Google広告には、機械学習によって入札を自動化できる「自動入札戦略」というものがあります。Googleによって自動的に最適な入札が行われるため、非常に便利な機能ですが、利用する際には注意すべき点がいくつかあります。
自動入札戦略にはいろいろな種類があるため、広告の目的に応じて適切なタイプを選択する必要があるのです。そこで今回こちらの記事では、Google広告の自動入札戦略の種類や上手な選び方、設定方法から運用上のポイントまで、詳しく解説していきます。
- 1 Google広告における「自動入札戦略」とは?
- 2 Google広告における自動入札戦略の種類と上手に選ぶポイント
- 3 種類1:サイトアクセスを増やすなら「クリック数の最大化」
- 4 種類2:可視性を高めるなら「目標インプレッションシェア」
- 5 種類3:CPAを維持しながらCVを増やすなら「目標コンバージョン単価」
- 6 種類4:ROASを維持しながら売上を増やすなら「目標広告費用対効果」
- 7 種類5:効率よりもコスト消化優先でCVを増やすなら「コンバージョン数の最大化」
- 8 種類6:効率よりもコスト消化優先で売上を増やすなら「コンバージョン値の最大化」
- 9 自動入札戦略の導入条件
- 10 Google広告における自動入札の設定方法
- 11 複数のキャンペーンに対して入札戦略を設定する「ポートフォリオ入札戦略」とは
- 12 ポートフォリオ入札戦略における入札戦略の設定方法を詳しく解説
- 13 自動入札戦略で成果を最大化するための運用ポイント
- 14 運用中に確認したい「入札戦略のステータス」ついて
- 15 自動入札戦略を途中で変更する場合の手順
- 16 Google広告の効果を可視化するレポート!おすすめのレポート自動化ツール
- 17 まとめ
Google広告における「自動入札戦略」とは?
Google広告における自動入札戦略とは、広告運用の目標に対して自動的に最適な入札戦略を実施できる機能のことを指します。自動入札戦略には複数の種類があり、例えば「コンバージョン」を目標とする自動入札戦略を選択した場合、コンバージョン数を最大化することを優先した自動入札が実施されます。
ほかにもさまざまな自動入札戦略があるので、広告の目的に応じたものを選択します。
Google広告における自動入札戦略の種類と上手に選ぶポイント
Google広告における自動入札戦略の種類と、上手に選ぶポイントをみていきましょう。自動入札戦略の効果を活かすためには、種類の把握と選び方についての理解が必須です。
Google広告における自動入札戦略の種類まとめ
目的 | 入札戦略 | 特徴 | 注意点 |
自社サイトへの流入を増やす | クリック数の最大化 | 予算内でクリック数を最大化する | コンバージョンに確実につながるとは限らない |
認知やコンバージョン獲得 | 目標インプレッションシェア | 検索結果最上部や任意の場所へ広告を配信 | CPAが高騰する場合がある |
目標とするCPAでコンバージョンを最大化 | 目標コンバージョン単価 | CPAを重視しつつコンバージョンを最大化する | 十分なコンバージョンデータがないと最適化されない |
費用対効果重視の運用 | 目標広告費用対効果 | コンバージョンの価値が異なる場合に費用対効果を重視して入札 | 売上ベースなので利益の確認が必要 |
設定した予算を使ってコンバージョンを最大化 | コンバージョン数の最大化 | コンバージョン数の獲得を最優先 | CPCが高騰する場合がある |
設定した予算を使ってコンバージョン値を最大化 | コンバージョン値の最大化 | コンバージョンごとに価値を割り当てて効果を最大化 | 十分なコンバージョンデータがないと最適化されない
CPCが高騰する場合がある |
Google広告における自動入札戦略は、上記の6種類あります。詳細についてはこの後解説しますが、それぞれ異なる特徴を持っており、利用すべきシーンも違います。必ず各戦略について理解した上で、設定を行いましょう。
自社に最適な自動入札戦略を上手に選ぶ3つのポイント
自社に最適な自動入札戦略を上手に選ぶポイントを3つにまとめました。以下を参考に最適な自動入札戦略を見つけてみましょう。
- 広告の目的に合ったものを選択する
- テスト運用を行う
- 予算との兼ね合いを考慮する
1.広告の目的に合ったものを選択する
自動入札戦略を導入する際は、広告の目的に合ったものを選択しましょう。目的とは異なる自動入札戦略を設定しても、思ったような効果は得られません。そのため、まずは広告の目的を明確にします。
その上で、目的に対してどの自動入札戦略が最適かを検討します。コンバージョン数を最大化することが目的である場合に、クリック数の最大化を選択してもコンバージョン数が最大化されることはありませんので注意しましょう。
2.テスト運用を行う
広告の目的に対して最適と思われる自動入札戦略を選んだとしても、それが正解かどうかは運用してみなければわかりません。ですから、自動入札戦略は一度選択しておしまいではなく、テスト運用を行ってみるのがおすすめです。
実際に運用してみれば、どの程度の効果が見込めるかがわかります。まずは広告の目的にマッチする自動入札戦略を見つけて、それからその他の要素についてテストを進めるのがよいでしょう。
3.予算との兼ね合いを考慮する
広告予算についてもあらかじめ確認しておきましょう。例えばコンバージョン数の最大化を選択した場合、最優先されるのは「コンバージョン数」となります。そのため、予定していた広告予算を一日で使い切ってしまうといったケースも想定できます。
その場合、追加で広告費を投入するのか、そこで打ち止めとするのかを考えておかなくてはなりません。もし継続的な広告配信を望むのであれば、別の自動入札戦略を選択する必要があります。
種類1:サイトアクセスを増やすなら「クリック数の最大化」
サイトアクセスを増やすことを目的とする場合は、「クリック数の最大化」が最も適した自動入札戦略となります。クリック数の最大化とはどのような戦略となるのか、詳しく見ていきましょう。
「クリック数の最大化」の特徴
クリック数の最大化は、設定した広告予算内で広告のクリック数最大化を優先した入札が行われます。広告がクリックされると自社サイトへ遷移しますので、主な目的は自社サイトへのアクセス数増加となります。
自社サイトへのアクセス数が増えると、そこからコンバージョンが発生したり、ユーザーが自社サイトを訪問することで認知向上につながるなどの効果が期待できます。
「クリック数の最大化」の注意点
クリック数の最大化は、あくまでクリック数のアップに特化した自動入札戦略です。そのため、広告をクリックして自社サイトを訪れたユーザーが必ずしもコンバージョンにつながるとは限りません。中には広告にそれほど興味を持たないユーザーが流入する可能性があることを認識した上で、利用する必要があります。
「クリック数の最大化」の効果検証時に見るべき指標
クリック数の最大化の効果検証時に見るべき主な指標は、「インプレッション数」と「クリック数」と「クリック率」です。クリック数を最大化するためにユーザーに対して広告が配信されている必要があるため、必ずインプレッション数が上がります。
そして、実際にクリック数もアップしていきます。クリック数が思ったほど伸びない場合は、まずインプレッション数を確認して、広告が表示されているかをチェックしましょう。インプレッション数があるにもかかわらずクリック数が伸びない場合には、クリック率が低い可能性があるのでクリック率のチェックも行います。
「クリック数の最大化」はこんな方におすすめ!
クリック数の最大化は、コンバージョンデータが少ない場合の利用がおすすめです。クリック数の最大化によってコンバージョンやコンバージョン率、クリック単価に関するデータを蓄積できます。
このデータをもとにコンバージョン単価やクリック単価の目安を知ることができます。さらに、そこから運用改善を実施することも可能です。
種類2:可視性を高めるなら「目標インプレッションシェア」
広告の可視性を高めるには、目標インプレッションシェアがおすすめです。目標インプレッションシェアがどのような自動入札戦略なのか、具体的に見ていきましょう。
「目標インプレッションシェア」の特徴
目標インプレッションシェアとは、Google検索の最上部や任意の位置に広告を配信するための入札を行います。インプレッションシェアの目標を調整することで、広告が検索結果の最上部に表示できるため、認知向上に適しています。
また、競合の出稿が多い場合に、競合より上部へ広告を表示させたい場合にも利用できます。
参考:インプレッションシェアとは?
インプレッションシェアとは、広告が表示可能だった回数に対する実際に表示回数の割合です。
インプレッションシェア=広告の表示回数÷広告が表示可能だった回数
「広告が表示可能だった回数」とは、例えば入札単価を増やせば広告を表示できた回数などが含まれます。
「目標インプレッションシェア」の注意点
目標インプレッションシェアは、広告の掲載位置を重視した入札方法となるので、場合によってはCPAが高騰する可能性があります。どこまでCPAを許容できるかをあらかじめ決めておき、常にCPAを監視する必要があります。
「目標インプレッションシェア」の効果検証時に見るべき指標
目標インプレッションシェアの効果検証時に見るべき主な指標は、「掲載位置」と「コンバージョン単価」です。しっかりと希望する掲載位置に広告が配信されているかどうかをチェックして、思うように掲載できていない場合は、インプレッションシェアの設定を調整する必要があります。
また、注意点でも解説しましたが、目標インプレッションシェアはコンバージョン単価が高騰するケースがあります。想定外のコンバージョン単価になっていないかを確認しながら運用する必要があります。
「目標インプレッションシェア」はこんな方におすすめ!
目標インプレッションシェアは、主に商品やサービスの認知向上を目的とする場合におすすめです。検索結果の最上部や競合よりも目立つ位置に意図的に広告を掲載することで、多くのユーザーに対して効果を発揮できます。
種類3:CPAを維持しながらCVを増やすなら「目標コンバージョン単価」
CPAを維持しながらCVを増やす場合には、目標コンバージョン単価が最適です。目標コンバージョン単価がどのような自動入札戦略なのか、具体的に見ていきましょう。
「目標コンバージョン単価」の特徴
目標コンバージョン単価は、あらかじめ設定したCPAを達成することを優先した入札方法です。広告予算内でなおかつCPAをコントロールできる入札方法なので、しっかりと利益を確保しつつ売上を作ることができます。
「目標コンバージョン単価」の注意点
目標コンバージョン単価は、十分なコンバージョンデータがないと最適化されません。また、現在のCPAが5,000円程度なのに目標コンバージョン単価を100円にするなど、極端な設定を行うことも効果が発揮できないためおすすめできません。
「目標コンバージョン単価」の効果検証時に見るべき指標
目標コンバージョン単価の効果検証時に見るべき主な指標は、「CPA」と「CV数」、そして「予算」です。まずは設定通りのCPAでCV数が獲得できているか確認しましょう。CV数については少なすぎないかのチェックも必要です。
さらに予算不足となっていないかも確認しましょう。目標コンバージョン単価で運用する場合、できれば日予算を設定せず運用するのがおすすめです。日予算を設定すると獲得できるCVに制限ができてしまうため、Google広告の機械学習の進みが遅くなってしまいます。
ただし、日予算を設定しないと予算の消化が早くなるので、自社の予算をどこまで利用できるかの検討も必要です。
「目標コンバージョン単価」はこんな方におすすめ!
目標コンバージョン単価は、CPAをコントロールして確実に利益を確保しながらコンバージョン数を確保したい場合におすすめです。コンバージョン数重視の運用では、CPAが高騰して利益を確保できないといったシーンがあります。
しかし、この目標コンバージョン単価は、CPAを重視した入札方法となるため、無理にコンバージョン数を伸ばすことはありません。
種類4:ROASを維持しながら売上を増やすなら「目標広告費用対効果」
ROASを維持しながら売上を増やすには、目標広告費用対効果がおすすめです。目標広告費用対効果がどのような自動入札戦略なのか、具体的に見ていきましょう。
「目標広告費用対効果」の特徴
目標広告費用対効果とは、コンバージョンごとの価値が異なる場合に、売上ベースで費用対効果を重視して入札する方法です。ランディングページによっては、コンバージョンごとの売上や利益が異なるケースがあります。
このような場合に、トータルの費用対効果を軸として広告の運用が可能となります。
参考:ROASとは?
ROASとは、売上に対する費用対効果を示す指標です。かけた広告費に対して、どれだけ売上が回収できたかの割合を表します。
ROAS=売上÷広告費×100(%)
ROASが100%を超えていれば、売上が広告費を上回っていると認識できます。
「目標広告費用対効果」の注意点
目標広告費用対効果は、あくまでROASに特化した入札方法であるため、売上ベースとなります。仮にROASが常に100%を超えていたとしても、利益がでているかどうかは別となるため、「売上」と「利益」は別ものであるとしっかり認識した上で利用する必要があります。
「目標広告費用対効果」の効果検証時に見るべき指標
目標広告費用対効果の効果検証時に見るべき主な指標は、「ROAS」「ROI」「CPA」です。まずROASは、事前に設定したROASが達成できているかどうかをチェックします。次にROIを確認することで、広告運用における利益が確保できているかがわかります。
また、CPAのチェックも忘れず行いましょう。CPAを抑えることができれば、それだけROASの改善につながります。
「目標広告費用対効果」はこんな方におすすめ!
目標広告費用対効果は、自社サイトからのコンバージョンの種類が複数あり、それぞれの価値が異なる場合におすすめです。例えば商品の販売コンバージョンと、電話問い合せのコンバージョンが存在する場合、この2つはどちらもコンバージョンですが、価値は異なることがわかります。
このような場合、それぞれのコンバージョンにコンバージョン値を設定して価値を決めることで、目標ROASによる費用対効果を重視した入札が最適化されます。
種類5:効率よりもコスト消化優先でCVを増やすなら「コンバージョン数の最大化」
効率よりもコスト消化優先で、CVを増やすのであればコンバージョン数の最大化が最適です。コンバージョン数の最大化がどのような自動入札戦略なのか、具体的に見ていきましょう。
「コンバージョン数の最大化」の特徴
コンバージョン数の最大化は、決められた予算の中で「コンバージョン数」の獲得を最優先とする入札戦略です。他の指標を考慮せずとにかくコンバージョン数だけをアップさせたい場合に利用します。
「コンバージョン数の最大化」の注意点
コンバージョン数の最大化は、コンバージョン獲得に特化した入札となるため、もっともコンバージョンが獲得できる時間帯に集中して入札となる可能性があります。そのため、広告が配信されない時間帯が生まれるケースがあります。
また、コンバージョン数を優先するので、場合によってはクリック単価が高騰することもあります。
「コンバージョン数の最大化」の効果検証時に見るべき指標
コンバージョン数の最大化の効果検証時に見るべき主な指標は、「コンバージョン数」と「クリック単価」「コンバージョン率」です。コンバージョン数の最大化を選択したにもかかわらず、コンバージョン数が伸びていないといったことが無いように、コンバージョン数は常にチェックしましょう。
また、クリック単価が想定以上に高騰するケースもありますので、こちらも注意が必要です。そしてコンバージョン率についても確認しておきましょう。コンバージョン率が低いと、CPAが高騰していって費用対効果が急激に悪化する場合があるためです。
「コンバージョン数の最大化」はこんな方におすすめ!
コンバージョン数の最大化は、広告予算がなかなか消化できないといった場合におすすめです。コンバージョン数の最大化で運用すれば、日予算を最大限に使用してコンバージョン数を最大化できます。
種類6:効率よりもコスト消化優先で売上を増やすなら「コンバージョン値の最大化」
効率よりもコスト消化優先で売上を増やすのであれば、コンバージョン値の最大化がおすすめです。コンバージョン値の最大化がどのような自動入札戦略なのか、具体的に見ていきましょう。
「コンバージョン値の最大化」の特徴
コンバージョン値の最大化は、コスト消化と売上を優先した自動入札戦略です。コンバージョンの価値が複数あるような場合に、もっとも売上が増えるコンバージョンを優先して入札します。
「コンバージョン値の最大化」の注意点
コンバージョン値の最大化は、十分なコンバージョンデータがないと最適化されません。また、コンバージョンを優先するため、クリック単価が高騰するケースもあります。
「コンバージョン値の最大化」の効果検証時に見るべき指標
コンバージョン値の最大化の効果検証時に見るべき主な指標は、「コンバージョン数」「コンバージョン単価」「クリック単価」の3つです。まずはきちんとコンバージョンが獲得できているかチェックしましょう。
次にコンバージョン単価が高騰していないかを確認します。そしてクリック単価が高騰していないかもチェックしていきましょう。
「コンバージョン値の最大化」はこんな方におすすめ!
コンバージョン値の最大化は、複数の商品を販売しているサイトを運営している方におすすめです。商品によって価格が違う場合、コンバージョンの価値も異なるため、コンバージョン値の最大化によってあらかじめコンバージョン値を設定して、売上の最大化を目指します。
自動入札戦略の導入条件
自動入札戦略の導入条件を解説します。自動入札戦略を利用するためには、いくつかの条件を満たす必要がありますので、以下を事前にチェックしてから運用を検討しましょう。
条件①:一定のコンバージョン数が必要
自動入札戦略を利用する場合、一定のコンバージョン数が必要です。自動入札戦略では、コンバージョンデータを基に機械学習をして、最適な入札を実施します。そのためコンバージョンに関するデータがなければ、最適化できません。
例えば「目標ROAS」の場合、直近30日間で15件以上のコンバージョンを獲得していることが推奨されています。
また、アプリキャンペーンは毎日10件、ファインドキャンペーンは過去30日間に75件以上、動画アクションキャンペーンは過去30日間に30件以上のコンバージョンが必要です。
条件②:機械学習期間が必要
自動入札戦略で最適な入札が行われるようになるまでには、機械学習期間が必要です。この機械学習期間中は、設定した目標とは異なる結果が出ることもありますが、2週間程度は我慢が必要です。
条件③:広告予算に余裕が必要
自動入札戦略を実施する場合、広告予算に余裕が必要です。「条件②」で解説したように、学習期間中は最適化されていない状態で運用が進みます。また、コンバージョン数の最大化などは1日で予算を消化してしまうといったケースもありますので、追加予算が必要となる場合もあります。
Google広告における自動入札の設定方法
Google広告における自動入札戦略の設定方法を見ていきましょう。実際に管理画面からの設定手順を紹介しますので、以下を参考に自動入札戦略の設定を行ってみてください。
STEP1:Google広告へアクセス
引用元:Google広告
まずGoogle広告へアクセスします。
STEP2:新しいキャンペーンを作成
引用元:Google広告
画面上部にある「新しいキャンペーンを作成」をクリックして、キャンペーンを作成します。
STEP3:キャンペーンの目標を選択
引用元:Google広告
キャンペーンで達成したい目標を選択します。
STEP4:キャンペーンタイプを選択
引用元:Google広告
使用するキャンペーンタイプを選択します。
STEP5:キャンペーンの目標達成方法・キャンペーン名を設定
引用元:Google広告
キャンペーンの目標を達成する方法を選択して、キャンペーン名を決定します。
STEP6:入札戦略の設定
引用元:Google広告
予算と入札単価の画面にきたら、「単価設定」にある「または、入札戦略を直接選択します(非推奨)をクリックします。デフォルトでは「コンバージョン数の最大化」の入札戦略が適用されていますので、変更が必要ない場合は、このままでも問題ありません。
STEP7:自動入札戦略を選択
引用元:Google広告
「自動入札戦略」をクリックすると、プルダウンメニューが表示されます。ここで自動入札戦略を選ぶことができますので、適切なものを選択します。
Google広告には「自動入札」「手動入札」「スマート入札」といった入札オプションが設けられています。自社の目標に応じて、最適な入札オプションを選択すると、広告パフォーマンスを最大化できます。 しかし、入札戦略について考える上で、 […]
複数のキャンペーンに対して入札戦略を設定する「ポートフォリオ入札戦略」とは
引用元:Google広告
キャンペーンや広告グループなどの単位で入札戦略の設定を行う方法です。自動入札戦略では、キャンペーンごとに設定を行いましたが、ポートフォリオ入札戦略では、さらに大きな単位で設定することにより、管理を効率化できます。
自動入札戦略は、キャンペーン単位など個別で細かく設定した場合に利用します。一方ポートフォリオ入札戦略は、広告グループなどにまとめて設定ができるため、変更を行う際の手間を少なくすることが可能です。
広告運用効率を重視するのであれば、個別での設定ではなくまとめて設定を行うのがおすすめです。反対にキャンペーンごとに細かな調整を実施していきたい場合は、個別で設定が最適です。
ポートフォリオ入札戦略における入札戦略の設定方法を詳しく解説
ポートフォリオ入札戦略における入札戦略の設定方法を詳しく解説します。通常の自動入札戦略とは異なる設定のため、以下の手順で設定を行いましょう。
手順1.Google広告へアクセス
引用元:Google広告
まずGoogle広告へアクセスします。
手順2.入札戦略を選択
引用元:Google広告
次に画面右上にある「ツールと設定」をクリックして、メニューを開きます。そして共有ライブラリにある「入札戦略」をクリックします。
手順3.「+」をクリック
引用元:Google広告
入札戦略の画面が開いたら、「+」をクリックします。
手順4.設定したい入札戦略を選択
引用元:Google広告
プルダウンメニューが表示されますので、設定したい入札戦略を選択します
手順5.入札戦略の詳細を設定
引用元:Google広告
入札戦略の名前を決め、「キャンペーンを選択」から適用したいキャンペーンを選択できます。入札戦略を適用したいキャンペーンは、あとからでも設定できます。また、今回は目標コンバージョン単価を選択したので、目標コンバージョン単価の設定も行います。
手順6.ポートフォリオ入札を反映したいキャンペーンの設定へ移動
引用元:Google広告
入札戦略の設定が完了したら、次は反映するキャンペーンの設定を行います。一度Google広告のトップに戻り、キャンペーン一覧からポートフォリオ入札を反映させたいキャンペーンをクリックし、設定画面を開きます。
キャンペーンの設定画面が開いたら、「単価設定」をクリックします。
手順7.「入札戦略を変更」をクリック
引用元:Google広告
単価設定の「入札戦略を変更」をクリックします。
手順8.「または、入札戦略を直接選択します(非推奨)」をクリック
引用元:Google広告
「または、入札戦略を直接選択します(非推奨)」をクリックします。
手順9.「ポートフォリオ戦略を使用する」をクリック
引用元:Google広告
「ポートフォリオ戦略を使用する」をクリックします。
手順10.ポートフォリオ戦略の使用または作成
引用元:Google広告
すでに作成済みのポートフォリ戦略を使用する場合は、「既存のポートフォリオ戦略を使用する」にチェックを入れます。すると、使用できるポートフォリオ戦略が表示されますので、使用するものを選択します。
また、この段階で新たにポートフォリオ戦略を作成する場合は、「新しいポートフォリオ戦略を作成する」にチェックを入れて、ポートフォリオ戦略の名前と単価などの設定を行います。
ポートフォリオ入札における入札戦略の設定に関する注意点
引用元:Google広告
ポートフォリオ入札の設定で「目標コンバージョン単価」を選択した場合、上の画像にある「詳細設定」をクリックすると、入札単価の上限や下限が設定できます
引用元:Google広告
この設定を利用すると、入札単価の上限や下限を設定した運用が可能となります。ただし、そもそも自動入札戦略は入札単価の調整を自動化することが目的であるため、特別な理由が無い限り、上限や下限を設定することはおすすめしません。
自動入札戦略で成果を最大化するための運用ポイント
自動入札戦略で成果を最大化するための運用ポイントを見ていきましょう。自動入札戦略を効果的に利用するには、以下のポイントを押さえて運用するのがおすすめです。
- 自動入札戦略設定後はアカウントの調整を頻繁に行わない
- ある程度運用が安定したアカウントで実施する
- 過度な目標設定をしない
ポイント①:自動入札戦略設定後はアカウントの調整を頻繁に行わない
自動入札戦略を設定した後は、頻繁にアカウントの調整を行わないようにしましょう。自動入札戦略は、設定後に機械学習を行って最適な入札が可能な状態となります。そのため、自動入札戦略を設定後に単価設定や、その他アカウントの調整を頻繁に行ってしまうと、そのたびに機械学習が必要となり、最適化されるまでに時間がかかってしまいます。
アカウントの状態にもよりますが、自動入札戦略の機械学習期間は2週間程度かかります。その間は設定した目標とは異なる結果が出る場合もありますが、機械学習期間が終了するまで気長に待ちましょう。
ポイント②:ある程度運用が安定したアカウントで実施する
自動入札戦略を反映する際は、ある程度運用が安定したアカウントを利用するのがおすすめです。一定のコンバージョンデータが蓄積しているアカウントであれば、学習期間も短く最適化の精度も高まります。
反対にデータが少ないアカウントだと、機械学習にかかる時間も長くなり、その上精度もそれほど高くなりません。そのため、いきなり新規作成したキャンペーンに自動入札戦略を設定することは、あまりおすすめしません。
ポイント③:過度な目標設定をしない
過度な目標設定をしてしまうと、目標を達成できない可能性があるので気をつけましょう。例えば現在のコンバージョン単価が5,000円というキャンペーンに対し、自動入札戦略の目標コンバージョン単価を100円にするといった方法は、不適切です。
このように過度な目標設定を行ってしまうと、目標を達成できないばかりか、十分に広告が配信されない恐れもあります。よって、自動入札戦略の目標を設定する場合は、徐々に目標値を高めていくのがおすすめです。
運用中に確認したい「入札戦略のステータス」ついて
運用中に確認したい「入札戦略のステータス」について解説します。まず入札戦略のステータスとはどのようなものなのか、そしてステータスの種類などを詳しく見ていきましょう。
「入札戦略のステータス」とは?
入札戦略のステータスとは、設定した入札戦略がどのような状態にあるかを示すステータスです。問題なく入札戦略が稼働しているのか、停止しているのか、あるいは設定になんらかの問題があって改善が必要な状況なのか、といったことが読み取れます。
万が一設定に問題があると、入札戦略が反映されないまま運用が進んでしまう可能性もあるため、定期的にGoogle広告の管理画面で、入札戦略のステータスをチェックしましょう。
入札戦略のステータスの種類と改善アクションまとめ
入札戦略のステータス | 概要 | 改善アクション |
無効 | 入札戦略自体が無効の状態 | キャンペーンやキーワードの運用再開、広告費残高の確認 |
有効 | 入札戦略が有効の状態 | 必要なし |
学習中 | 機械学習期間中 | 必要なし |
制限付き | 「広告枠」「入札単価の上限/下限」「優先度が低い」「予算制限」「品質スコアが低い」のいずれかが原因で入札戦略が制限されている | ステータスにカーソルを合わせて原因を確認し、対応する |
設定が不適切(最大化入札戦略での予算の共有) | 他の入札戦略と予算を共有しているため設定に問題あり | ポートフォリオ戦略を正しく設定する |
設定が不適切(コンバージョン設定) | 適切なコンバージョンアクションが設定されていない | 適切なコンバージョンアクションを設定する |
定期的に入札戦略のステータスに異常がないかチェックしましょう。特に「無効」や「制限付き」「設定が不適切」となっている場合は、そのまま放置すると自動入札戦略が正しく反映されませんので、注意が必要です。
「学習中」となっている場合は、機械学習を行っている最中となるため、できるだけ調整や変更を行わないことをおすすめします。
Google広告を運用する上で重要となる要素の一つが「品質スコア」です。品質スコアを正しく理解した上でGoogle広告を出稿すれば、費用対効果の高いGoogle広告運用が可能となります。 そこでこちらの記事では、Google広告の品質[…]
自動入札戦略を途中で変更する場合の手順
自動入札戦略を途中で変更する場合の手順は、自動入札戦略を設定する際と同じ方法で、キャンペーンの単価設定から変更できます。
また、ポートフォリオ戦略に変更を加えたい場合も、設定手順と同じ流れで変更をかけるか、あるいは変更したいキャンペーンごとに変更を実施します。
Google広告の効果を可視化するレポート!おすすめのレポート自動化ツール
入札戦略を利用したGoogle広告の効果を可視化するには、レポートが重要となります。そこで、おすすめの広告レポート自動化ツールを紹介します。
Databeat Explore
おすすめするツールは「Databeat Explore」です。広告のレポート作成に関する作業を、このDatabeat Exploreがすべて自動化します。はじめにGoogle広告との連携作業を済ませてしまえば、あとはなにもしなくても最新の広告レポートを手に入れられます。
Databeat Exploreで実現できる3つのこと
Databeat Exploreを導入すると実現できることを、3つ解説します。
- 広告レポート作成業務を自動化
- ダッシュボードで広告運用データを社内共有
- 広告クリエイティブの分析
1.広告レポート作成業務を自動化
Databeat Exploreを導入すると、広告レポート作成業務を自動化できます。広告レポートを作成する場合、Google広告から運用データをダウンロードして、表にまとめたりグラフを作成したりといった作業が必要になります。
また、Google広告以外の広告媒体を使用しているシーンでは、この作業を運用している媒体の数だけ繰り返すこととなり、非常に手間と時間がかかります。しかしDatabeat Exploreなら、それらの作業をすべて自動で実施できるため、広告レポート作成に費やしていた手間と時間を、データの分析や新たな施策の立案などに利用できるようになります。
2.ダッシュボードで広告運用データを社内共有
Databeat Exploreは、常に最新の広告データを保持しており、ダッシュボードに反映されています。このダッシュボードは、そのまま社内へ共有することが可能です。社内日報や上層部への報告など、簡単なデータの共有であれば、ダッシュボードを共有するだけで簡単に済ませられます。
3.広告クリエイティブの分析
Databeat Exploreは、広告のレポート作成やダッシュボードによる共有だけでなく、広告クリエイティブの分析にも活用できます。Databeat Exploreには広告クリエイティブのサムネイル画像を自動出力する機能がありますので、広告データと併せて分析をすれば、クリエイティブの改善もスムーズに実施可能です。
現在Web広告の業務に関わる方は、「広告レポート自動化ツール」を取り入れることがベストです。 広告レポート自動化ツールは、Web広告のデータ収集・レポーティング業務を効率化する上で大きな威力を発揮します。 そして、業務効率化以外[…]
まとめ
Google広告の自動入札戦略は、Google広告の運用データを基にして、広告の運用目的に対して最適な入札を自動で行ってくれる、大変便利な機能です。入札状況を常時監視しながら調整する必要がなくなりますので、Google広告の運用業務の大幅な効率化が期待できます。
ただし、自動入札戦略にはいくつか種類がありますので、広告の目的にマッチするものを選択する必要があります。また、自動入札戦略の導入にはいくつか条件もありますので、あらかじめ確認した上で導入を進めてください。
また、自動入札戦略による入札は、設定してから機械学習期間が必要です。概ね2週間程度かかりますので、その間はあまり設定を変更したりせず、学習期間が終わるのを待ちましょう。
そして自動入札戦略を活用したGoogle広告の効果を「Databeat Explore」によって自動で可視化するのもおすすめです。Databeat Exploreなら、Google広告の運用データの収集からレポート作成まですべて自動で実施できますので、素早く運用データを確認して、自動入札戦略がしっかりと機能しているのかチェックしやすくなります。