である
- キャンペーンの配信設定がオンである
- 過去1か月のコンバージョン数が15件以上である
コンバージョン数に関しては15件以上となっていますが、Yahoo!広告では50件以上のコンバージョン達成を推奨しています。
Yahoo!検索広告の自動入札の設定方法を詳しく解説
自動入札の設定方法を紹介します。下記手順はキャンペーン作成後に「手動入札」→「自動入札」に切り替える手順となります。
手順1.キャンペーン設定情報
引用:Yahoo!広告
Yahoo!広告管理画面の「検索広告」から自動入札に変更したいキャンペーンを選び、「キャンペーン設定情報」を選択します。
手順2.予算と掲載条件
引用:Yahoo!広告
「設定内容を編集」→「予算と掲載条件」を選択し、入札タイプを選択します。
手順3.詳細情報入力
引用:Yahoo!広告
選択した入札タイプに応じた詳細情報を入力します。
入札タイプ | 記入内容 |
広告費用対効果の目標値 | 費用対効果の目標値 |
クリック数の最大化 | 入札価格の上限 |
ページ最上部掲載 | 目標のインプレッションシェア/入札価格の上限 |
コンバージョン単価の目標値 | CPAの目標値 |
最後に「設定内容を保存」を選択して完了です。
Yahoo!検索広告の自動入札でより成果を上げるための運用ポイント
自動入札で成果を上げるためのポイントを3つ紹介します。
- 自社に合った自動入札タイプを選択する
- 目標を現状のプラスマイナス20%程度に設定
- シンプルなアカウント設計
ポイント①自社に合った自動入札タイプを選択する
大前提として自社に合った自動入札を選択する必要があります。まず、現状の検索広告運用状況を加味した上で、入札タイプを選定しましょう。例えば、自社のコンバージョン獲得について課題がある場合は「コンバージョン数の最大化」を選ぶのが基本ですが、もう少し掘り下げてから入札タイプを決める必要があります。
「コンバージョン数の最大化」の場合、コンバージョン測定していれば自動入札の実装自体は可能です。しかし、これまでにある程度のコンバージョンデータがないと、学習機能が上手く機能しないので、良い成果が出ない可能性があります。
それであれば「クリック数の最大化」「ページ最上部掲載」を選定して、データ収集を実施した上で「コンバージョン数の最大化」に切り替えた方がベストです。
ポイント②目標を現状のプラスマイナス20%程度に設定
自動入札では、目標を事前に決めて設定する必要があります。目標値のおすすめは、現状の数値のプラスマイナス20%程度です。目標は希望する数値ではなくて、達成可能な目標でないと広告パフォーマンスが低下する可能性があります。
例えば、現状のCPAが5,000円で、目標CPAを1,000円とした場合、目標CPAが最優先となるため、ほとんどの広告が表示されない可能性があります。目標は達成可能数値を設定して、徐々に上げていくことをおすすめします
ポイント③シンプルなアカウント設計
自動入札を実施するときは、シンプルなアカウント設計を心掛けましょう。Yahoo!広告の自動入札はキャンペーンに対して適用されます。キャンペーンを細かく分類して運用している場合、目標が同じであれば、同じキャンペーン内にまとめておくのがベストです。
キャンペーンを細かく分類してしまうと、正確な機械学習が実施されず広告パフォーマンスが低下する恐れがあるためです。Yahoo!広告の自動入札はキャンペーンに対して適用されることを理解した上で、シンプルなアカウント設計も同時に実装しましょう。
Yahoo!検索広告の自動入札を導入する際の注意点
自動入札はこれまでの広告運用データによって精度が決まります。特にコンバージョン関係の入札タイプを選択する場合は、これまでのコンバージョンデータの有無によってパフォーマンスが変わってきます。「クリック数の最大化」「ページ最上部掲載」の入札タイプであれば、そこまで気にする必要はありません。
しかし「コンバージョン単価の目標値」「広告費用対効果の目標値」「コンバージョン数の最大化」を選択する場合は、最低でも月30以上のコンバージョンを目安にしましょう。
複数のキャンペーンを管理している方におすすめの「ポートフォリオ入札」とは
ポートフォリオ入札は、自動入札設定の1つで複数のキャンペーンに自動入札を適用できます。同じKPIと目標を持つキャンペーンを、ポートフォリオ入札戦略に結合すれば、目標CPA / ROASなどをターゲットにしながら、目標予算内で最大のリード/収益を達成できます。
ポートフォリオ入札に対応している入札タイプは下記4つとなります。
- クリック数の最大化
- ページ最上部掲載
- コンバージョン単価の目標値
- 広告費用対効果の目標値
ポートフォリオ入札の最大のメリットは、目標が共有できるという点です。例えば目標CPAを1万円に設定した「Aキャンペーン」「Bキャンペーン」を運用しており、パフォーマンスの結果が以下の内容だったと仮定します。
- 「Aキャンペーン」=15,000円(CPA)
- 「Bキャンペーン」=8,000円(CPA)
ポートフォリオ入札であれば、上記2つのキャンペーンCPAを平均しながら、最適化していきます。例えば「Bキャンペーン」=8,000円(CPA)は、目標CPAよりも2,000円ほど上回っているので、多少CPAを増加してもコンバージョンを獲得できるように最適化します。
反対に、標準の自動入札にて「Aキャンペーン」「Bキャンペーン」それぞれに目標CPA1万円を設定した場合は「Bキャンペーン」=8,000円(CPA)は目標を達成しているため、これ以上最適化されることはないので、ポートフォリオ入札のような恩恵を受けることができません。
ポートフォリオ入札は目標共有により、効率よく目標達成を目指せるということです。
ポートフォリオ入札の設定方法を詳しく解説
ポートフォリオ入札の設定方法は下記の通りです。自動入札タイプが「クリック数の最大化」「ページ最上部掲載」「コンバージョン単価の目標値」「広告費用対効果の目標値」のいずれかの方は下記手順で設定してみましょう。
手順1.ポートフォリオ入札ツール立ち上げ
引用:Yahoo!広告
管理画面から「ポートフォリオ入札ツール」を選択します。
手順2.入札タイプの選択
引用:Yahoo!広告
「ポートフォリオ入札の作成」を選択して「クリック数の最大化」「ページ最上部掲載」「コンバージョン単価の目標値」「広告費用対効果の目標値」から入札タイプを選択します。
手順3.基本情報入力(クリック数の最大化の場合)
引用:Yahoo!広告
選択した入札タイプの基本情報を入力します。クリック数の最大化の場合であれば「自動入札名」「入札価格の上限」を記入して最後に「作成」を選択します。
手順4.ポートフォリオ入札を適用
引用:Yahoo!広告
「キャンペーン設定情報」→「設定内容を編集」から入札タイプを選択して、先ほど作成したポートフォリオ入札を選択すれば完了です。
Yahooディスプレイ広告の自動入札の仕組みと特徴
Yahoo!ディスプレイ広告の仕組み、自動入札の種類とそれぞれの目的、自動入札の導入条件について紹介します。
Yahooディスプレイ広告の自動入札の仕組み
ディスプレイ広告の自動入札は目標とするコンバージョン単価(tCPA)を維持しながら、多くのコンバージョンを獲得できるように入札価格を自動調整する機能です。ディスプレイ広告では、キャンペーン単位に対して自動入札を設定できます。
ディスプレイ広告の自動入札では「インターネットユーザーに関する情報」を基に入札調整が最適化されます。例えば、コンバージョンにつながる可能性が高いと予想されるユーザーには入札価格を上げて積極的に広告配信します。
反対に、コンバージョンにつながる可能性が低いと予想される場合には、入札価格を下げて配信します。「インターネットユーザーに関する情報」とはユーザーの「年齢」「興味・関心のあるカテゴリ」などの情報が含まれます。
これらの情報を基にコンバージョンにつながる確率を予測するということです。
Yahoo!ディスプレイ広告の自動入札を設定できるキャンペーン目的
自動入札に対応しているキャンペーンは下記3つです。
- アプリ訴求
- コンバージョン
- 商品リスト訴求
Yahoo!ディスプレイ広告には、「動画再生」「サイト誘導」「ブランド認知」といったキャンペーンも設けられていますが、これらは自動入札に対応していないので注意が必要です。
Yahoo!ディスプレイ広告の自動入札の種類とそれぞれの目的/使い分け
Yahoo!ディスプレイ広告の自動入札戦略は、「目標単価指定(tCPA)」のみとなります。目標単価指定(tCPA)はコンバージョン単価を維持しながら、多くのコンバージョンを獲得するための戦略です。自動入札にあたり、適用されるシグナルの種類は下記の通りです。
適用先 | シグナル |
ユーザー側 | プレイスメント情報 年齢 性別 デバイス 興味カテゴリ ユーザーアクセス時間(週, 時刻) 地域 サイト訪問履歴 過去の検索キーワード情報 |
広告側 | 広告/広告グループ キャンペーン/アカウント粒度のCV クリック実績 広告タイプ 広告カテゴリ |
上記シグナルが自社のコンバージョンに影響を与える場合は、自動入札の成果が期待できます。
Yahoo!ディスプレイ広告の自動入札の導入条件
Yahoo!ディスプレイ広告の自動入札の導入条件は下記の3つです。
- 推奨コンバージョン数
- 目標値の設定目安と基準
- 広告グループ単位で手動入札/自動入札の切り替えはできない
条件①:推奨コンバージョン数
ディスプレイ広告で自動入札を導入する場合は、広告グループ単位でコンバージョン数50件以上が推奨されています。コンバージョン数が多いほど、精度が高い自動入札となると覚えておきましょう。
条件②:目標値の設定目安と基準
ディスプレイ広告の自動入札では、コンバージョン単価目標値の目安が決められています。目安としては、手動入札時の直近7日の実績コンバージョン単価(CPA)に近い値を設定しましょう。
悪い例として、手動期間のコンバージョン単価(CPA)が1万円の場合、目標値を5,000円で設定すると、CPAを抑えて広告配信されてしまうため、広告の表示回数が低下する恐れがあります。
条件③:広告グループ単位で手動入札/自動入札の切り替えはできない
自動入札は、キャンペーン単位の設定となるため、広告グループ単位で手動入札/自動入札の切り替えはできません。自動入札を導入する前に広告グループを整理しておくようにしましょう。
Yahoo!ディスプレイ広告の自動入札の設定方法
Yahoo!ディスプレイ広告の自動入札の設定方法を紹介します。キャンペーンの目的が「アプリ訴求」「コンバージョン」「商品リスト訴求」の方は下記手順で設定を実施しましょう。
手順1.ディスプレイ広告管理ツール立ち上げ
引用:Yahoo!広告
Yahoo!広告のディスプレイ広告管理ツールを立ち上げます。
手順2.キャンペーン選択
引用:Yahoo!広告
自動入札を適用したいキャンペーンを選び、入札戦略を選択します。
手順3.コンバージョン単価の目標値入力
引用:Yahoo!広告
コンバージョン単価の目標値を入力して「適用」を選択すれば完了です。
Yahoo!ディスプレイ広告の自動入札でより成果を上げるための運用ポイント
Yahoo!ディスプレイ広告の自動入札でより成果を上げるための運用ポイントは下記3つです。
- 正しいコンバージョン単価の目標値(tCPA)を設定する
- データが蓄積されやすいアカウント設計
- 自動入札導入後のメンテナンス
ポイント①正しいコンバージョン単価の目標値(tCPA)を設定する
ディスプレイ広告の自動入札を成功させるには、正しいコンバージョン単価の目標値(tCPA)を設定する必要があります。サイト上で売り上げが発生する場合で考えてみましょう。サイト上で売り上げが発生する場合のコンバージョン単価の目標値(tCPA)を求める場合は、はじめに限界CPAを算出します。
限界CPAは商品価格から原価を引いた金額です。商品価格が1万円で原価が5,000円であれば、限界CPAは5,000円となります。この5,000円の中から利益として残したい金額を決めます。仮に3,000円を利益として残すとしましょう。3,000円がコンバージョン単価の目標値(tCPA)となりますが、この数値と現状のCPAを比較してください。
現状のCPAと比べて20%以上の差がある場合は、4,000円→3,500円→3,000円のように刻んで設定していくことをおすすめします。自動入札は現状のCPAと目標値の差が多くなるほどパフォーマンスが低下する傾向が強いと覚えておきましょう。
ポイント②データが蓄積されやすいアカウント設計
自動入札を実施するときは、広告グループにデータが蓄積されやすいアカウント設計を心掛けましょう。広告グループが細分化されすぎている場合、広告グループ単位でコンバージョン獲得が上手くできず、学習期間に長い時間がかかり、パフォーマンスが安定しない状態が続く可能性があるためです。
アカウント設計のほかにもディスプレイ広告のターゲットが狭すぎる場合は、ターゲティングを見直して表示回数を増やすなどの対策も有効です。
ポイント③自動入札導入後のメンテナンス
ディスプレイ広告の自動入札では、導入後のメンテナンスも重要です。自動入札導入後のメンテナンス方法を3つのケースに分けて紹介します。
【ケース①】パフォーマンスが安定している場合
目標のコンバージョン単価を保ちながら、コンバージョン数も増加しており、パフォーマンスが安定している場合は、一週間を目途に目標コンバージョン単価を調整しましょう。一週間ずつ徐々に目標コンバージョン単価を下げていくことで、自動入札の精度がどんどん高くなります。
【ケース②】インプレッションが減少した場合
自動入札を導入してインプレッションが減少した場合は、目標コンバージョン単価を引き上げます。期間としては2週間を目処にしてください。インプレッションが低いということは、目標コンバージョン単価が低すぎるため、広告配信が実施できていないことがほとんどです。
目標コンバージョン単価を+20%の範囲内で引き上げて、再度パフォーマンスを確認しましょう。
【ケース③】CPAが悪化した場合
自動入札を導入してCPAが悪化した場合は、目標コンバージョン単価を引き下げます。こちらも期間としては2週間を目処にしてください。目標コンバージョン単価が高すぎると最適化が上手くできず、CPAが悪化するリスクが高まります。目標コンバージョン単価を-20%の範囲内で引き下げましょう。
Yahoo!ディスプレイ広告の自動入札を導入する際の注意点
Yahoo!ディスプレイ広告の自動入札では、コンバージョン単価の目標値設定でパフォーマンスが大きく変動します。今回例として紹介したサイト上で売り上げが発生する場合のコンバージョン単価の目標値であれば、簡単に目標値を設定できます。
しかし「リピーター購入がメインとなる商品」「問い合わせなどサイト上で売り上げが発生しない」などのケースは、コンバージョン単価の目標値設定がより複雑になります。リピーター購入がメインとなる商品は、年間の購入回数を考慮したLTV(ライフタイムバリュー)を活用する、問い合わせなどサイト上で売り上げが発生しない場合は「成約率」からコンバージョン単価の目標値を設定するなどの工夫が必要になります。
自動入札の効果測定、分析を上手に実施するポイント
自動入札の効果測定、分析を上手に実施するポイントは下記3つです。下記ポイントを参考に分析を実施してみましょう。
- 自動入札の効果測定は自動入札の前後期間でのCTR/CPC/CVRを比較しよう
- コンバージョン計測の見直し
- レポート自動化ツールを活用する
POINT1:自動入札の効果測定は自動入札の前後期間でのCTR/CPC/CVRを比較しよう
自動入札の効果分析を上手に実施するには、自動入札の前後期間でのCTR/CPC/CVRを比較します。各指標を比較した上で、広告運用の課題が解決されているか確認しましょう。また重要となる指標は、入札タイプによって異なるので下記表を参考に重要な指標を優先的に分析しましょう。
入札タイプ | 重要な指標 |
クリック数の最大化 | クリック数/平均クリック単価/クリック率/費用 |
コンバージョン単価の目標値 | 平均目標コンバージョン単価/CPA//コンバージョン数/コンバージョン率/費用 |
コンバージョン数の最大化 | コンバージョン数/コンバージョン率/費用 |
目標広告費用対効果 | 広告費用対効果/コンバージョン値/コンバージョン数/費用 |
ページ最上部掲載 | インプレッション/費用 |
自動入札が正常に機能すれば、上記指標が改善されるはずなので、定期的に分析しましょう。
POINT2:コンバージョン計測の見直し
自動入札の効果分析を上手に実施するには、コンバージョン計測の見直しが必要です。コンバージョン計測が必須となる「コンバージョン数の最大化」「コンバージョン単価の目標値」の入札タイプを選択した場合は注意が必要です。
コンバージョン計測に不備があると、正確な機械学習が実施されないので、分析にも誤差が発生します。Yahoo!タグマネージャーを利用して、コンバージョン計測設定を見直し、データの正確性を確保しておきましょう。
Yahoo!JAPANの配信サービスであるYahoo!広告。Google広告と並んで利用はしているものの、いまいち効果が上がらないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。 今回は、Yahoo!広告の効果を把握する上でも重要な、コンバー[…]
POINT3:レポート自動化ツールを活用する
自動入札では入札調整の作業を自動化できるので、広告運用業務を効率化することが可能です。しかし、その結果をレポートとしてまとめる作業に時間がかかってしまっては、自動入札で作業を効率化したメリットが失われてしまいます。
そんな方は、レポート自動化ツールを活用すれば、分析後のレポート作成業務も自動化できるため、さらに多くのメリットを得ることができます。
Yahoo!広告の効果を可視化する!おすすめのレポート自動化ツール
Yahoo!広告運用業務をさらに効率化させたい場合は、レポート自動化ツールの活用がおすすめです。レポート自動化ツールを活用すると、レポート作成業務のほとんどを自動化できます。
Databeat Explore
Databeat Exploreは、広告データの可視化を自動化するツールです。「Yahoo!広告」「Google広告」「SNS広告」から取得したデータの「収集」「整形」「出力」を自動化します。
Databeat Exploreで実現できる3つのこと
Databeat Exploreを活用すると下記のような広告運用が実現できます。
1.レポートを自動作成
社内やクライアントに共有するレポートは、広告成果を分かりやすくまとめる必要があるため、多くの時間を費やします。しかし、Databeat Exploreでは、分かりやすいレポートテンプレートを選択するだけで、簡単に広告レポートを自動作成できます。
また、単体ではなく複数の広告をまたいだ比較レポートも作成できるので、さまざまなニーズに対応可能です。
2.指標の自動整形
広告媒体によっては、分析で重要な指標が異なるケースがあります。例えば、Google広告の「クリック数」とTwitter広告の「リンクのクリック数」などです。これらは同じ意味ですが指標名が異なるため、広告媒体を比較する時の課題でしたが、Databeat Exploreでは、この指標の整形も自動で実施します。
3.自動データ出力
Databeat Exploreは、各広告媒体から取得したデータを「BIツール」「スプレッドシート」に自動で出力します。そのため「Excel」では難しかったリアルタイムでの広告データ共有が可能になったことで、マーケティング施策にスムーズに移行できます。
まとめ
Yahoo!広告の自動入札について紹介しました。自動入札は、キャンペーンの目的に合った適切な入札単価を自動で調整する機能です。Yahoo!検索広告、Yahooディスプレイ広告それぞれで設定できます。自動入札の最大のメリットは、入札管理の効率化です。
そのため、大規模なキャンペーンを運用している広告主に適しています。Yahoo!検索広告では「クリック数の最大化」「コンバージョン単価の目標値」「広告費用対効果の目標値」「コンバージョン数の最大化」「ページ最上部掲載」の目標が用意されており、キャンペーンをまたいだポートフォリオ入札も利用できます。
Yahoo!ディスプレイ広告の自動入札は、「目標単価指定(tCPA)」のみとなっており「アプリ訴求」「コンバージョン」「商品リスト訴求」3つのキャンペーンに対応しています。広告運用業務をさらに改善したい場合は、自動入札に合わせてレポート自動化ツールの活用もおすすめです。
【無料】Databeatサービス紹介資料
広告レポート自動化ツール「Databeat」のサービス紹介資料です。
・Web広告のレポート作成工数を削減したい
・Looker Studioと連携できるレポートツールを探している
・低価格でレポート作成を自動化したい
上記のような課題をお持ちの方は、以下のフォームに必要な項目を入力のうえ、送信してください。
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